何の変哲もない小説になっているな・・・。
登場人物
花園ユーミ。オテンバな性格で、花の国にきても傍若無人に振舞っている。
三沢健太。ユーミのハートを射止めたいと思っているが、いまのところ片思い。
氷の王。美しいものを好むナルシストな性格。
(どうしてパンツを脱ぐことになっちゃったんだろ・・・あ〜あ・・)
同性の男の子ならばまだしも、ユーミの前でだけは裸になりたくない。
それが健太の率直な気持ちだった。
ドクンドクン・・・。
心臓が破裂しそうな勢いで鳴っている。
ユーミが見つめる中、健太はそっとパンツのゴムに手をかけた。
穴があったら入りたくなるほどの羞恥心で一杯だ。
健太は、クルッとユーミと反対の方向を向き、背中を丸める。
(ユーミちゃんだけには、絶対に僕のおちんちんは見せたくない・・・)
健太はそっと、パンツを下ろしていく。
そして、パンツを両足首から抜き取り、そっと床に置いた。
ついに素っ裸になってしまった健太。
(恥ずかしいなぁ。どうしよう・・・)
健太は目をグッと閉じたまま、小動物のようにブルブルと震えていた。
両手で股間の部分をしっかりと隠し、そっと氷の王の方を向く。
『ほう、なかなか好みの体格ではないか』
氷の王は薄気味悪い笑いを浮かべている。
そのとき、ユーミが叫んだ。
「健太くん、なにやってるのよ。両手をバンザイして、アレをみせちゃいなさいよ!」
「そ、そんな簡単に言わないでよっ」
「なにを恥ずかしがってるの?」
「だからユーミちゃんは、あっち向いててよ!」
「なによ。もう、健太くんの弱虫!」
「そ、そんなぁ〜」
相変わらず、ユーミは自分の気持ちを察する様子はない。
こうなったら、ヤケクソだ。
健太は屈辱に耐えながら、両手をバッとあげる。
氷の王に自分のおちんちんをバッと見せ付けた。
健太が股間から両手を放したとき。
ポロッと健太のおちんちんが、あらわになった。
豆粒のように可愛らしいおちんちんに、思わず目が釘付けのユーミ。
「くはははっ、あはははは!」
健太が氷の王におちんちんを見せた途端、ユーミが急に笑い出した。
健太は何事かとびっくりする。
「ユ、ユーミちゃん、どうして笑ってるの!?」
「あはははっ、だって、だって・・・」
ユーミは、地面をドンドンと叩きながら爆笑している。
「あははは、ごめんね。だって健太くんのおちんちん、小さい頃と全然大きさが変わらないんですもん」
その言葉に、温度計が振り切れたかのように、真っ赤になる健太。
「そんな・・・ひどい・・・ひどいよ!ユーミちゃん!」
「あははは、おかしくて涙がでてきちゃう」
「あんまりじゃないか、ユーミちゃん!」
健太の目に大粒の涙が溜まっていく。
自分のイチモツをバカにされた健太は、目に涙を溜めて恥辱に耐えていた。
自分のおちんちんが、体に不釣合いなほど小さいことは分かっていたのだが、
それをユーミに笑われたことは、小心な健太にとって、何事にも変えがたい屈辱だったのだ。
一方、氷の王はなにやらいやらしい目つきで、健太の体を嘗め回すように見ている。
『花の女王よりもすばらしい』
「「ええっ!?」」
ユーミと健太は、氷の王の言葉に驚くと同時に、固まってしまった。
地面を叩いて爆笑していたユーミは、笑い転げるのをピタリとやめる。
そして、氷の王に対して切り返す。
「ちょっと、氷の王!」
『なにか?』
「健太くんは、見ての通り男の子なのよ」
『それで?』
「男の子が花の女王も美しいって、そんなバカな話があるの!?」
しかし、氷の王は冷笑しながら「チッチッ」と指を立てる。
『あなたは何も分かっていない』
「ど、どういう意味よ?」
『ちなみに・・・この少年はあなたにとって、どのような人ですか?』
「えっ・・?」
氷の王の質問に対し、ユーミは即答することができなかった。
『もう一度聞きます。あなたにとって、この少年はなんですか?』
「・・・・」
『恋人ですか?大切な人ですか?』
ユーミはその問いかけに、黙ったままだ。
(ユーミちゃん・・・)
健太は、ユーミが何と答えるのか不安だった。
恋人?友達?それとも・・・?
(どうかお願いです・・ユーミちゃんが"恋人"だと答えますように・・)
健太は神に祈るように目を閉じる。
『どうしたのです? 恋人なのですか?』
「こ、恋人って・・・健太くんは単なる幼馴染なだけよ」
『大切な人ではないのですか?』
「大切って・・・別に大切とか大切じゃないとか・・いままでそんなこと考えたこと無いわ」
その言葉を聞いて、健太は愕然とする。
(ユーミちゃん、そんな・・・)
健太は拳を強く握り締め、下を向いてワナワナと震えだした。
ショックで声がでない健太を尻目に、氷の王とユーミは勝手に話を進めていく。
『では、心置きなく提案できますね。この少年と花の女王を交換しましょう』
「えっ? 健太くんなんかと交換していいの?」
『はい、喜んで』
「どうみたって、健太くんが美しいとは思えないんけど・・・」
『おそらく、あなたには一生かかっても理解できません』
氷の王の言葉に、カチンとくるユーミ。
思いっきり口を尖がらせる。
「なによ、それ! バッカじゃないの!」
『フフフッ』
「それじゃ、早く健太くんと花の女王を、交換してちょうだい!」
・
・
『こちらが花の女王です』
氷の王は、マントの下から小さな妖精を取り出した。
小さくて可愛い姿の妖精。眠っているのだろうか?
(花の女王って・・・ケシ丸やかき丸と同じ姿の妖精だったんだ・・)
ちょっと意外な顔をしながら、ユーミは花の女王を両手で受取る。
(きゃ! すごい冷たい・・・)
花の女王は凍ったように冷たい。
一瞬、死んでしまっているのかとユーミは思った。
しかし、花の女王はゆっくりと、ユーミの手のひらで起き上がった。
「あ、花の女王さん、大丈夫?」
「・・・ええ・・あなたは?」
「花園ユーミです。私が助けたのよ」
「そうですか」
何も感情がこもっていない、素っ気無い返事。
棒読みのようなセリフに、感謝の気持ちは見当たらない。
無感情な花の女王に対して、ユーミは眉間にシワを寄せる。
「あのー、花の女王さん・・・本当にそれだけ?」
「他になにか?」
「なにかって・・・」
「では、私は長老のところに戻ります。これで花の国に平和が戻るでしょう」
そういうと、花の女王は勝手に洞窟から飛んで出て行ってしまった。
(一体何なのよ。あんなのが女王だなんて、失礼な妖精だわ!)
ユーミは腹の底からムカついたような膨れっ面をした。
とりあえず裸絵だけがんばって描いてみましたw