ようやく俺の脳が活性化してきました(違うか・・)。
登場人物
我らが金太君です。
金太の親友の拳一です。
権藤大三郎です。
――拳一が審判をする。
――審判は公平に行う。
どの条件も不審な点はない。
いや、どうみても金太に有利だ。
あの卑怯千万の権藤が、こんなことを提案するなんて。
それだけに、なにか漠然とした不安を感じる金太だった。
金太は、対決を前に屈伸をしたりして柔軟運動をした。
「拳一っ・・あれ?」
拳一に声をかけたが、拳一がいない。
金太はキョロキョロと周りを見渡すと、拳一はあの大河原と話をしている。
なにやら柔道のルールを簡単に教えられているようだった。
(拳一・・・試合前にちょっと話したかったのに・・・)
実は、金太はとても緊張していた。
負ければ、権藤のなすがまま。
だから絶対に負けられない。
余裕の権藤に対する漠然とした不安感。
さらに周りは金太を睨みつけるような視線に満ちている。
金太の味方は、拳一だけなのだ。
しかし、その拳一が審判をするという。
審判は公平な立場だから、拳一が金太を直接応援したりすることはないだろう。
金太は完全に1人孤立してしまっていた。
拳一から一言でも元気付けられれば、どんなに気持ちが変わることだろう。
金太は不安な気持ちでいっぱいだった。
「では、これから試合を始めます・・・なんちって」
「拳一・・・・あのな・・」
「礼をして!」
拳一は初めて審判をするためなのか、ちょっとテンションが高い。
金太と権藤はお互いに審判の横に並び、礼をした。
拳一は、チラッと金太の方をみる。
金太の顔は真剣だ。
いつ権藤が仕掛けても対応できるように、すでに身構えている。
しかし、すでに額に汗が流れており、いつもの金太らしくない。
拳一を見る余裕すらないようだった。
(金太、もっと落ち着いていけ!)
拳一は金太に声をかけたかった。
しかし、審判という立場上、あからさまに応援するわけにもいかなかった。
「はじめ!」
拳一が叫ぶと、金太はいきなり権藤に飛び掛っていった。
「権藤さん!!」
「キャプテンしっかり頼みますよ!」
部屋は声援でいっぱいになり、小さい音は全部かきされてしまうほどだった。
しかし、金太を応援するものなど、誰もいない。
これは最初から分かっていたことだ。
道場破りをするということは、完全にアウェイの中で戦うということなのだ。
孤立無援の中で、金太の精神力がどこまで持つのか、拳一は不安だった。
「とりゃーー!」
金太は権藤の襟をいきなり掴み、そのまま後ろを向いて背負い投げの体勢に入る。
そのまま権藤を投げようとする。
しかし、権藤は足をキチッと引っ掛けて、投げさせない。
並みの選手ならば金太の怪力で吹っ飛ばされるところだが、権藤は体重もあり、テクニックもあった。
「キンタ、また背負い投げか?」
「なに!?」
権藤が金太の耳元で囁いた。
金太の基本的な攻撃は、上半身のパワーに物を言わせた投げ技しかしない。
なぜなら、1人でドラム缶相手に投げの練習を集中して行っているからだ。
寝技や払い技は、正直得意とするところではない。
「お前の投げ技は、撮影したビデオを見てるから分かってるぜ」
「ビデオだって!?」
「どういう体勢から投げに入るか、体のどの部分にスキがあるか、全部わかってるんだよ」
「まさか・・」
「お前のビデオをみるのが俺の楽しみでさ。だから自然に覚えちまったんだ。
毎晩興奮しちまうんだよ、お前をみてるとさ・・どういう意味か分かるか?」
「な、なにを訳の分かんねーことを・・・」
しかし次の瞬間、金太は凍りついた。
(ひゃあ!)
金太の顔は苦痛ともとれる表情に変化し始めた。
権藤の片手が、股の下から金太の股間をギュッと掴んでいたのだ。
金太は電気が走るようなショックに、思わず体をのけぞらした。
(あぁぁぁ・・や、やめろ・・・)
金太の思いとは裏腹に、権藤の手つきは、どんどんいやらしさを増していく。
柔道着の上から、おちんちんの根元の部分をピンポイントで鷲づかみにする。
そして、グニグニと揉みあげる。
体中が敏感な金太は悶えそうになったが、ここで快感に流される訳には行かない。
「くっ、くそ!」
金太は快感に負けまいと、強引に投げにもっていく。
しかし、どうにも下半身に力が入らなかった。
「へへっ・・力が抜けてるぜ」
「て、てめーっ、いい加減にしろよ!」
「いやだね」
そうこうしているうちに、金太の意思とは関係なく、モノはどんどん勃起していた。
(ううっっ・・)
金太は、声を出さないように必死だった。
権藤は股間だけではなく、太ももをいやらしく触ってくる。
なんとか、それを我慢しようとふんばってみたものの、徒労に終わった。
感じるたびに、ブルブルと体が震えてしまう。
「お前、本当に感じやすいのな」
「くっ・・」
「まだ柔道着の上から触っているだけなのによ・・」
そういうと、権藤は金太の玉袋と思われるところをグニュグニュと揉み始めた。
(ふんがぁっ!)
金太は歯を食いしばって、この苦痛と快感に耐えようとする。
しかし、金太の意思とは関係なく、体のあちこちがピクピクと痙攣しはじめていた。
「お前が一番悶える部分を触ってやろうか・・」
その言葉を発せられた瞬間、金太のおちんちんがビクッと反応した。
権藤はそれを見逃さない。
「やっ、やめろ!!」
金太は悲鳴に近い声をあげ、ユサユサと大きな体を揺らす。
しかし無駄な抵抗だった。
権藤は金太のおちんちんの中腹部分を、指先だけでギュッと力を入れて掴んだ。
そのまま上下に指先を動かす。
絶妙な力の入れ具合。
(ふんがっ!あがっっ!)
「どこまで耐えられるかな?」
キーンという軽い衝撃が金太の脳に走る。
金太の目は一瞬、焦点が合わなくなった。
意識が遠のいていく気持ちよさ。
(ヤ、ヤバイ・・・・この手つきだ・・・
・・俺が夢の中でずっと感じていた・・・
・・・・拳一と比べ物にならない・・・・・)
投げようとする腕の力がズルズルと抜けていくのを、権藤は見逃さない。
(キンタのヤツ、かなり効いているみたいだな)
金太は心の中で、快感に溺れたい気持ちと戦っていた。
ヨダレが口からスゥと垂れる。
(ダメだ・・アイツのペースに乗っちゃ)
金太はなんとか理性を取り戻し、前に一回転して権藤から離れた。
「はぁ、はぁ・・・」
技を仕掛けたはずの金太の方が疲れている。
金太には"絶対に負けられない"という大きなプレッシャーがあった。
それが金太の疲れを倍増させていた。
「おっと、休む暇はねぇぜ、キンタ!」
権藤は金太に汗をぬぐう暇を与えなかった。
再び金太に近づき、襟のつかみ合いになる。
「権藤、あんなの反則だぞ!」
「反則じゃないぜ。審判は何にも言ってないんだからな」
「そういう問題かよ!」
「最初に約束したはずだぜ。審判の言うことに従うと。この試合は審判が何も言わなきゃ関係ねーぜ」
こんなバカな話があるだろうか。
確かに約束はしたが、審判が何もいわなきゃ反則もアリなのか。
(ま、まさか、このことを計算して素人の拳一を審判にしたんじゃないだろうな・・)
金太は全身に冷や汗が流れるのを感じた。
(拳一以外の審判ならば文句のつけようもあるが、ド素人の拳一には文句もつけられない・・)
荒い呼吸をしている金太をみて、拳一は不審に思っていた。
(金太のヤツ・・やけに疲れているな・・)
しかし、拳一は金太に異変が起こっていることに気付かない。
金太はチラッ、チラッと何かを訴える目で、たまに拳一の方をみている。
(さっきから俺を見る、金太の"あの目"はなんだ?)
まさか、権藤が陵辱的な攻撃を金太にしているとは知る由もない。
<金太がんばれ!>
と拳一は一瞬叫びそうになったが、それでは公平を期する審判にならない。
(金太、一体どうしちまったんだよ・・)