金太君小説(15)


今回の小説、長すぎるかなぁと自分でも反省・・・。まだ終わりませんもん。


登場人物

我らが金太君です。

金太の親友の拳一です。

権藤大三郎です。

ついに寝技に持ち込まれてしまった金太。果たして脱出することはできるのか?


権藤の寝技はガッチリはまり、とても動きそうに無い。
「審判、カウント始めろ!」
周りからカウントしろという声が審判に送られる。
寝技から30秒の間に脱出できなければ、金太の負けとなる。
拳一はしかたなく、カウントを開始した。
<金太、抜け出してくれよ、頼む!>
拳一は神にも祈るような気持ちだった。


「もう終わりだぜ、キンタ」
金太はなんとか寝技が脱出しようと足をジタバタさせるが、全く動かない。
「まだ・・まだ負けてねーぞ」
言葉だけは強がってはみたものの、もう金太に反撃できるだけの体力は残っていなかった。
「全く往生際が悪いな。
  まだ物足りねーのかよ・・しかたねぇな」
そういうと、権藤は顔を金太の胸にピッタリと当てた。
胸に生暖かい唇の感触。
(うひゃぁ!)
「クククッ。お前、本当に感度良好な」
権藤の唇や舌が、ふくよかな金太な胸に食らいついていく。
(ふはっ、あう!)
金太は、脱出する術もなく権藤のなすがままにされていく自分を、情けなく感じた。
権藤は再び顔面を金太の胸にこすりつける。
「やめろったら、やめろ・・」
金太は必死に叫ぶが、その間にもカウントは進んでいく。
そのうち、チュウチュウといやらしい音が聞こえてきた。
(・・・あんっ!)
金太の乳首を、権藤の生暖かい唇と舌がたっぷりと愛撫し始めたのだ。
上下の唇でハグハグと乳首を噛んだり、舌でなめ回している。
(ふんがっんがっ!)
金太は突然両足をバタバタとさせてもがきだした。
体を動かしていないと、もはや理性が保っていられないのだ。


金太は半分快感に溺れながらも、必死に脱出しようと体を左右に動かす。
しかし、権藤はすぐに体の位置を入れ替えて、体勢を立て直してしまう。
「はぁはぁ・・・」
「お前、もう逝っちまいそうだろ?」
「なっ・・」
「お前のココは正直だよな」
そう言うと権藤は、パンパンに張った下半身の柔道着をギュッと鷲づかみにした。
(ふんぬっっ!!!)
「ヘヘッ、このチンチンの太さと固さからして、もう限界だよな」
「くぅぅ・・うるさい!」
「こんな大勢の前で逝ったら、さぞすごいことになるんだろうねぇ」
「なんだって・・・」


金太は頭の中で、この場で射精してしまう自分を思い描いた。
みるみる白い液体で濡れていく柔道着。
大勢の前で、笑いものにされる自分。
冷ややかな目で見る拳一。
いや、笑いものどころか、もう人前で柔道ができなくなるかもしれない・・。
そ、そんなことがあってたまるか・・・。
「金太、あと10秒しかないぞっ!!」
拳一は大声で金太に叫んだが、いまの金太にはその声は届かなかった。
再び、権藤の強烈な舌。
(んんっ!)
下半身は、おちんちんを擦りつけるような、ゆっくりとしたピストン運動。
(はぅぅ!)
乳首とおちんちんのダブル攻撃。
(くぅぅ・・・もう限界だ・・まじで逝っちまう・・)
あと数秒、権藤に愛撫され続ければ、確実に射精してしまう。
金太の頭はパニックに陥っていく。
自分でも、おちんちんの底からドクンドクンという激しい脈動が起こってるのに気がついていた。
(もうダメだ・・)
金太の表情が徐々に諦めに近いものになっていく。
しかし、そのときだった。


(待てよ・・この状況・・・あの体育館のときと同じじゃないか・・)
金太は思い出した。
柔道着の上とパンツだけで、権藤と練習をしたときのことを。
あのときも、この技から脱出不能となり、結局2回も射精してしまった。
(また、同じことを繰り返してるだけじゃないか・・
 何か、何か・・この技から脱出する方法はないのか・・・)
金太はあのときの状況を必死に思い出す。
(ハッ・・あのとき・・)
金太は権藤の言ったことを思い出した。
<この技から脱出したかったら、柔道のルールなんか無視すればよかったのによ!>
(そうかっ!!)
「権藤、もうてめぇの好きにはさせねぇぞ!!」
金太は次の攻撃にすべてを賭けることにした。


金太は片方の膝を曲げた。
そして、勢いをつけてその膝を権藤の頭に思いっきりぶつけた。
いままで愛撫された怒りをすべてぶつけるかのように。
ゴギッ・・・。
なにか鈍い音がした。


先ほどまであれだけ騒がしかった柔道部屋全体が、急にシーンとなった。
権藤の手は愛撫を停止している。
押さえ込みの力もなくなった。
「どうだ、権藤! さっさと離れやがれ!」
勢いに乗った金太は、体に覆いかぶさった権藤を、畳の上に払いのけた。
権藤はそのままゴロンと仰向けに倒れて動かない。
「ついにこの技から脱出してやったぜ!」
「・・・・・」
「ご、権藤?」
「・・・・・」
「お、おい・・」
「・・・・・」
一体、何が起こったのか、金太には分からなかった。
首筋に嫌な感じの汗がスッと滴り落ちる。
そのときだった。
バシッ。
いきなり頬を殴られた。
「えっ・・ケン・・イチ・・?」
金太はヒリヒリとする頬を押さえながら、ゆっくりと拳一の方をみる。
拳一はうつむき加減で肩が微妙に震えているようだった。


「金太・・・今なにやったんだよ・・」
「けっ、拳一?」
拳一は下を向いていたので、表情を窺い知ることはできなかった。
しかし、拳一が怒っていることは、声から容易に想像できた。
(どうして・・拳一・・・)
金太は周りの状況にうろたえた。
「金太、お前の反則負けだ・・・」
「反則・・?」
「あぁ。あんなの反則に決まってるだろ!」
「ちがう・・」
「金太・・お前そこまでして勝ちたいのかよ・・柔道が好きなんじゃないのかよ・・」
――反則。
 先ほどの膝蹴りのことを言っているのだと、ようやく気がついた。
「け、拳一・・・違うんだ・・権藤が・・」
「いくら負けたくないからって、正直見損なったぜ、金太!」
「だから、俺の話を聞いてくれ」
金太が拳一に話しかけようした瞬間、青空第2小の柔道部員たちからも非難の声が上がった。
「卑怯だぞ!白金太郎!」
「あんなの実際の試合でやったら、即退場だぞ!」
「恥を知れ!」
――違う。
 先に反則したのは権藤じゃないか・・。
金太は次々と部員から浴びせられる罵声に耳を塞いだ。


いつの間にか、倒れた権藤の周りに部員たちが集まっていた。
「おい、権藤さんの頭から血が出ているぜ!」
「権藤さん、死んじゃったんじゃないんだろうな」
その会話を聞いて、金太は血の気が引くのを感じた。
(俺は・・俺は・・取り返しのつかないことをしてしまったのか・・・)
金太は目の前が真っ暗になる。
(悪いのは権藤なのに・・・どうしてこんなことになるんだよ・・)
しかし、考えてみれば当たり前のことだった。
権藤の反則は、拳一には見えていない。
そんな状況で膝蹴りをすれば、明らかに金太1人が反則したように見える。
拳一が怒るのも無理はない。
(俺は・・権藤のことを卑怯だと言ったが・・俺も同じことをしちまったんだ・・)
金太は拳一の顔の方へ、恐る恐る視線を戻した。
すると、拳一は金太の方へ歩み寄ってくる。
「拳一・・・まさか・・わかってくれたんだな!?」
金太は嬉しそうな表情で近づいてくる拳一を見つめる。
「えっ・・・」
しかし、拳一はうつむき加減のまま、金太の横をスッと通り過ぎた。
黙って通り過ぎる拳一に、もどかしい感情が沸いてくる。
金太は離れていく拳一の手を、ギュッと握った。


「おい拳一、どこに行くんだよ。まだ話が・・」
「バカヤロウ・・・」
「拳一・・?」
「離れろよ! もうお前の顔なんか見たくねーっ!!」
「えっ・・・」
拳一を握る金太の手は、ブルフルと小刻みに震えだす。
チラッと見えた拳一の目に、光るものが流れていた。
「放せよ!」
拳一は金太の手を解き、そのまま走って部屋をでていった。
(ケンイチ・・俺は・・お前の信頼を裏切っちまったんだな・・)
「うっ・・うっ・・・」
金太の目から、涙がこぼれ落ちた。


やっと話が進んだ気がします・・・<俺

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