だんだん脳がカミーユ化してきました。
登場人物
金太君です。
権藤大三郎です。
土門は、金太が暴かれたくない秘密を偶然に見つけ、ほくそ笑んだ。
(白金太郎と、権藤大三郎か・・。もし本当に2人がエッチしている関係にあるのならば、
白金はもう俺には逆らえない。操り人形同然だ。たっぷり恥辱を与えてやりたい放題だぜ。
ついでに権藤にも、恥辱と屈辱を与えて、柔道部を追放できるかもな。
いや、仮にそういう関係でなくても、白金と権藤がエッチしているという話にしてしまえばいい。
俺にとって、一番邪魔な2人だ。一石二鳥なアイデアだぜ)
一方の金太は、権藤大三郎のことを指摘され、頭がパニックになっていた。
もし、権藤との関係を言いふらされてしまったら、一体どうなってしまうのか?
柔道部から、権藤とともに追放されてしまうのではないか・・?
そんな焦燥感に襲われていた。
ボーゼンとする金太に、土門はニンマリと微笑む。
そっと手を伸ばして、金太のパンツのゴムを広げる。
そのまま三角形の空間に腕をねじ込み、金太のおちんちんの根元を直接掴んだ。
「くあああああっ!!」
金太は、雷が直撃したんじゃないかというほどの衝撃を感じ、絶叫を漏らす。
やはりおちんちんへの直接の刺激は、相当なものらしい。
「そんなっ・・卑怯な・・・あぐっ・・!」
「ボケッとしてるんじゃねーよ。へぇ、皮かぶってるな。思ったより、でかいチンチンしてるじゃねーか」
さらに金太のチンチンを、指で揉みしだく。
皮を上下に、軽く擦り付けてみる。
「ふああっ、んあっ!」
全身が悶える金太をみて、土門は金太が陵辱された経験があることをさらに確信する。
「お前、やっぱり感じ方が普通じゃねーぜ。権藤とはもっと激しいエッチしてるのか?」
「だ、だから違う!」
「じゃなんだ、この喘ぎ声は?」
「それはその・・・とにかく違うんだ・・」
「権藤とはどこまでやっているんだ? ココを舐められたか? ケツまでやられたのか?」
「し、知るもんか!」
「権藤とは、一週間に何回エッチしているんだ?」
「だから、してない!」
「そんなに強く否定するところが余計怪しいぜ。
もし違うんだったらよ、俺たちの前でマスかいて、白い液体だしてみろ。そしたら信じてやるぜ」
「えっ・・?」
全く脈略のない会話に、まごつく金太。
「射精しろって言ってるんだ。そうしないとお前が権藤とエッチしているって、全員の前で公言してやるぜ」
「なっ・・!」
「さぁ、選択しろ! 自分で射精するか、俺たちに愛撫されて射精するか。どっちがいい?」
「そんなっ」
金太に突きつけられた究極の2択。
いや、選択の余地などない2択だ。どちらも選べるわけがない。
条件は異なるが、人前で射精することには変わりはないのだから。
金太はいまさら確信した。
これが居残りの稽古ではなく、居残りの陵辱であることを。
しかも、この陵辱は、権藤のそれとは明らかに違う。
自分を追い詰める陵辱。
自分の心をもてあそび、心を引き裂く陵辱。
そうとしかいいようがない。
権藤の陵辱には、決して悪意を感じなかった。
数日前に言った権藤の言葉が、金太の脳裏によぎる。
<俺の行為がリョウジョクごっこだと・・。ふざけるな!>
あのときの権藤の真剣な眼差し。
(いまになって、やっと分かった・・・。
権藤は、俺をリョウジョクして、もてあそぼうとしていたんじゃない。潰そうとしていたんじゃない・・。
アイツは何か別のこと伝えようとしていたんだ。ちくしょう、どうしていまさら、こんなことを・・)
金太は一瞬、そんなことを思った。
金太は、権藤に対して、後ろめたい気持ちがフツフツと湧き上がった。
もし、権藤の言う通り、居残り稽古を断っていれば、こんな事態にはならなかったはずだ。
さらに、権藤とエッチをしたことがあるという事実が、土門にバレてしまったかもしれない。
そうなれば、土門の魔の手が、権藤にも伸びる可能性だってある。
権藤が土門に脅迫されて、自分と同じ目に遭うかもしれない。
(権藤すまねぇ・・俺がお前のことを信じていれば・・)
そう思えば思うほど、金太は心が痛んだ。
「白金、早く選択しねーか」
「・・・」
「射精しろって言ってるんだ。日本語わかんねーのか!?」
その不条理な言葉に、金太はキッと土門を睨みつける。
「土門主将、こんなことやめてください!」
「なんだ? その生意気な顔は? 口ごたえするのか?」
「こんなの柔道と関係ないじゃないか!」
「関係あるんだよ。1年生であるお前が淫らなことをしていたら、柔道部の示しがつかねーんだ」
「うっ・・」
「もしやらねーと、権藤のことも全員に公言するぜ」
その言葉に、金太は目尻を吊り上げる。
「権藤は・・・俺の"大切な友達"だ。そんなことしてみろ、ただじゃおかないぞ!」
「へぇ・・権藤をかばうのか。余計に臭うな」
「友達の変な噂を流されたら、誰だって嫌に決まっているだろ!」
「だったらなおさら、いまここで、お前が射精するしかねーな」
「くぅぅ・・」
「どうした? やるのか、やらねーのか?」
土門の究極の2択に、蚊の泣くようなか細い声で金太は答えた。
「わかった・・じゃ、自分でやるから・・」
「ほう」
「その代わり、変な噂は言い触らさないって、約束しろ・・」
「いいぜ。しかし、こりゃ見ものだねぇ・・。柔道日本一を目指す白金くんが、どんな風に1人でオナニーするかよ!
おい、お前ら。腕を解放してやれ! たっぷりと見物してやろーじゃねーか」
金太はようやく両手を解放された。
しかし、その表情はこの世の終わりのようなウツロなものだった。
(ううっ・・やるしか・・ないのか・・)
まさか、人の前でオナニーをすることになるなんて・・。
そう考えただけで、金太の心は恥辱でドロドロになる。
目をギュッと閉じて、ブルブルと震える金太。
そんな金太を見て、土門は勝利を確信する。
(ヘヘッ。白金はもう終わりだ。
こんな硬派な男が、人前でオナニーするんだ。二度とまともに俺たちの顔を見れないだろうよ)
金太はそっとパンツのゴムに手をかける。
意を決して、そのままパンツを膝下までゆっくりと下ろした。
ペチャッ・・・。
金太の勃起したおちんちんが反動で大きく波打って、土門たち3年生の前にむき出しになる。
<白金のチンチン、綺麗な色してるじゃねーか>
<いま、ガマン汁が飛び散ったぞ>
<皮はかぶったままだな>
明らかに、金太を冷かす声が聴こえてくる。
(ううっ・・・すごい恥ずかしい。でもやらなくっちゃ、権藤まで巻き込んじまう・・・)
金太は、その場にあぐらをかいて座った。
顔から火を吹きそうなほどの羞恥心を感じる。
チラッと上目遣いで土門をみると、「早くしろ」と言わんばかりの表情をしている。
金太は表情をこわばらせながら、片手でおちんちんの付け根をギュッと握る。
そして、もう片方の手で、ゆっくりと亀頭にかぶった皮を、上下にシコシコと擦り始めた。
目から、透明な雫を落としながら・・・。
「うあっ、ああ、あん、くくっ」
道場に響く金太の1人エッチの声。
右手でおちんちんの竿部分を、上下に思いっきり擦り付ける。
(がんばらなくちゃ・・がんばって射精しないと、権藤まで大変なことに・・・)
いつもよりも、倍の力でおちんちんをさすってみる。
そんな金太の目の前に、土門はウンコ座りをするようにしゃがみこんだ。
「へぇ、白金は皮を剥かないでオナニーするのか」
「くっ・・」
「分かるぜ。皮を擦ったほうがチンポ気持ちいいもんな。俺と同じやり方だぜ」
土門は、そのままゲラゲラと大声を出して笑い始める。
ジロジロと自分の自慰行為を見られて、金太は穴があったら入りたくなるような恥辱にまみれた。
「はぁ、あん、くっ!」
金太は必死におちんちんを擦っていたが、いつまで経っても、マグマが沸いてくる感覚がしてこない。
いや、それどころか勃起していたおちんちんが、いつのまにか萎えていたのだ。
(あれ、どうしちゃったんだ・・)
突然、勃たなくなった自分のチンチンに、焦りと違和感を感じる金太。
しかし、それは考えてみれば当たり前のことだった。
土門たち3年生が見ている前で、金太はかなり緊張していた。
それに、自慰行為なんてものは、普通1人でするものだ。
女の子の裸を想像したり、妄想したり、ある程度の集中力が必要なのだ。
正面から土門に見られている状態で、オナニーなどできるはずがない。
「おい、白金。全然勃たねーじゃないか! 俺たちをなめてんのか!」
「そ、そんなこと・・」
「まったく興ざめだぜ! じゃあよ、これから罰ゲームだ。それで許してやるよ」
「罰ゲームって・・」
その言葉が終わるか終わらないかのうちに、取巻きの1人が金太の背中を勢いよく蹴っ飛ばす。
「ぎゃあっ!」
前のめりで地面にひれ伏す金太。
「お前ら、このまま白金を押さえつけろ!」
土門が命令をかけると、取巻きたちはうつ伏せになった金太の手足を踏みつけて、拘束した。
「あっ・・あ・・なにを・・」
パンツが膝まで下がり、背中とお尻が丸見えの状態。
金太は震えながら、背中越しに振り返る。
そこには、ゆっくりと金太の真後ろに回り込んでいる土門の姿があった。
(白金太郎、トドメを刺してやるぜ。硬派なお前はこの恥辱には絶対に耐えられない。一生のトラウマだ!)
土門は股の間にゆっくりと入る。
そして、竹刀の先端をゆっくりとお尻にに近づけた。
「ヘヘッ。白金、お前のケツの穴の締まり具合を確かめてやるぜ!」
「な、なにするんだっ!」
「こうするんだ!」
土門は悪魔の笑みを浮かべると、そのまま竹刀の先端を、金太のお尻の穴にブスリと差し込んだ。
「ふんがぎゃあああ!」
断末魔のような金太の叫び声。
「オラオラ、ケツの穴もっと広げてみろよ! 竹刀が入らねーだろ!」
「うぎゃあああっ!」
「どうした!? 権藤のチンポは、こんなにでかくねーのか? ハーハハッ!」
「ふぐっ!うあっ!おがかがっ!」
痛い。
お尻が噴火するように熱い。
顔が紅潮し、全身が仰け反る。
しかし、土門がグニュグニュと竹刀をこねくり回す度に、なにやら得たいのしれない感覚が走る。
直腸に突き抜ける、初めて味わう刺激。
「ぎゃあああ、やめてくれ!!」
金太は、全身を大きく身悶えさせる。
このまま痙攣が止まらないと、悶え狂ってしまいそうな勢いだ。
「ハーハハッ、こりゃ傑作だぜ!
オナニーの次は、ケツの穴だ。白金のワンマンショーだな!
ホラ、気持ちよかったら、ケツの穴を閉めてみろ!」
土門が、さらにお尻の穴に、竹刀を突っ込もうとした瞬間。
──なんだ!?
道場に、頬を砕くような鈍い音がしたかと思うと、土門は殴られて、数メートル吹っ飛ばされていた。
吹っ飛ばされて失神する土門。
それを見た金太は、恐る恐る後ろを振り返る。
そこには、鬼のような形相をした権藤大三郎の姿があった。
「権藤、お前がどうして・・!?」
金太はそこに権藤がいると分かっただけで、うれしくて涙が零れそうになった。
柔道着姿のままということは、いままで自分のことを心配して待っていたのだろうか?
しかし、権藤はなにやら様子がいつもと違う。
いつになく感情を剥きだしにし、顔を紅潮させて息を荒げている。
普段の策士のような余裕は、全く感じられない。
「キンタは俺のモンだ・・。これ以上、お前らの好きにさせない・・」
初めて見る権藤の切羽詰ったような表情。
権藤から出る迫力に、3年生たち取巻きは背筋を凍らせた。
<うっ、なんだ、コイツ?>
<権藤大三郎じゃないか。なんでここにいるだ、見張りはどうした!?>
<と、とにかく、やっちまえ!>
土門の取巻き3人は、一斉に権藤に襲い掛かる。
「お前らは、絶対に許さねぇ!」
そういうと、襲い掛かる1人をあっという間に背負い投げで、畳に叩きつける。
そして、残りの2人も顔面を拳で殴りつけていた。
あっという間の出来事だった。
瞬く間に土門たち3年生を殴りつけた権藤は、金太のところへすぐに駆け寄る。
そして、額に汗を垂らしながら、金太に尋ねた。
「おい、キンタ! しっかりしろ。大丈夫か! 意識はあるか?」
「だ、大丈夫だよ・・」
「よかった。安心したぜ。お前がケガしたんじゃないかって、心配したんだぞ!」
「あのさ・・その・・俺のお尻に刺さっている竹刀を、抜いてくれないか?」
「あ・・あぁ。これな。ちょっともったいないような気もするが、抜くぜ」
「な、なんだよ・・それ・・」
まるで、スポッという音がしたように、竹刀がお尻から綺麗に離れていた。
金太はゆっくりと立ち上がり、ニコッと微笑む。
「権藤、あの・・その・・ありがとうな」
それは、金太から自然に出た率直な気持ちだった。
権藤はいつもどおり「ヘッ」とせせら笑いを浮かべ返す。
「権藤、本当にありがとうな」
「ヘッ、いまさらなに言ってやがる」
「あのままだったら、俺はどうなっていたかと思うとさ・・うっ・・」
突然、胸が詰まるような、フツフツと湧き上がる感情。
金太自身にも、この感情がなんなのか理解できなかった。
いつのまにか、頬を伝わる涙。
「キンタ、お前は最近、涙腺が緩いな。男は人前では泣かないんじゃないのか?」
「だ、だって・・」
金太は急いで、腕で顔を擦りつける。
その腕をよくみると、透明の雫で濡れていた。
金太は目をギュッと瞑って、必死に涙を抑えようとする。
「うっ・・うっ・・権藤、俺・・うれしいんだ」
「うれしい?」
「俺、お前のこと誤解していたよ。俺のことを真剣に心配してくれて、うれしくて・・」
「ヘッ。何を当たり前のこと言ってるんだよ」
「"リョウジョクごっこ"なんて言って済まなかった」
「なんだよ、急に」
「お前はやっぱり、俺の友達だったんだって・・」
「なに・・!?」
その言葉を聞いた瞬間、権藤の目つきが変わる。
「キンタ、お前まだわからねーのか!」
「えっ・・?」
突然語気を荒げる権藤に、金太は困惑する。
「俺とお前は、友達なんかじゃねぇ!」
「な、なんだと・・!?」
「俺とお前は・・・」
権藤がなにか気持ちを伝えようとしたそのときだった。
<お前ら、そこでなにやってる!>
道場の入口に立つ1人の初老の男性。
「顧問の山根先生か・・・。いまごろ来ても、遅いぜ・・・」
権藤がふて腐れたような表情で、ボソッとつぶやく。
先生が道場に来たとき、そこには殴られて気絶している3年生たち、
裸で傷だらけの金太、さらに拳を真っ赤に染めている権藤の姿があった。
先生はその場の状況から、権藤が3年生を殴りつけたと断定。
本来ならば、停学処分もおかしくない暴行だったが、真相が分からないために、
権藤はその場で柔道部の退部と、自宅での謹慎を命じられた。
さらに、土門たち3年生は、事情を聞くということで、そのまま職員室へと呼び出された。
柔道部の退部を言い渡された権藤は、まるで魂が抜けたようなウツロな目をしていた。
そして、無言のまま道場を後にした。
金太は権藤を何度も呼び止めたが、それに答えることはなかったのだ。