金太君小説(32)


エロ描写もそろそろ限界が・・。


登場人物

我らが金太君です。

権藤大三郎です。

うずくまって、嗚咽する権藤。
金太は正面に立ち、権藤と同じように膝を立てて目線をあわせる。
そして、権藤の震える肩にそっと両手を添えて掴んであげた。
すると、不思議なことに権藤の肩の震えがピタリと止んだのだ。
「キンタ・・?」
「落ち着いたか? 権藤?」
そのまま金太と権藤は、お互いの存在を確認しあうかのように見つめあう。
しばらく見つめあった後、金太は権藤にニコッと微笑みかける。
そして、金太は権藤の首の後ろに手を回すと、そのまま目を閉じて唇をゆっくりと近づける。
(キ、キンタ・・!?)
金太の柔らかそうな唇。
優しい表情で権藤の目の前に近づいてくる。
(初めてお前から求めてくるなんて・・本心なのか・・)
権藤は、その現実を目の当たりにして、唇が震え、胸が張り裂けそうになった。
そのまま唇が触れあう。
(う・・あんっ・・)
(ああっ・・はぐ・・)
権藤はハッとする。
金太の唇も震えていることに気がついたから。
そのまま目を閉じて、お互いの暖かい唇の感触を確かめあう。
(あんっ・・ううっ・・)
権藤が薄っすらと目をあけると、金太は息を荒げて快感に浸りながら、権藤の舌を求めている。
そんな金太を間近にみて、権藤の胸は一気に高鳴った。
(キンタ、俺も・・)
2人は舌と舌を、激しく絡め合わせる。
ペチャッと湿った音が、部屋の中に響き渡る。
(あんっ・・はむ・・権藤・・)
(キンタ・・もっと!)
(うん・・はむ・・)
お互いが、初めて舌と舌を合わせたいという意志をもったのだ。
その快感はしばらく止まることはない。
いつのまにか金太と権藤は抱き合い、そしてお互いの舌を求めていた。


(はぁ・・あむ・・)
いつのまにか、金太と権藤の唇からは、唾液が滴り落ちていた。
金太は、権藤を布団の上に押し倒す。
権藤の巨体に乗りかかり、重力に任せて権藤の唇を愛撫していた。
そして、フッと唇が離れた瞬間。
ツーッと金太と権藤の唇の間に唾液の糸が引く。
2人は数センチの距離でお互いを見つめ合う。
その静粛を先に破ったのは権藤だった。
「キンタ、お前・・・本気なのか・・?」
「さっきも言っただろ? 今日だけは本気でお前を求めるって。本当に今日だけだぞ」
「そうか、それでもいい。キンタ・・ありがとうな。
  俺は・・お前のことが大好きだ。好きで好きでたまらないんだ。ずっとこのまま一緒にいたい」
「それが、お前の本当の心なのか?」
「あぁ。いままで何度も喉元まで出掛かった言葉だ。やっと言えた」
「権藤・・」
「怖かった。いままで怖くて言えなかった。俺が男であるお前に真顔で"好き"だと告白したら、
  お前は二度と振り向いてくれないのではないかと・・。柔道のライバルとしてさえ見てくれないのではないかと・・」
「それで、いつも肝心なことを言わなかったんだな」
「あぁ。俺には言えなかった。だから、お前から求めてくるのをずっと待っていたんだ。
  お前は理解できるのか? 認めてくれるのか? 俺がお前を愛しているという事実を・・」
「分からない・・。でも、いまはお前と体を合わせても、全然不自然な感じがしないんだ・・。
  以前、雨の中をお前におんぶしてもらったことがあるだろう? あのときと同じように、自然と身を任せられるんだ」
「そうか・・。なぁ、キンタ。俺の心臓の音を聞いてくれよ」
金太は、耳を権藤の胸にくっつける。
すると、ドクンドクンと激しい鼓動が、鼓膜に響いてきた。
「す、すごい音だな・・」
「ヘヘッ、俺らしくないだろ? ものすごい緊張してるんだぜ。
  お前が甘えてくれると考えただけで、胸が張り裂けそうなんだ」
「実はさ、俺も同じくらいドキドキしているよ。お前に見つめられると赤面もしちまう。
  それに、お前とキスするだけで、不思議な気持ちになるんだ。なんでだろう。
  俺には"男が男を愛する"なんて、全然理解できないのに・・」
「理解できなくてもいい。理解されなくてもいいんだ。
  ただ、俺はずっとこの日を夢に見てきたんだ。キンタが俺に、心と体を委ねてくれる日をさ。うれしいんだ」
「そっか・・。権藤、俺はずっと思っていた。
  俺がお前に求めるものと、お前が俺に求めるものが、同じなんじゃないかって。
  でも、それは違ったんだな・・。
  お前は柔道が強くて、体が大きくて、孤独な感じがしてさ。なにもかも、俺と似ていた。
  きっと、甘えることかできる人間は周りにいないんだろうって、思っていた。
  そして、お前が柔道を愛しているんだと思っていた。
  お前ならば、俺の気持ちを理解してくれるんじゃないかって。
  だからあの日、この部屋でお前に愛撫されたとき、俺はお前の行為を拒絶した。
  俺はずっとお前に、"友情"を求めていたんだ。
  でも、お前が求めていたものは・・・」
「ごめんな。俺はお前と友達だけの関係じゃ、たぶん満足できなかったんだ。
  俺だけを見つめて欲しかった。他の誰もみないで、俺だけにすべてを委ねて欲しかったんだ。
  キンタ、俺がお前に求めていたのは・・・」
「それ以上言わなくていいよ。俺は今日、お前の心に応える。
  だから、お前も俺の心に応えてくれ。どんなことでもいい・・頼む」
「キンタ・・・!」


2人はその後、何度も唇を重ねあった。
重ねあうたびに、違う快感が得られたからだ。
そして、いつのまにか、2人は笑顔で見つめ合っていた。
金太は、権藤の乳首をベロッと舐める。
「おがっ・・あぐっ!」
何度も舌で愛撫するうちに、権藤の乳首は金太の唾液でびっしょりと濡れていく。
「権藤のおっぱいって、なんかしょっぱい味がするよ・・」
「ヘッ。お前のだって!」
そういうと、今度は上下の体位が入れ替わり、権藤が金太の乳首をネットリと舐めていく。
「んああっ、ふはっ、んんーっ!」
「やっぱりキンタは、反応のしかたが普通じゃないよな」
「そんな・・んあっ・・こと・・くそっ」
「えへへ。俺はお前の体を何度も愛撫してるから、
  どこが感じるか分かるのさ。お前は舐めること自体が初めてだから、コツが分からないだろ?」
「くそっ、ハンデありすぎだぞ・・!」
「くっくくっ・・。まぁ、そういうなって」
権藤は笑いを堪えながら、金太の乳首をギュッと力一杯握ってみる。
「あああああっ!」
「へへっ、こんなのはどうかな?」
今度は金太の勃った乳首を摘み、円を描くように回してみる。
「はあっ・・んぐう!」
「どうだい?」
「ま、負けるもんか!」
そういうと、金太は下から手を伸ばして、権藤の乳首を同じように思いっきりつねってみる。
「おあっ!くぅ!」
「なんだ、お前だって感じてるじゃないか」
「キンタ・・んあっ! そこは・・あうっ!」
「はははっ」
「笑いやがったな。こうしてやる!」
権藤は自分の胸に、金太の顔を、ギュッと押し付ける。
「うわわわっ、くるしい・・!」
「えへへっ」
「おっぱいで窒息しちまうぞ、権藤!」
「なぁ、キンタ。俺のおっぱい、もっと舐めてくれよ」
「ああ、いいぜ。いままで舐められた分のお返しだぜ!」
そのまま、赤ん坊が吸い付くように、チュウチュウと権藤の乳首に吸い付く金太。
「ふんあっ! キンタ、そこっ・・気持ちいい・・あんっ!」
「そうか、ここがすげー感じるんだな?」
「あんっ・・ああああっ! キンタ、もっとしゃぶってくれ!」
「よーし!」
そのまま乳首をベロッと愛撫していく。




権藤の股を開いたまま、金太はその間に割って入る。
大きく勃起した権藤のおちんちんの付根をギュッと握り締める。
「んぐっ!」
さらにシュルシュルっと皮を剥いていく。
すると、綺麗なピンク色をした亀頭が少しずつ顔を出した。
「権藤のチンチン、すごい綺麗なピンク色じゃないか」
「ヘヘッ。お前のためにずっと守ってきたんだ。キンタ、舐めてくれるか?」
「もちろん、そのつもりだぜ! すぐに逝くんじゃないぞ」
まずは、裏筋の部分を親指で軽く擦ってあげる。
「おおっ!気持ち・・いい!」
金太は筋の部分を舌でベロンとソフトクリームを舐めるように、愛撫する。
ビクビクと震える、権藤のおちんちん。
「うわぁはっ!おわっ!キンタ、すげーぞっ」
「なんだ、権藤、もう逝っちまうんじゃないのかぁ?」
「そんなこと、んあっ!ないぜっ・・俺はキンタみたいに・・あうっ!早漏じゃないからな」
「言いやがったな。よーし!」
金太は亀頭を一気に口の中にくわえこむ。
「はああっ!キン・・タッ・・ああっ!そこは・・!」
アイスをしゃぶるように、金太はチュパチュパと竿や亀頭をねぶる。
「んあああっ、キンタッ、もっとやって・・!」
眉間にシワを寄せて、身悶えする権藤になにやら微笑ましさを感じる金太。
さらに、金太は舌先すぼめて尿道口の割れ目をベロンと舐める。
「ふわぁああ!」
「権藤、ここが気持ちいいんだな?」
「うはぉっ! すげーぞっ。キンタ、初めてなのに、うまいぞ!」
「そ、そうか?」
さらに金太は唇をフルに使って、権藤の膨れ上がった亀頭やカリ首を愛撫し続ける。
「ふんがっ!うがっ!」
「これでどうだ!」
「はぐっ! あああ〜っ!」
「ハハハッ、権藤、お前もこんなに悶えるんだな!」
「だって、お前に舐められてると思うと・・・んあっ!どうしようもなく興奮しちまう・・はああっ!」
体全体を大きく痙攣させて、悶える権藤。
「権藤?」
「おわっ!ふああっ!」
「お前だって十分敏感じゃないかよ・・」
「うるさ・・うひゃああ! お前のほうが・・のやろ!」
権藤は腕を伸ばして、金太の首根っこを掴むと、一気に布団に押し倒す。
「ぜぇぜぇ・・今度はこっちの攻撃だぜ、えへへ」
「権藤! エッチしながら柔道の技使うなんてきたねーぞ・・・あひぃいい!」
すでに、金太の亀頭をパックリと咥えている権藤。
「あっ・・ああっ・・ひぃふああ・・もっとぉ!」
ハーモニカを吹くように、顔を左右に動かして唇の中央部分で亀頭を愛撫する。
さらに玉袋を舐めたり、口で含んだり、吸ったりして、一気に攻勢にでる権藤。
「うひゃあ!そんなっ・・ふやあああ!」
「この前発見した、お前が超絶に悶える性感帯だぜ!」
「性感帯って・・ふはあっ!くそっ・・ひゃあうう!」
さらに金太の竿を下唇で締め付けたり、ゆるめたり、吸い込んだり、甘噛みして刺激する。
「ふあっ!んあ・・うぐっ!」
「この部分は、こうやって優しく愛撫してやるんだぜ。気持ちいいだろ?」
「うやぁぁっ!くそっ、や、はあっ!」
「ハハハッ。お前の喘ぎ声はいつ聞いても楽しいな!」
「ふあっ! 楽しいって・・うああっ!なんだ・・ひぁいい!」
2人はいつしか時を忘れていた。


「おい、キンタ、入れるぜ」
「バ、バカ! そんなのムリだろ!」
「大丈夫だ。竹刀だって入ったんだからな! 行くぜ!」
「ん? んん? んああふぎゃああ!それ以上はダメだっ!権藤!!」
「あああっ!なんだ、この感触・・! キンタ、すげーぞっ」
「ぐぎゃあああああ!」
「うああっ・・・うくく・・ああああっ〜!!」
「ひぃぃぃ〜!」
「おい、キンタ! わりぃ、痛かったか?」
「ハァ・・ハァ・・」
「キンタ?」
「こんなのいきなりやられたら・・意識飛んじまう・・。
  お前・・俺の中であっという間に出しやがったな・・お前だって早漏じゃないか・・」
「ヘヘッ」
気持ちいい喘ぎ声は、夜遅くまで続いた。


金太は疲れ切ったのか、権藤の胸の中でぐっすりと眠っていた。
その表情は、まるで子供が母親の胸で甘えるような、あどけない寝顔だった。
そんな金太の頬を、権藤は優しく撫でてあげる。
「キンタ・・ありがとうな」
「ん・・・」
寝返りを打つ金太。
「お前がこうして俺に甘えてくれる瞬間を、何度夢に見てきたことか・・。
  いまのお前の寝顔は、俺がずっと求めていた顔だ。
  純粋で無垢で、すべての重荷から解放されて、俺だけを求めている」
権藤は、眠っている金太を起こさないように、腕や胸をもう一度じっくりと触っていく。
まるで、金太の体の感触を、永遠に自分の記憶に焼き付けておくかのように。
「俺はお前を、このままずっと抱いていたい。もし、時間が止まってくれたらどんなに幸せなことだろう・・。
  でも、もう時間がない・・。もっと早くお前とこうして交わることができれば・・・。
  いや、最後にお前と一緒に過ごせて幸せだったよ。キンタ・・ありがとう。
  お前に応えられることをさ、やっと一つ見つけたよ。喜んでくれるかい・・?」
そういうと権藤は、スヤスヤと眠る金太の唇に、そっと口付けをした。




(あ、あれ・・・)
金太が目を覚ましたのは、すでに外が真っ暗な時間だった。
(いつの間にか寝ちゃったのか・・。あれ、なんで布団の中で寝てるんだ・・)
寝ぼけ眼の金太は、周りを見渡す。
「そうだ、俺は権藤と・・。おい、権藤! どこに行ったんだ・・返事してくれよ!」
金太はムクッと起き上がり、必死に権藤の名前を叫んだ。
「権藤! 隠れてんなら、出てこいよ! また俺のことからかっているんだろ!」
しかし、部屋の中は静まり返り、どこからも返事はない。
「権藤・・どこに行っちまったんだよ・・・」
ふと、机の上をみると、一枚の紙切れとノートが置いてある。
「こ、これは・・!」
紙切れには、権藤が書いたメッセージが残されていた。


 『金太へ。
  お前がこれを読んでいるころは、俺は父さんの車で東京に向かっている頃だと思う。
  最後に、俺の気持ちに応えてくれてありがとう。
  お前は本当に優しいんだな。今日のことは絶対に忘れない。一生忘れない』


たった数行を読んだだけで、手紙を持つ手が震え、自然に涙が溢れてきた。
「権藤、やっとお前と心が通じたのに・・。もう1人で柔道するのは嫌だよ・・寂しいよ・・・」
金太は、しばらく肩を震わせて涙を堪えていた。
権藤と初めて出会った4年前の大会が、なぜか頭をよぎる。
「どうしたんだ俺・・・お前がいなくなって、どうしてこんなに悲しいんだ・・切ないんだ・・」


しばらくして落ち着きを取り戻した金太は、右腕で涙を拭い、もう一度ゆっくりと紙切れに目を通した。


 『俺は、ずっと柔道が嫌いだった。恨んだことさえあった。
  なぜなら、金太・・お前が愛しているのは、俺ではなく柔道だから。
  俺がいくらお前を愛しても、お前は俺のことを見てくれない。俺を柔道のライバルとしか見てくれない。
  だから、俺は矛盾しているけど、柔道をやるしかなかった。
  お前を振り向かせるためには、それしか方法がなかったんだ。

  でも今日、俺はお前に本当の気持ちを告白することができた。
  そして、お前と心と体を交わすことができて、いまは感謝しているんだ。柔道にさ。
  柔道をしていなければ、4年前にお前に会うこともなかったし、いまこんな幸せを感じることもなかったんだから。

  俺さ、新しい学校で柔道を続けるぜ。お前が愛し、命がけで打ち込んでいる柔道に真剣に向かい合ってみる。
  そして、いまよりもっと強くなってみせる。全国大会で戦おう。約束だ!
  それが、今日俺を求めてくれたことに対する、お前への返事だ。

  それからノートを一冊置いていく。これは俺が4年間、お前のことだけを記録したメモだ。
  お前の柔道の弱点が、全部書いてる。ここにあることを全部克服しないと俺には勝てないぞ!
  ちょっと見せるのが恥ずかしいけど、俺からのプレゼントだ。よかったら受取ってくれ。

  追伸:どうしても我慢できなくて、お前の柔道着とパンツ、もらっちまった。代わりに俺のをもらってくれ』

「権藤・・・えっ? 俺の柔道着とパンツを持って行っちゃったのか!」
周りを見渡すと、権藤の柔道着とパンツだけが綺麗にたたんで置いてある。
金太は、パンツと柔道着をそっと手に取る。
「お前の大切な柔道着・・」
まだ温もりの残る権藤の柔道着に、ゆっくりと袖を通す。
そして、その感触を味わうかのように、しばらく目を閉じていた。
「お前の汗臭いにおいがする・・・大好きだよ、この匂い・・。
  でも、お前の柔道着とパンツはでかすぎだよ・・。まいったなぁ、これを着て帰るのか。しょうがないか・・。
  あ、そうだ、ノートって・・ん、これのことか?」
金太は机の上にある、かなり使い込んだ感じのノートをめくってみる。
そこには、ギッシリと金太の柔道の足さばきや、それに対応する方法が書かれていた。
自分にも気付かなかった点が、たくさん書いてある。
「すごい・・・こんなにも俺のために・・・。なんだこれ?」
ノートの下のほうに、なにか走り書きがしてある。
「ん? 『お前のことが好きだ・・いますぐこの胸に抱きしめたい』ってなんなんだよこれ・・」
次のページにも、そのまた次のページにも、まるでラクガキするように、同じことが書いてある。
金太は顔から火るほど恥ずかしくなり、思わずノートをバシッと閉じてしまった。
(まったく・・最後の最後まで権藤のヤツ・・。
  でもよかった。お前が柔道を続ける以上、いつか会える日がくるんだろうな・・。
  そうだ。俺たちの関係は今日で終わったんじゃない。
  お前がまたライバルとして俺の前に現れたとき、それは次の新しいことへの始まりなんだ。
  そのために、俺たちは一緒に柔道やってきたんだもんな。そしてこれからも一緒だ。なぁ、権藤!)


次回、最終回です。

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