野呂くん小説(1)


くだらないネタで、将×野呂の話を妄想してみました。アホ小説になる予定です。


登場人物

風祭将。サッカーが大好きな天然系の中学2年生。

野呂浩美。サッカーが大好きな、デブでおっとりした中学1年生。


──夕暮れの公園。
ちょっと窮屈そうに、太めな少年がブランコを揺らしていた。
ただ座っているだけなのに、ブランコから、キーッと鉄が軋む音がしている。
この少年は、ここ一週間ほど、毎日夜の6時に、必ずこの場所にいる。
大事そうにサッカーボールをお腹に抱えながら。
「センパイ、今日はまだかな・・・」
独り言を呟きながら、「ふぅ」とため息を漏らした。



「野呂くん、遅れてゴメン!」
元気で快活な声。
「か、風祭センパ〜イ!」
太った少年の前に息を切らせてきたのは、ヒョロっとした子。
歳は同じくらいの中学生だ。
2人とも変声期を迎えていないのか、声が女の子のようにかわいらしい。


風祭セイパイと呼ばれた子は、ニコッと微笑んだか思うと、すぐに太った少年の肩に手をかける。
「今日は遅れちゃってゴメン。部活の後片付けに時間かかちゃって」
「そんな・・。センパイを待ってることなんか、全然苦になりませんっ」
そういうと、太った少年はブランコを降りて、肩に乗せられた手を見てニコっと微笑んだ。


2人は足踏みを揃えて、公園を出て道路へと歩いていく。
「風祭センパイに教えてもらうためだったら、僕はいくらでも待ちます!」
「野呂くん、僕は君に教えられるほどうまくないよ」
「スミマセン。僕、そんなつもりで言ったんじゃ・・」
「教えることはできないけど、一緒にサッカーをすることはできるからね!」
150cmも満たない小柄の両者。
正直、サッカーをするには身長が低い。
特に太った子は、サッカーをするような体型には見えない。
「今日こそ、風祭センパイからボールを奪って見せます!」
「うん。野呂くんは最近サッカーがうまくなってるしね。僕も楽しみにしてるよ」
「そ、そんなこと言われると、僕、照れます・・」
2人は楽しくサッカーの話をしながら歩いていた。





──僕は野呂浩美のろひろよし
僕はいま、とても充実した時を過ごしている。
なぜなら、風祭センパイが僕と一緒にサッカーをしてくれるから。
風祭将かざまつりしょう」って名前はちょっと変わってるけど、真面目でとても優しい2年生のサッカー部のセンパイなんだ。
センパイなのに、威張ることもない。
とっても明るいし、話しやすい。
サッカーのことになると、センパイはもう夢中。
時間が経つのを忘れて、のめりこんでいる。


僕はずっとサッカー部で球磨きをしていた。
そんな僕のことを、センパイは見ていてくれた。
僕がサッカーボールを楽しそうに磨いているのを、覚えてくれていた。
僕がサッカーのことが好きだって、分かってくれた唯一のセンパイなんだ。
そんなセンパイに出会えて、僕はとても幸せだ。


──サッカーがやりたい。
実は、僕も風祭センパイと同じ、サッカー部員なんだけど、いまは部活に出られない。
風祭センパイが来てから、サッカー部でゴタゴタがあって、いまは部員は10人だけになってしまった。
3年生が風祭センパイのことを嫌って、全員退部してしまったんだ。
困ったことに僕達1年生も、退部しろと3年生に脅迫されている。
もし、サッカー部に戻ったら、僕は先輩たちに袋叩きにされてしまう。


風祭センパイだって、3年生だって、みんなサッカーが好きなはずなのに、どうしてうまくいかないんだろう?
僕はサッカーがヘタだけど、好きで好きで仕方がない。
本当はサッカー部に戻って、サッカーがしたい。
そんな僕の気持ちを察して、風祭センパイはサッカー部の練習が終わった夜の6時から、
 河原で一緒にサッカーをしてくれる。
本当はとっても疲れているはずなのに・・。
僕なんかのために、サッカーをしてくれるんだ。
風祭センパイは、僕の憧れ。
僕は風祭センパイのためなら、どんなことでもがんばれそうな気がするんだ。


まだまだ序盤ですね・・。

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