タートルキングを追いかけるリュウであったが・・?
登場人物
G5号、みみずくのリュウ。横綱級のデブで海で鍛えた怪力を持つ。
タートルキング。ギャラクターの巨大戦艦でいままで発見されたことがない。
マッハのスピードでポイント220035に進むゴッドフェニックス。
「たしか、このへんじゃわい」
あまりポイントに近づきすぐないよう、付近の島にゴッドフェニックスを着陸させる。
リュウは近くにあった樹木を素手で倒し、ゴッドフェニックスを覆うように隠した。
「これでよし。ポイントまで泳いで偵察するぞい」
原始的な方法ではあるが、これで敵には探知されないだろう。
しばらく泳ぐと、近くの島に、巨大戦艦タートルキングが着陸しているのを発見した。
(間近で見ると、でかいメカ戦艦じゃわい・・)
タートルキングはギャラクターの主要戦艦で、低気圧発生装置を装備している。
この装置により、戦艦の周りに一瞬にして雲を作り、姿を消すことが出来る。
だから、タートルキングを捕捉することは非常に困難なことだった。
しかし、辺鄙な南海の孤島で、ギャラクターも油断していたのだろう。
意外とあっさりとタートルキングを発見できたことで、リュウはニンマリと微笑む。
(間抜けなギャラクターめ、さっそく南部博士に連絡じゃ!)
普段、リュウは手柄を立てることがあまりないが、
タートルキングを発見したことを知らせれば、南部博士からお褒めの言葉をもらえるだろう。
「こちらG5号、南部博士、応答してください」
「〜〜〜〜〜〜〜」
「クソッ、妨害電波が流れとるのか!」
リュウは森に隠れ、樹木のあいだからひょこっと顔を出してギャラクターの動向を探る。
どうやら物資の調達をしているようだ。
さらに捕らえられた科学者たちを、一列に並べてなにやら尋問している。
「何をやっているんじゃ・・声が聞こえない・・」
リュウが様子を伺っていると、突然銃声がした。
「な、なんじゃ!?」
よくみると、並んでいた科学者の1人が、頭を銃で撃たれて殺されているではないか。
さらに銃声。
また1人、科学者が射殺された。
「何がどうなっているんじゃ・・?」
リュウは無い知恵を絞って、状況を考える。
(ギャラクターが捕えた科学者をわざわざ殺すなんて・・)
リュウはふと思い出した。
以前に、タートルキングを発見した旅客機が墜落させられたことを。
ギャラクターは、タートルキングを知った人間は抹殺する。
つまり不要な科学者を、口封じをするために殺しているのではないかと。
(なんてヤツらじゃ。このままでは、たくさんの犠牲者がでるぞい・・)
そう考えたとき、リュウの拳は怒りに震えた。
そして、頭で考えるよりも先に行動していた。
また1人の不要な科学者に銃口が向けられる。
ギャラクターが、その引き金を引こうとした瞬間──。
「とりゃー!」
リュウの巨体は目にも留まらぬ速さで、銃を持つギャラクターの隊員にタックルして、壁に打ち付けた。
突然の出来事に、ギャラクターの隊員たちは騒然となった。
『どうして科学忍者隊がここにいるんだ』
『始末しろ!』
数十人のギャラクターの隊員が、一斉に銃を構える。
そして、リュウの巨体に向けて、集中砲火。
しかし、リュウはヒラリと空中でかわすと、パンチとキックであっという間に隊員をなぎ倒した。
巨体からは考えられない、身のこなしとスピードだ。
『科学忍者隊・・なんて強さだ。全員タートルキングの船内に戻れ!』
慌てた隊員たちが、科学者を置き去りにして、タートルキングの中へ逃げていく。
「お前ら、1人も逃がさんわい!」
リュウもタートルキングのハッチから中に入り、ギャラクターの隊員を追いかけていった。
次回をお楽しみに。