みみずくのリュウ小説(3)


タートルキングの内部に潜入したリュウは・・?


登場人物

G5号、みみずくのリュウ。横綱級のデブで海で鍛えた怪力を持つ。

タートルキング。巨大戦艦を操るギャラクターの幹部。


リュウはタートルキングの内部に侵入し、通路をひた走る。
途中でギャラクターの隊員と交戦しながら、大きなゲートの前にたどり着いた。
「ここが敵の中枢か!」
リュウがゲートの中に入ると、そこは暗闇が支配していた。
閉ざされた光の中に何があるのか、目が慣れるまで時間がかかる。
──ガシャン!
そのとき突然、背後のゲートが閉ざされた。
「しまった、罠か!?」
室内がパッと明るくなる。
目くらましのような光に、一瞬、リュウはひるんだ。
そして、徐々に目が慣れてくる。


周りには銃を構えたギャラクターの隊員、そして正面に1人の大男が立っていた。
男は半漁人のようなマスクに、青緑のボディスーツを着ている。
大きなマントをつけて、筋骨隆々としていることから、
  周りの隊員とは明らかに格が違う。おそらくギャラクターの幹部だろう。
『フフフッ、よく来たなG5号。いや、みみずくのリュウ』
「誰じゃ、お前は!」
『私はこの戦艦の艦長、名前はそのまま"タートルキング"と呼んでくれたまえ』
「科学者をさらったのはお前じゃな!」
『ハハハッ、こうやって君と話せるのを楽しみにしていたよ。
   ゴッドフェニックスが無人島に着陸したところから、ずっと監視していたのだ』
「な、なんじゃと!?」


タートルキングの言葉に、リュウは嫌な汗を額に浮かべた。
まさか、今までの行動を監視されていたなんて。
『さて、君はまんまと罠にハマッたわけだが、
  おとなしく降参したほうが身のためだぞ。それともここで我々と戦うかね?』
余裕の笑みを浮かべるタートルキングを、リュウは睨みつけてキッパリと断言した。
「わしは科学忍者隊じゃ。降参はせんぞい!」
『ほう、なかなか勇ましい。体もデブだが、神経も図太いな』
「そうして余裕でいられるのも、いまうちだけじゃい!」
『では、ジワジワとなぶり殺しにしよう。やれ!』
タートルキングが指で合図をすると、ギャラクターの隊員が一斉に銃を構える。
──ドドドドド・・!
発射される無数の銃弾。
しかしリュウはヒラリと空を飛び、銃弾の集中砲火をなんなくかわした。
そして、着地すると同時にギャラクターの隊員に、張り手を食らわす。



「どすこい、どすこい!」
ギャラクターの隊員を数人まとめて、張り手で突き飛ばす。
ひ弱な隊員は、リュウの横綱級の張り手に成すすべも無い。
『ええい、なにをしている!』
圧倒的な人数でリュウを袋叩きにするつもりだったが、次々にギャラクターの隊員は倒された。
タートルキングは、不甲斐ないギャラクターの隊員に、歯ぎしりをして悔しがる。
『もっと銃を撃て!』
タートルキングは隊員に命令を出すが、リュウはギャラクターの隊員の影に入る。
隊員たちは同士討ちになることを恐れて、発砲するわけにはいかなかった。
多数を同時に相手にするときの、リュウの頭脳プレーだった。


リュウはさらに空中を舞い、ギャラクターの別の集団に張り手を喰らわす。
両手にそれぞれ隊員を掴んで、頭と頭をガッチンコさせる。
『ほんげ〜・・』


あっという間に気絶するギャラクター隊員たち。
いつのまにか、室内には数人のギャラクターとタートルキングが残っているだけとなった。
『ふふふ・・・さすがに強いな、みみずくのリュウ』
「今度はお前が相手じゃ!」
『いいだろう、一対一で力比べだ。他の者は手を出すな』
意外と正々堂々と勝負しようとしているようだ。
リュウはゆっくりとタートルキングに近づく。
タートルキングはリュウとほぼ同じくらいの高い身長で、横幅もガッチリとしている。
いゆわる、マッチョな体型といえばいいだろうか。
全体的にはリュウのほうが横幅もあるが、タートルキングも決して負けていない体躯だ。



リュウとタートルキングは正面に立つ。
お互いの手をとりあった。
プロレスでよくある、手四つの力比べ。
てのひらと、てのひらが合った状態で、相手の腕をねじ上げようとしあう。
『ぬおっ』
「負けんわいっ」
ほぼ互角の力で押したり引いたりが続いたが、しばらくするとリュウが優勢になる。
パワーの点では、リュウに一日の長があった。
そして「うおーっ」という雄たけびとともに、
  リュウはタートルキングの腕をねじあげ、そのまま腹に前蹴りを食らわす。
『おんげっ』
タートルキングはあっさりと壁に打ち据えられた。
勝負あったかと思われたが、タートルキングは薄ら笑いを浮かべながら、胸をさすっている。
『ふふふ・・さすがに強いねぇ』
「観念せい、今度は首をへし折ってやるわい」
『このままでは君に勝てそうにない。ということで助っ人に登場してもらおう』
タートルキングが、パチンと指を鳴らすと、
  リュウの背後の床に穴が開き、そこから別の大男が出現した。
またもや半漁人のような、気味の悪いマスクを被っていた。


次回をお楽しみに。

戻る