みみずくのリュウ小説(4)


タートルキングを圧倒したリュウだが・・?


登場人物

G5号、みみずくのリュウ。横綱級のデブで海で鍛えた怪力を持つ。

タートルキング。巨大戦艦を操るギャラクターの幹部。

デビルスネーク。ギャラクターの幹部でデブ専らしい。


タートルキングをパワーで圧倒したリュウに、もう1人の刺客が現れた。
『彼の名はデビルスネーク。私の弟分でね』
「なんじゃと!?」
『デビルスネークよ、本物のみみずくのリュウだぞ。相手をしてあげなさい』
リュウが背後を振り返ると、そこにはピンク色の髪に緑のマスクをした半漁人風の男。
タートルキングより背は低いが、横幅はそれ以上ある。
つまりデブだ。


水色と黄色が混じったボティスーツを着ており、こいつも幹部の1人なのだろう。
少し変態的な格好ではあるが・・。
筋骨隆々というよりは、太めでパワーがあるような印象だ。
『俺はデビルスネーク。タートルキングの弟分だぜぇ』
「貴様もギャラクターの幹部か?」
『へへへっ・・うまそうだぜ、おめぇ・・』
「何を訳の分からんことをいっとるんじゃ!」
『行っくぜ〜!』
太ったからだを揺らして、リュウに襲い掛かる。


パンチを振りかざすデビルスネーク。
「遅いわい!」
リュウは難なくかわすと、右の頬に一撃を加えた。
たちまち、デビルスネークは地面を転げ回る。
「なんじゃ、タートルキングより弱いな」
リュウは余裕の笑みを浮かべながら、ゆっくりとデビルスネークに近づく。
そして彼の胸ぐらを掴んで、片手で軽々と持ち上げた。
「コイツ、気絶しとるんか?」
リュウのたった一撃のパンチで、デビルスネークは戦意を喪失したのだろうか。
手も足もダラッとしていて、抵抗する意思がないようだ。
余裕のリュウは、顔を近づけて話しかけた。
「趣味の悪いマスクじゃわい、剥いでやる」
リュウが手を伸ばした瞬間。
デビルスネークの口から、リュウのマスクに向かって白い煙が吐かれた。
「ごほっ、なんじゃ・・」
焦ったリュウは再びデビルスネークの左頬にパンチをぶち込む。
しかし、そのうちに動きがおかしくなりはじめた。
「な・・なんじゃ・・どうしたんじゃ・・」


足元がおぼつかないリュウに、タートルキングの声が響く。
『どうした、みみずくのリュウ? フラついているぞ』
「くそっ・・意識が・・これしきのことで・・」
リュウは強がって見せたが、すでに千鳥足になって平衡感覚がおかしくなっている。
『ハーハハッ、デビルスネークの息には、クロロホルムが混じっていているのだ』
「!!」
『強力な麻酔剤だ。あまり吸わせると死んでしまうので、適量にしておいたよ』
リュウは油断して、敵の術中にハマッてしまったことに動揺した。
『みみずくのリュウよ、お前のことは研究済みだ。
  お調子者ですぐに油断する性格、科学忍者隊の中で一番捕まえやすい』
「なにを・・!」
『そして何よりも、私とデビルスネークは君の体に興味があってね』
「どういう意味じゃ・・?」
『なぁに、そのうち分かるさ。私は君の体を欲しているのだ。
  まずはたっぷりと苦しむがいい。クロロホルムによってお前の怪力は封じた。
  サンドバッグとなってもらおう。動けないミミズクなどもはや敵ではない』
タートルキングが目配せをすると、2人のギャラクター隊員がリュウの両腕をしっかりと掴んだ。



ひ弱なギャラクターの隊員に、両腕を押さえられたリュウ。
「こんなヤツら、わしの怪力で・・」
意識がもうろうとする中、リュウは渾身の力をこめて腕を外そうとする。
たとえ、普段の半分の力しか出せなくても、ギャラクターの隊員ごときに負けるはずがない。
リュウが力を入れて踏ん張ろうとしたとき。
──ビリッ!!
体中に電気が走った。
「うわああっ!」
タートルキングは腰に持っていたムチを取り出し、リュウに向かって振るっていたのだ。
『ソレ、今度はもっと痛いぞ』
ムチはリュウの首に絡みつく。
タートルキングはムチにあるボタンを無表情で押した。
その瞬間、高圧電流がリュウの体を襲った。
「うぐぐ・・ぎゃあああ!」
激しい痛みで全身の筋肉がバラバラになりそうだった。


『ワーハハハッ、さすがのみみずくも電気には弱いか? 
  ちなみにギャラクターの隊員は感電対策をしているからな。お前の腕を永遠に解放せんぞ』
タートルキングにさらにムチを振るう。
胸の「G」マークを打ち据える。
「あぐっ・・!」
リュウの厚い胸板がのけぞる。
ムチは手首に絡みつくと、さらなる高圧電流が流れた。
「がああっ!」
『ふふふ、たっぷりと苦しむがいい』
ムチに打たれるたびに、リュウは体をくねらせて悶え、苦しんだ。
茶色のボティスーツは破れはしないものの、傷つき、体はのけぞり、汗まみれになっていく。
「ああっ・・あああ・・」
もはや、立っているのもやっとの状態だ。
『兄貴ぃ、俺にもみみずくを可愛がらせてくれよ』
『フフフッ、いいだろう。お前の好きなようにしろ』
『ありがとよ』
デビルスネークは、不敵な笑みを浮かべながら、リュウの目の前に立つ。
もはや両腕を支えられて、かろうじて立っているだけのリュウに反撃の力はなかった。


2人のギャラクターが、フラフラのリュウをしっかりと直立させる。
『オラオラ、さっきまでの元気がねぇぞ』
デビルスネークは、リュウの顔を下からのぞきこむ。
そして、自分の暑苦しいマスクを近づけた。
『フーッ・・』
バイザー越しにもう一度、"あの息"を吐きかけた。
「げほっ、ああっ」
『俺様のクロロホルムの味はどうだぁ? 失神しないように痛めつけてやるぜぇ!』
デビルスネークは、タートルキングが持っていたムチを腕に巻くと、
  そのままリュウの大きな腹に、容赦なくパンチを浴びせた。
「げほっ!」
強烈な電撃をともなったパンチだ。


デビルスネークは、リュウの頬を左右に殴りつけ、
  さらに胸、わき腹、下腹に、順番にパンチを浴びせる。
『ヘヘッ、こりゃサンドバッグよりも打ちごたえがあるぜぇ!』
リュウは首を左右にのけぞらせ、腹を殴打されて、さらに悶え苦しんだ。
足で体を支えられなくなり、腰を落とすリュウ。
ギャラクター隊員では、リュウの体重を支えるのは難しいと思ったのか、
  タートルキングがリュウを背後から羽交い絞めにして、再び大の字に直立させる。
『兄貴ぃ、ナイスフォローだぜぇ!』
『もっと、みみずくのリュウに屈辱を与えるのだ』
『分かってるよ、オラ!』
先ほどよりも激しい電撃パンチ。
デビルスネークの体重をかけたパンチがリュウのみぞおちに決まったとき、リュウの動きは完全に止まった。
リュウのホディスーツは汗と埃にまみれ、そのまま床に倒れてしまったのだ。
苦痛と屈辱に染まりながら。
『みみずくのリュウよ、これからが本番なのだよ。ふふふ・・』


次回をお楽しみに。

戻る