千太君小説(1)


りんとさんの千太君小説に触発されてがんばって書いてみました。金太小説とは違ってあまり陵辱はないかも・・。この小説を「あぁ千太キュン」仲間のりんとさんに捧げます・・・。


登場人物

千太キュンです。

千太の親友の皆早賢次です。ジュニアのパイロットです。

UXの艦長、レッド提督です。渋いオヤジです。遠隔透視能力を持ちます。


707Rには勝てない・・・。
USR軍の中で、最強といわれる潜水艦UX。
そのUXの司令官、レッド提督が驚愕するほどに707Rは強かった。
ここ半年、USR軍は707Rの前にことごとくやぶ去っていた。
(どうしてあんなオンボロ潜水艦一隻に、我がUSR軍が・・・)
USRは世界を牛耳ろうとする秘密組織である。
潜水艦を使用した世界征服計画は、約1年で"地球の海"を制圧するシナリオだった。
しかし、実際に行動を起こすと、そのシナリオはガタガタと崩れてしまった。
そう、たった一隻の艦に。
(なにが、一体なにが狂ってしまったのか・・)
確かにレッドは707Rの艦長、速見洋平を一流の指揮官と認めていたが、707Rの強さは速見の指揮でどうにかなるようなレベルではなかった。
(まさか・・いるのか・・・あの艦の中に・・空間透視能力をもった人間が・・)


USR軍を次々と撃破した707Rは、修繕のために久しぶりに横須賀の基地に入港していた。
むさ苦しい潜水艦の生活から解放された乗員たちは、久しぶりに大地に足をつける楽しみを味わっていた。
みな、和気あいあいと雰囲気だ。
そんな中、一人の少年が707Rから降りてきた。
「ふぅーーーーーー」
地上の空気を思いっきり吸う一人のぽちゃっと太った少年。
彼の名前は海野千太。
少年兵ながら、707Rの目となるソナーを担当している。
千太は久しぶりにみる太陽の暖かな光を満喫していた。
「おーい、千太!! これから訓練学校に行こうぜ!」
話し掛けたのは、水早賢次。彼も千太と同様、ジュニアのパイロットの少年兵だ。
彼も707Rから今降りてきたところのようだ。
「訓練学校に行くって?」
「久しぶりに訓練学校のみんなに会いに行こうと思ってるんだ。千太も来るだろう?」
「うん。賢ちゃんが行くのならば、僕も行くよ」
「じゃ、一緒に行こうぜ!」
賢次には、分かっていた。
初めから千太が断るわけがないということを。
賢次は千太が友達の頼みを断わらない「とってもいいヤツ」だと分かっている。
いま、賢次にとって、千太はなんでも話せる一番の友達なのだ。


千太と一緒に訓練学校に向かう賢次。
(訓練学校か・・)
賢次は千太に初めて会ったときのことをフッと思い出した。
千太に初めて会った印象は、「黙っていて控えめな子」という感じだった。
同期の中でも、千太はワイワイと自分から騒ぐこともないし、いつも人前に出ずに一歩引いていた。
賢次や五郎は、成績も優秀で明るい性格だった。
また、同期の中でも友達が多く、人気があった。
千太は訓練学校が始まったときには、友達もあまりいなくて、一人でポツンと座っていることも多かった。
(ニコニコしているけど、なんか暗いヤツ・・)
最初は千太のことをそんな風に思っていたかもしれない。
そんな千太と話すきっかけになったのは、家庭科の授業のときだった。
千太が作るコロッケのあまりの美味しさに同期のみんなが殺到した。
賢次もその中の一人だが、そのとき初めて千太とまともに話したと思う。
「おいしいね、このコロッケ。どうやったらこんなおいしいコロッケが作れるの?」
千太はこう答えた。
「コロッケは・・・歌うんだよ。もう出来たよって・・」
賢次は最初、冗談で言っているのかと思ったが、今ではその言葉が本当じゃないかと思っている。
千太は嘘をつくような子ではないし、千太のコロッケを食べれば、本当にそういう風に思えるのだ。
千太とはそれ以来、ずっと付き合っている。


いつも笑顔の千太。
賢次はたまに思う。
どうして千太はいつも笑顔でいるのだろう?怒ることはないのだろうか?
でも、千太はごく稀にフッと、とても悲しい表情をすることがある。
いつごろ、千太のこの表情に気が付いたのだろう。
その表情が何を意味するのかは賢次にはわからなかった。
賢次はその表情のことを千太に聞きたかった。
しかし、なにか触れてはいけないことのような気がしたのだ。


賢次と千太は雑談をしながら訓練学校へ歩いていた。
常に生と死が向かい合う航海のことを考えると、いまはすべてから解放されたようだ。
「それでさ、五郎のヤツがさぁ・・・」
「あははは・・」
自然と賢次と千太にも笑みがこぼれる。
ドッドッド・・
しかし、後ろから黒い窓ガラスの車が近づいていた。
ドッドッド・・・
不気味なベンツ。
その車は突如スピードをあげ、賢次たちを追い越すと、急に賢次たちの目の前で停車した。
「な、なんだ!」
賢次と千太は驚いた。そして、こいつらがなにかヤバイ連中だということもすぐにわかった。
「ヤバイ!千太、逃げろ!」
賢次はとっさに今きた道を引き返そう走るが、車から出てきた大男に腕を捕まれてしまった。
「し、しまった!」
賢次は腕をほどこうとしたが、どうしようもない。
車から現れたもう一人の男が、賢次の腹をドスッとパンチを喰らわした。
「あ・・うぅぅ」
そのまま賢次はガックリと気を失ってしまった。
「け、賢ちゃん!!」
賢次が動かなくなったをみて、千太は焦った。
途中まで逃げていたが、賢次をそのままにしておくわけにもいかない。


(こ、怖いけど・・・賢ちゃんを助けなくちゃ・・)
千太は助走をつけて思いっきり大男に向かって体当たりをした。
ドスン・・・。
しかし、千太の体当たりは、大男の片手にあっさりと止められた。
「えぇ・・・うそ・・」
全く微動だにしない男。
「け、賢ちゃんを放せー!!」
千太は無理やり、腕を振り回して、大男を叩いた。
「全くうるせぇデブだなぁ」
もう一人の男が千太の背後から迫った。
その男は千太を後ろから羽交い絞めにしてそのまま持ち上げた。


「ぐぐっ」
千太は男の羽交い絞めから逃れようとしたが、全く身動きができない。
足をバタバタさせたが、効果は全くない。
「あ、あなたたちは、誰なんです? け、賢ちゃんを放してください・・、お願いです・・」
蚊の泣くような声で、懇願するが相手にしてもらえない。
「さぁ、ちょっと一緒にきてもらおうか・・水早賢次君、海野千太君」
(ええ、この人たち、僕の名前を・・・)
千太はこいつらが、自分たちを捕まえにきた確信犯だと悟った。
千太は必死に足をバタバタとさせて対抗して逃げようとする。
「全くうるさいガキめ」
そういうと、前の大男が千太の柔らかい首を締めた。
「うぎゃっ」
一瞬、千太の呼吸が止まった。
「おい、やめろ。あまり乱暴なことはするなとレッド提督から言われているだろう」
「おっとそうだった、しかし、なんでこんなガキに・・」
そういうと、大男は千太の首から手を放した。
千太は、いまの首締めで、ちょっとうな垂れ気味になった。
しかし、意識は朦朧とするが、まだ持ちこたえていた。
(この人たち、何者だろう・・レッドって誰なんだろう・・・)
「さっさとしろ!誰かが来ちまうぞ」
後ろの男は焦り気味で話した。
そして、前にいた男が千太の口にガーゼのようなものを押し当てた。
「うぅぅぅぅ・・」
「さぁ、おとなしくついてきてもらおうか」
千太の意識はだんだん薄らいでいった。
千太が動かなくなると、車は急いでその場を立ち去った。


千太は暗闇の中をさまよっていた。
(あ、光が・・・・・)
目の前に薄っすらとした光がみえる。
千太がその光を覗いてみると、昔、千太が訓練学校に行く前に通っていた小学校があった。
クラスの一番前の席で、一人で本を読んでいる自分の姿。
(あれ・・昔の僕だ)
千太は不思議な気持ちだった。どうして昔の自分がそこにいるのだろう?
そのとき、千太の耳に嫌な声が入ってきた。
(あのデブさぁ、今日の授業でも鉄棒できなくてさー。)
(そうそう、あのデブのせいで、サッカーやる時間が10分以上なくなったよな)
(体育が不得意なら、休めばいいのによ)
(ホント、帰りにまたお仕置きしてやろうぜ)
・・・・・・
千太は急に胸が締め付けられそうになった。
(うっうっ・・・)
心臓の鼓動も速くなって行く。
(や、やめて・・・お願いだから・・・僕は何も悪いことしてないよ・・)


またまたこんなところで終わりかよ<俺(次回陵辱ですォィ)

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