千太キュン小説(3)


お気に入りのコスプレで妄想広げてみました。ヤバイなw


登場人物

左から水早賢次、日下五郎、海野千太。707Rの最年少トリオ。

左から艦長の速水、副官の南郷。2人とも夜の教育が得意のようだ。

南郷にコスプレを要求された千太だが、果たして・・。


(な、なんだ・・この服・・・いや、服なのかなぁ。これ・・・)
仮装というから、てっきり白雪姫に出てくる王子様のような服装を考えていたのだが。
紙袋の中には、エプロンのようなものが一枚。
(まさか、これ一枚だけ・・?)
千太は、この衣装を着た自分の姿を想像する。
顔がみるみる間に真っ赤になっていく。
(だめ・・・こんなの絶対にムリ・・・)
紙袋にそそくさと衣装をしまい込んで、折りたたむ。
千太は肩を震わせながら、南郷に尋ねてみる。
「あの・・南郷さん・・・他の衣装はないんでしょうか・・?」
「ないぞ!」
「で、でもこれはどうやって着るんですか?」
「首から垂らせ!」
「下着の上から着てもいいんですよね?」
「バカモン!裸で着るんだ!」
「ええっ! 嫌です・・ムリですぅ・・」
「命令だ!」
「そんな・・・」
だんだん涙目になってくる千太。


「ねぇ千太、これ似合うかな?」
背後から、賢次の声が聞こえる。
千太が振り向くと、そこには立派な仮装をした賢次たちの姿。
賢次は白雪姫の王子様のような仮装をしている。
(賢ちゃん、かっこいいなぁ・・・)
五郎は海賊の親分の格好だろうか?
(五郎ちゃんも、すごいサマになってる・・・ど、どうして僕だけ・・)
あまりの待遇の差に、さすがに納得がいかない千太。
「おい、千太。お前の衣装はなんだよ?」
「い、いや・・・それが・・・」
全身に汗を掻きながら、千太は紙袋をサッと後ろに隠した。
「おい、見せろよ!」
「嫌だよ!」
隠すような仕草をすれば、強引にでも見たくなるのが人情というもの。
賢次と五郎はニヤッと笑って目配せする。
五郎は、ジリジリと千太を壁に追い詰める。
そして、スッと手を伸ばし、千太のわき腹をくすぐり攻撃する。
「ぎゃああ!」
そのスキに、賢次は後ろの紙袋をひったくる頭脳プレー。


賢次はうれしそうに、ゴソゴソと紙袋をあさっている。
「見ちゃダメ!」
千太は必死に紙袋を取り戻そうとするが、五郎に羽交い絞めにされてしまった。
「ん?なんだこれ?」
衣装を取り出してみると・・・。
そこには赤いエプロンが一枚。
賢次はその衣装を見て、ハッと何かに気がついたようだ。
「はははは。こりゃ千太にお似合いだと思うよ」
「賢ちゃんひどいよ。人ごとだと思って!」
「千太、早く着てみなよ」
「やだ。こんな恥ずかしい服、着れないよ!」
千太はプイッと顔を叛ける。
「南郷さんの命令だから、絶対に着ないといけないんだぜ」
「・・・・」
「俺たちが手伝ってやろうか?」
手伝うということは、2人がかりで自分を裸にするということだろうか?
そう考えたとき、千太はさらに頬を赤く染めた。
「いいよっ。自分で着るから!」
そういうと、千太は賢次から紙袋をひったくるように奪った。
そして、トイレのドアを開けて駆け込んでいく。


──それから数分後。
なかなかトイレから出てこない千太。
五郎はイライラした様子で、ぼやいた。
「千太のヤツ、遅いな。俺が見てこようか?」
「ちょっと待ってやりなよ」
「しかし、いつまで待たせるんだ?」
「だって、あの仮装はさ・・・くくくっ」
きっと、千太はトイレで1人悩んでいるでのであろう。
賢次はあの衣装を着た千太を想像して、笑いを堪えていた。
「・・・ったく」
五郎が半歩、トイレに踏み出したとき。
「おまたせ・・・」
蚊の泣くような小さな声がして、トイレの扉がソッと開く。
隠れるように出てきた千太の格好を見て、賢次はプッと吹き出しそうになる。
しかし、それも束の間。
「ぎゃはははは!千太、そのコスプレ、サイコーだよ!」
「五郎ちゃんひどいよ・・コスプレだなんて・・」
五郎はすでに床を叩いて爆笑状態だった。
賢次は、千太に気を遣って必死に耐えていたというのに・・・。



真っ赤な大きな腹掛け。
真ん中に「金」の文字。
プックリと太った体格。
前掛けがヒラヒラしないように、お尻の上でキッチリとヒモを縛っているらしい。
しかし、きつく縛っているがゆえに、千太の体のラインが布越しにはっきりと分かってしまう。
アソコの膨らみも、微妙に見える。
なにか異様にエッチな格好にみえる。
「あははははっ。千太、それ裸にエプロンつけてるみたいだぜ!」
五郎は、千太の気持ちも知らずに、まだ床を転げて爆笑中だ。
その言葉に、千太は穴があったら入りたくなるほどの恥ずかしさを感じる。
千太はチラッと賢次の方向をみて尋ねた。
「賢ちゃん・・見えてないよね・・・?」
「えっ?」
「僕の大事なところ、見えてないよね・・・?」
賢次は思わず千太の下半身の膨らみに目が移動してしまった。
「う、うん・・。かろうじて」
もし、数センチめくったら、確実におちんちんが見えてしまうだろう。
妙に下半身がスースーとする屈辱的な格好に、千太は居たたまれくなった。





(どうしよう・・恥ずかしいなぁ・・・)
千太は憂鬱な顔をしながら、艦長の部屋にお酒を運んでいた。
お盆の上に、ビール瓶とコップが1つずつ。
落ちないように、両手で丁寧に運ぶ。
それにしても、周りの目が気になる。
宴会で通路に出歩く人は少なかったが、狭い潜水艦の中で、人とすれ違わない訳が無い。
途中で出会う乗組員たちは、千太を見た瞬間に「ぶっ」と吹き出し、
 その艶かしい格好に釘付けになっていた。
<ずいぶんエロい格好で歩いてるぜ・・>
<金太郎・・だよな・・?>
<いや、裸にエプロンっていうシチュエーションじゃねぇの?>
熱い視線が、千太の体にズキズキと突き刺さる。
(あ〜みんな見てるぅ〜)
人前で、肌を露出することを拒絶してきた千太にとっては、歩くだけで拷問のようだ。
それでも千太は恥辱に震えながら、必死に歩き続ける。
(一体、誰がこんな格好を考えだしたんだ・・)
できることなら100m競争のようにダッシュして、艦長室へと向かいたい。
しかし、スースーとした下半身では歩幅を狭くせざるを得なかった。


千太はようやく艦長室の前に到着した。
とてつもなく長い道を歩いた気がする。
──コンコン。
鉄のドアを軽く叩く。
「千太か?待っておったぞ」
速水艦長が首を長くして待っていたのか、扉の向こうから返事が返ってきた。
千太はドアをガチャと開き、そのまま中に入る。
しかし、艦長の部屋を見て、あっと驚く千太。
「この部屋・・・すごいなぁ・・・」
部屋の中にはたたみがびっしりと敷き詰められている。
なぜか部屋の中心に、ちょこんと古風なちゃぶ台。
一昔前の和室という感じだ。
2人で並んでラジオ体操ができるくらいの広さ。
まさか潜水艦の中にこんな部屋があるなんて。


「どうだ、千太。艦長室の感想は?」
そこには、浴衣を着て腕組みをしている速水艦長の姿。
少し汗をかいているところをみると、シャワーを浴びた後のようだ。
「すごいです。潜水艦の中に、畳の部屋があるなんて・・・」
「ハハハ。そうだろう。この畳は特注でな」
自慢の顎鬚を触りながら、なにやら上機嫌の速水。
どうもこの部屋は、人に見せびらかすための自慢・・・としか思えない。
「ところで千太、随分と可愛い格好をしているじゃないか?」
「え・・・あの・・・ムリヤリ着させられたんです」
「なかなか似合っているぞ」
そういうと、速水は千太の金太郎姿をジロシロと目で追った。
速水の視線が自分に突きつけられ、千太は徐々に羞恥心を感じはじめる。
自分の素肌を見られていると考えただけで、顔が真っ赤になってしまう。
おちんちんを見られないように、股間をギュッと閉める。


居たたまれなくなった千太は、持ってきたお盆を前方に突き出した。
「あの・・これ・・・頼まれたお酒です」
「おお、そうじゃったな」
千太は裸足のまま、畳にそっと上がる。
そして、お盆をテーブルに置くとそのままビールをコップに注ごうとした。
「ちょっと待て」
「ハ、ハイ」
「わしはチマチマ飲むのが大嫌いなんじゃ」
そういうと、千太の手にあったビール瓶をヒョイと奪う。
そのままグイッとラッパ飲みしてしまった。
ほんの数秒で、ビンが空になる。
(速水艦長、やっぱりすごいなぁ)
惚れ惚れとした千太の顔。
その風体から、艦長はかなりの酒豪だろうなと、千太は察してはいたのだが・・。
目の前で一気飲みをされると、さらに圧倒されてしまう。
「ぷはーっ。やはりシャワーのあとのビールはうまいのう」
満足そうな表情をみると、湯上りに飲むビールは、速水にとって格別らしい。
(なんか艦長、酔っ払いのおじさんみたい・・)
いつもビシッとした身なりしか見たことが無い千太にとって、
 ここにいる艦長は、どこにでもいるような優しいお父さんのように見えた。
そんなギャップに、千太はクスッと笑いを漏らした。


まる丸さんに挿絵を描いていただきました。妄想力爆発してしまいました。ありがとうございます。

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