国光がデブショタ専になっているのは気にしないでくださいw
登場人物
三沢健太。ユーミに思いを寄せる少年。
花園ユーミ。おてんばな少女で健太の気持ちに全く気づかない。
浮浪者。正体は袋小路さんの執事の国光だが、デブショタ専?
ユーミに迫りくる、浮浪者の魔の手。
その不気味な姿に、ユーミはジリッジリッと後退していく。
いつのまにか、後ろは大木になっていた。
「け、健太くん、なんとかして!」
ユーミが咄嗟に叫んだ言葉。
(ユ、ユーミちゃん・・)
不気味な浮浪者に、足がすくんでいた健太だが、
初めてユーミが自分を求めてくれた声に、勇気を振り絞る。
急いで、ユーミと浮浪者の間に割って入る。
そして、両手を広げて、ハリセンを構える。
「こ、ここから先は、ぼ、ぼくを・・たおしてから・・」
声が明らかに裏返っている。
さらに足は重りでもついているように、動かずに震えている。
それは、健太自身にも分かっていた。
「なんだべ、このガキは?」
「あの・・その・・悪は・・ゆるさないぞ・・」
「おめー、正義の味方ごっこでもしてるのか?」
「ユ、ユーミちゃんには・・指一本・・・ふ、触れされないぞ」
首筋に嫌な汗を大量に垂らしながら、健太は小さな勇気で叫んでいた。
←それらしい画像をつけてみましたw
ユーミの前に、勇気を振り絞って立った健太。
「随分と太ったガキが出てきたべ・・」
「ふ、ふ、太ってなんかないよ!」
なぜか浮浪者は、健太の体をジロジロと嘗め回すように見つめている。
「なして、お前は赤いマントをつけてるだ?」
その言葉を聞いて、後ろにいるユーミが元気よく叫んだ。
「ちょっとおじさん! ここにいるのはスーパー健太くんなんだからね!」
「スーパー健太? テレビの見すぎじゃねぇのか? 怪力でもあるんか?」
「そうよ。健太くんは強いんだから。おじさんなんて、あっという間にやっつけちゃうわ! ね、健太くん?」
「ええっ?」
一体、どこにその発言の根拠があるのか?
健太はツッコミたくなったが、いまはユーミが自分を頼ってくれていることは確かだ。
ここは、男らしさをみせるチャンスだ。
(ええい、こうなったらハッタリでも・・・!)
健太は小さな勇気を振り絞って叫んでみる。
「そうだ! 僕は強いんだぞ。柔道3段、空手4段、相撲5段なんだ!」
適当にでっち上げだが、もしかするとビビッて逃げ出すかもしれない。
そんな淡い期待込めた、健太の叫び声。
「じゃ、スーパー健太と戦ってみようかだべ・・」
「えっ (戦うって・・?)」
うろたえる健太。
(まずいなぁ・・。ビビッて逃げ出すどころか、対決することになっちゃった・・。どうしよう・・)
困った健太は、チラッとユーミを振り返ってみる。
すると、ユーミは得意気な顔をして、さらに追い討ちをかけていた。
「そうよ、健太くんは正義の味方なんだからね。アンタは降参しなさい!」
(うわ〜、ユーミちゃん、それ以上言うと、余計に刺激しちゃうよ・・)
ユーミの強気の姿勢に、頭を抱える健太。
「ハハハ、スーパー健太は女の子を守ってカッコイイだば」
「そ、そうさ、正義の味方なんだ。でも、その・・できれば別におじさんとは戦いたくないよ」
「なしてだ?」
「正義の味方はなるべく人を傷つけないっていうか・・(というか、薄気味悪いんだもん)」
健太が黙ってしまうと、ユーミから話し声がする。
「健太くん、じゃあとは任せたわ! この悪のおじさんはやっつけてね! 私は先に行ってるから」
「ちょ、ちょっとユーミちゃん!」
「大丈夫よ。スーパー健太くんですもの」
「待ってよ!ユーミちゃん!」
健太が呼び止める暇もなく、ユーミはさっさとその場から逃げてしまった。
あっという間に、健太の視界から見えなくなる。
(ユーミちゃん、逃げ足速すぎるよ・・。困ったなぁ・・どうやってこの状況を乗り切ればいいんだ・・)
ついに怪しい浮浪者と2人っきりになってしまった健太。
(どうしよう・・・こんな人と一緒にいたくないよ・・)
冷や汗を掻く健太に、浮浪者が話しかける。
「おめー、太ったいい体してるな。バラ酒よりもうまそうだべ」
「う、うまそう・・?」
「もうバラ酒はどうでもいいべ。健太、お前からいただくとするだな」
「な、なにを訳分かんないこと言っているんだ!」
「おめー、そこでだ・・そのなんだ・・・服脱いでみろ」
「ええっ?」
「おめーの大事なもの、俺にみせてみろ」
全くもって理解不能な会話に、頭を悩ます健太。
(大事なもの・・大事なものって一体・・?)
「ちょっくら、おじさんが可愛がってやるから、一緒にヒーローごっこして、あそばねーか」
「えっ?」
「ほら、正義の味方ごっこだべ。スーパー健太VS悪の浮浪者だ」
「お、お前となんか、遊びたくないよ!」
「なしてだ? スーパー健太は、正義の味方なんだべ? 悪と戦わなくちゃいかんだろ?」
「そりゃそうだけど・・」
「あのオテンバの子も、おめーに期待していたべ」
その言葉にビクッと反応する健太。
ユーミのためにも、この浮浪者はやっつけなくてはいけないのだ。
「ちくしょう、もうヤケだ。このヤロー!」
健太は目をギュッと瞑り、浮浪者に体当たりする。
健太は両手をめちゃくちゃに振り回し、手当たり次第に攻撃をしてみる。
「とりゃーーーって・・あれ・・?」
浮浪者は片手で健太のおでこを抑えて、突進を止めていたのだ。
振り回した両手は、すべて空ぶりだ。
「随分と情けない正義の味方だべなぁ・・」
「ひぃええ・・!」
「じゃ、ちょっくらお寝んねしてもらうべか」
そういうと、男は健太の背後にスッと回りこむ。
そのまま後ろから健太を羽交い絞めする。
「なにすんだ! く、苦しい・・・放せ〜っ!」
短い手足を必死にバタバタと動かす健太。
「はい、お寝んねしてね」
そういうと、男は手にもっていたガーゼを、健太の口にあてる。
どこに隠し持っていたのだろうか。
「はぅ・・うっ・・う・・」
「どっだ? 気持ちよくなったきただべ?」
「ううっ・・意識が・・・」
「スーパー健太も、強力な眠り薬の前では何もできないべ」
「う・・・」
「第1ラウンドは、悪の完全勝利だがな」
健太の目の前は、徐々に暗くなっていく・・。
(ユーミちゃん・・ぼく、なにもできずに・・)
がっくりと頭を垂れた健太。
男は背後から健太を抱きかかえ、服の上から体のラインを確かめる。
「おやまぁ、これは久々に極上の肉付きだべさ。さて、第2ラウンドへ進むだな」
ニンマリとした厭らしい笑みを浮かべていた。
国光さんは何弁なんだ・・みたいな?