登場人物
千太キュンです。
山田さんです。
「はぁーい」
名前を呼ばれたボクは満面の笑みで振り返る。
ボクは千太、海野千太。
縁あってこの新造潜水艦707に搭乗してるんだ。
炊事班に配属されてたんだけど鈴木さんに耳の良さをかわれて今はソナー班として頑張ってるんだ。
いつもニコニコしているもんだからその笑顔がウソくさいって思ってる人もいるみたいだけど、そんなことないよ、今はこれがホントの自分。
707のみんなはとってもイイ人ばかりで自然と笑みがこぼれるんだ。
それにここではボクがボクだからとてもうれしい。
ん、わかりにくいよね、えーと、ボクがボクのままで振る舞える・・・違うな、ボクを一人の乗組員として扱ってくれる・・・これもちょっと違うなぁ、えと・・えと・・そう!コロッケがジャガイモのカタマリじゃなくてコロッケなんだってこと!
あれ?結局わかりにくいよね、まあ難しいことは苦手なんで、えへへ。
「・・ん、・・太くん、・・千太!、・・・・千太きゅん★」
「あっ、はいっ!」
「へぇー、千太きゅんで反応するんだ」
「ちが・・すいません、考え事してたもんで・・えーと・・」
「山田だよ、僕そんなに存在感ないかい?」
「あっ、そんなことないです山賀さん」
「・・・」
デコピンされた。
「それよりまだ新しい仕事にはなれてないようだね、君のためにいろいろ教えてあげようと思うんだけど、僕の交代時間のあと空いてる?」
山賀さ・・いや、山田さんは言う。
「はい、大丈夫です、よろしくお願いします」
ボクのためにかぁー、えへへ。
いいね、それ。