登場人物
千太キュンです。
山田さんです。
「千太・・こんなに硬くなっちゃってるんだ」
「その・・こういうの初めてなんで・・よくわからなくて・・」
「初めて?はは、硬すぎだよ」
「そんな・・恥ずかしいです」
「そんなに緊張しなくてもいいよ、僕にまかせて」
「やさしくしてくださいね」
「もちろん」
「あっ痛っ」
「大丈夫、痛いのは最初のうちだけさ」
「あ、ホントだ、気持ち・・イ・・」
「さ、そろそろ始めようか」
「はいっ」
「それにしても緊張であんなに肩がこるとはね」
「個人的に勉強を教えてもらうなんて初めてだったんですよぅ。でも肩をもんでもらってとっても気持ちよかったです」
「勉強の内容も易しくしてあげるよ」
「えへへ」
なんだかんだで講義が始まったんだ。
音紋判別のコツ、レーダーと絡めた判断、長時間勤務でも痔を悪化させない座り方、明日
の天気・・・んん?
「え〜と、最後に一番重要なことなんだけど・・その・・鈴木さんとの付き合い方なんだけど、肩を並べて一緒に仕事をしていくわけだから速水艦長や後藤さんと同じじゃいけないと思うんだ、うん。」
「ん〜、謙虚に学べってことですね?」
「いや、そうじゃなくて、いやいや、そうでもあるんだけど、なんだ、そのー」
「はっきり言ってもらわないと分からないですよぅ」
「えぇーと、鈴木さんとは速水艦長や後藤さんみたいに寝ちゃダメ、Hしちゃダメってこと!」
「え・・」
「? どうしたんだい」
「う・・」
「え?何?何でそんなにうろたえてるのさ・・まさか」
「あ・・」
「はは、まさか・・ね?」
「・・・」
「何だよ・・何か言ってくれよ、否定してくれよ!」
「・・・」
何だろう、山田さんの一言を聞いたら急に息苦しくなって・・鼓動が早くなって・・喋れない・・うう気持ち悪い、吐きそう。
「そうなんだ・・はは、もう・・そう・・」
「・・・」
「・・何で・・何で鈴木さんなのさ!君は誰でもいいんだろ!速水艦長でも後藤さんでも!僕には・・僕には鈴木さんしかいないのに!!」
「いたっ」
山田さんがボクの両肩をつかんで壁に叩きつける、痛い。
「何だよ、その目は・・君も僕を否定するんだ・・見るなよ・・そんな目で僕を見るな!」
「あぁっ」
山田さんが力任せにボクを床に押し倒す。
「はは、誰でもいいんだろ君は、だったら・・だったら今ここで僕が!」
山田さんがボクの服に手をかける、イヤっ!こんなのイヤだ!
いま、山田さんの荒い息遣いとボクの激しい胸の鼓動だけがこの空間のすべてだった。