海野千太


千太の魅力について、かなりがんばって妄想膨らまして考えました。



ネーミング
最初に書いておくが、俺はサブマリン707の原作は一切読んでいない。なので、これから書く内容は、DVDの「サブマリン707R」を見ての妄想だということでヨロシク!

俺は「千太」という名前が大好きだ。どういう由来でこのような名前がついたのか分からないのだが、両親はすばらしいネーミングセンスだ。なんというか、俺の中では、姿かたちと名前がすごく一致するキャラクターなのだ(一番最初に公式ホームページで、名前を見たときにピピッときたし)。
ちなみに苗字の「うんの」は日本SFの始祖、海野十三が元ネタなのかよく分からないが、物語中では千太が自己紹介するときに、「うんの」じゃなくて「うみの」と言っている。公式ページと食い違っているのだが、これはミスだろうか?


練習生時代
サブマリン707Rの世界では、日本はきちんとした戦争に参加できる自衛隊(軍隊?)をもっているようだ。練習生が帆船で水兵の訓練をしているシーンがあることからも、千太たちは練習生として訓練学校(?)で毎日勉強していると思われる。千太がどうして訓練学校に入ったのか分からないが、ここは妄想してみるとしよう。あの気弱な千太が自分から厳しい訓練学校に入るとは到底思えない。ということで、オヤジが元海軍で息子にも自分と同じ道を歩ませようとしたのが一番それらしい。「千太!!お前は海の男になれ!!」と、昔から海の男になるための教育をして(しかし、オヤジの意向とは正反対に気弱に成長)、千太は強引に訓練学校に入れられてしまったのだ(当然、母親は千太が軍人になることは猛反対)。


訓練学校ではなかなか成績の上がらない千太。なにしろ太っているので体育は大の苦手。学科もトップクラスというわけでもなく、ボツボツな成績で、そう目立ったところはなさそう。ちなみに友達の水早や日下は、ジュニアの搭乗員になれるくらいだから、同じクラスで成績はトップクラスと思われる。そういう意味では、千太は、多少なりとも水早や日下に対してコンプレックスがあるように見える。たしかにあの3人は仲良しだ。しかし、なんとなくだが、本編をみていると水早たちに対して、千太は一歩引いている感じがするのだ。
しかし千太には千太にしかできない才能があった。専門分野である炊事(っていう授業があるのかな?家庭科?)に関しては、天才的な才能を発揮。中でもコロッケに関しては教官も目を見張るほどの腕で、練習生の間では、千太の「魚雷型コロッケ」(魚雷型を作っていたと勝手に妄想)のうまさは有名になっているのだろう。水早や日下も、千太にそのような才能を認めているからこそ、仲の良い友達なのではないだろうか(日下の場合は、千太をからかっているだけという話も)。



707搭乗員へ
千太は707の搭乗員となるが、実際に搭乗員になれたのは、数多い練習生の中で、水早と日下、そして千太のたった3人だけである。水早と日下はジュニアのパイロットとして選出された。この2人は練習生の中でも成績はナンバー1,2だったのだろう。千太がどうして707の搭乗員に選ばれたのか、いまひとつはっきりしない。千太の炊事班としての能力が、練習生の中でもずば抜けていたのだろうか。もしかして、「魚雷型コロッケ」の噂が噂を呼び、それが707の炊事班にも届いたとか? なにしろ、コロッケが「歌う」と平然と豪語する子供である(和食の帝王、道場六三郎でもこんなことは言えないだろう)。潜水艦は食事の良し悪しはかなり重要らしく、後藤さん(炊事班の班長)が千太の能力をスカウトしたのかもしれない。

(実際は、「後藤さんが千太にゾッコン → 艦長になんとか雑用を1人入れたいと懇願 → 渋々承知(速水も一目惚れ?) → 偶然コロッケがうまかった」というパターンかもしれない←行き着くところは結局801かよ!)


炊事班
千太が最初に所属していた炊事班。潜水艦の食事をいろいろと調べてみたのだが、現在の潜水艦の食事は、海軍の中でもかなりおいしい部類に入るそうで、それなりの整った設備があるのだろう。食事は乗艦員にとっても最大の楽しみの1つなので、腕の悪い炊事長が来ると、食事を食べずに捨てることもあるとか。炊事班と思ってなめていると、かなり厳しい世界のようだ。料理も洗練しなくてはいけないし、せまい炊事部屋で707の場合は80人分の食事を作らなければならない。つまり炊事班はかなりハードな部署の1つと思われる。しかし、縁の下の力持ち的な仕事なので、映画などでも地味で、表にでてくることはあまりないように思う。
千太の作るコロッケは艦内で大ブレイクする予定だった(後藤さんはそう思って搭乗員として強引に連れてきたはず)。ところが、偶然か必然か分からないのだが、そこにソナー班の鈴木さんが登場。鈴木さんは千太が足音だけで誰か言い当てる地獄耳に驚く。コロッケの揚がる音を、キャビテーション(簡単にいうとスクリューから出るノイズ音)に見立て、それを聞き分ける才能があるということで、千太をソナー班にスカウトする。さて、困ったのは後藤さん。せっかく連れてきた千太をあっさりと奪われて引き抜かれてしまったのだ。ソナー員は全搭乗員の目となる重要な部門である。艦内でも一目置かれている存在。さすがに鈴木さんに取られてしまっては、後藤さんもなすすべがなかったのだろう。後藤さんの胸中察します。でも当の千太自身がつまみ食いができないことで一番残念がっていたようにも見えるが・・。

※千太が炊事場で歌っていた歌

千太が台所で歌っていた歌だが、「大日本軍歌集」にある「潜水艦の台所」という歌らしい。作詞家は「フクちゃん」で有名な横山隆一氏。どうも戦前のアニメ「フクちゃんの潜水艦」の主題歌としてつくられたものらしいとのこと(ブラスターベアさん、情報どもでした)。

海の底から うまそな匂いするは
朝飯前の攻撃すんで 揚げるお芋の魚雷型

ただよく聞くと、多少千太なりにアレンジしているようだ。完全に同じではない。こんなネタから持ってきているとは恐れいりました。しかし、千太もどこでこんな歌を覚えたかね?


ソナー班
千太が配属されたソナー班。果たしてどういうことをするのだろうか(知っている人は読み飛ばしてください(^^;;)。
潜水艦が海中での戦闘をする場合、頼るのはなんだろうか? 海の中は海上のように周りが見えるわけでもないし、レーダーなどの電磁波も海水という保護膜があるためになかなか役に立たない。ではどうやって敵戦艦を探すのかというと、音波によって目標を探知している。つまりソナー班は、潜水艦の"目"を一手に担う重要な部門である。現在では、コンピュータで音波を探知して計算したりもできるらしいのだが、やはり人間の耳ほうが正確だという話も聞く(実際のところよく知らんのだが←だったら偉そうに書くなって?)。

このような音波を聞いて目標を探知する人をソナー員(聴音員)という。ソナー員はコンピューターを介して分析されるシステム音を、ヘッドホンを通して聴く(物語中でも千太が必死にヘッドホンに集中していたので分かるだろう)。ソナー員は敵艦が漏らすどんなわずかな音をもキャッチすべく、全神経を耳に集中する。まだ慣れていない千太は、まだ音紋からすぐに何の音が分からなかったようで、音紋データ本と比較しながら、あれこれとやっていた。


ソナー員は、音を聴いただけで、どのような戦艦か、どちら向きに動いているのか、速さがどのくらいか、距離はどのくらいなのか、などを即座に艦長に報告する。長年の経験が物を言う職種に思える。優秀なソナー員になると、敵戦艦内でスパナを落とした音や、ドアの開け閉めの音、スクリューの枚数なんてのもわかるそうだ(本当なのかね?)。
物語では鈴木さんにその才能を見出された千太であるが、実際はどういう人がソナー員に選ばれるのかちょっと興味があった。調べてみたが、特に「こういう人がソナー員になる」という有力な情報は見当たらなかった。たぶん、なにかの試験で耳のいい人が選ばれるのだろう。ソナー員は微妙な音を聞き分ける訓練をするそうだが、やはり最後は「素質」が物を言うらしい。適性が無い人間はいくら鍛えても優秀なソナー員にはなれないらしい(過酷ですね・・)。その点、千太はあの鈴木さんが「そんな音までわかるのか?」と感心していたくらいだから、ソナー員としての資質は極めて高かったということだろう。しかし、まだソナー員としては、「なにかきます!」とか「たくさんの魚雷がきます!!」とかアバウトな表現しかできていないので(鈴木さんが逐次言い直して艦長に報告していた)、これからまだまだ修行が必要ということなのかな(しかし、物語後半ではもう音紋データの本を見ずに話していたので、戦いの最中に覚えちゃったのか?)。将来はレッドをも脅かす地獄耳のソナー員として恐れられること間違いなしである。


萌え要素満載
千太の萌え要素はなんといってもシンプル&素朴さにあると思う。絵がどことなくアナクロがかった本作品、千太のキャラクターはどこも飾り気はなく、一体誰に切ってもらったのか分からないボサボサ頭に、刈上げである(刈上げも萌えなんで←俺)。これが実はかなりよかったと思う。この純粋そうな無垢な顔に、水兵服の組み合わせがコンボになっている。さらに八重歯も萌えポイントの1つ。それにしても"太った水兵さん"ってけっこう萌えなんですね・・・(ちょっと意外だった)。声の阪口さんもピッタリだった。

それと、基本的に潜水艦、男だけ80人もいるところに、千太が入ったらというところで妄想が爆発である。これほど不純なことを妄想しやすい設定の(妄想のお膳立てしている)アニメもなかなか無い。女のいない野郎どもが1ヶ月近く閉鎖空間で暮らしていたら、そりゃ女とセックスのことで頭がいっぱいだろう。そこにプニッと太った、なにも知らなさそうな無垢のかわいい男の子が入ってきたらどうなるだろうか? 毎日、千太争奪戦が始まることは必至だろう・・・(速水洋平×千太が早くもメインのようです)。つーか、俺が不純なだけか?



ソナー員、鈴木さんの日記


いきなりですが、鈴木さんの萌え日記というくだらない妄想してみました。鈴木さんはこっち寄りの人ということでぉぃ

○月3日 雨
家でゴロゴロしていると、707II世号への乗艦命令が来た。前の707号のときは、速水の命令で特攻をかけたおかげで、危うく死にそうになった。俺の自慢のタトゥーが黒こげになったらどうしてくれるんだ。どうせII世号もまた速水が艦長だろう。次もまた特攻のような無茶をするのかと考えると少々鬱なので行きたくない。でも仕事をやめるわけにもいかないので、死なない程度にがんばるか・・。

○月10日 曇り
今日は707II世号の進水式だった。南郷は相変わらず熱血していた。「クズども」とかうるせーっつーの。お前の方こそロリコン野郎だろうが。これからムサ苦しい男だけの、狭い空間に閉じ込められるのかと思うと鬱でならない。でも、神は俺は見放していなかった。ちょっと遠目だったが、かわいい男の子を3人発見した。特に端の方にいたちょっと太った子がめちゃくちゃ気になった。今でも気になって仕方が無い。一刻も早くあの子と会話を交わすべく、いろいろとプランを思い描く。

○月11日 晴れ
航海が始まった。ソナーのチェックをしていると、速水と南郷が横からあーだこーだと難癖を付けてきた。途中から面倒になってきたので、「はい」「はい」とだけ答えておいた。そんなことよりも、あの少年兵だ。高鳴る心を抑えて、「そういえば、見習いが入ったんだって?」などと、あまり興味がないふりをしながら船員に質問をしていたら、ついに名前をゲッツ。あの太った子は「海野千太」というらしい。千太か・・・なんてチャーミングな名前なんだろう。あぁ、千太キュン、千太キュン。

○月13日 晴れ
早く千太を探したいところだが、速水が横にいて逐一「ソナーに反応は?」とか聞いてくるので、なかなか抜け出す機会がない。まだ出航したばかりで、敵なんかこんな所にいるわけねーだろっつーの。速水め、いつか寝込みを襲って思い知らせてやる。俺のプレーをなめるなよ。
ようやく休憩が取れたので、はずむ心を抑えて千太を探しに行く。暑苦しい司令室にずっといたので、ちょっと外にでるとワクワク気分だ。いろいろと探っていると、ついに炊事場にいとしの千太を発見した。そうか、炊事班に配属されたのか。遠目からみる千太の後姿に、しばし目が釘付けになってしまった。さてどうやって声をかけようか・・いまこうして日記を書きながらも悩んでいる。

○月14日 シケ
とりあえず、自然体が良いと思ったので、腹をすいたようなフリをして炊事場に行ってみることにした。我ながら情け無い作戦だと思ったが、背に腹は代えられない。炊事場に近づくと、歌が聞こえた。どうやら千太が歌っているらしい。昨日からずっと考えていたセリフである「腹減ったなぁ・・ちょっとコロッケでも」という無難なセリフを、平常心を保ちつつ喋りながら炊事場へ入った。ちょっとドキドキしたのだが、案外セリフが功を奏したらしく、千太の方から声をかけてきた。本当に超ラッキーだ。なんでも言ってみるもんだ。ちょっと話してみたが、素直でかわいくて、思った以上の上玉だ。それにしても間近で見る千太の可愛さは筆舌に尽くしがたい。せっかくいい雰囲気で話しているところを、後藤のヤツが邪魔をしてきた。ちょっとむかついたので、後藤の靴に画鋲を入れておいた。

○月15日〜17日 晴れ
仕事中でも千太の笑顔が頭から離れないので、暇があれば炊事場に向かっていた。自分でも欲望が抑えられないのにびっくりしている。しかし、その甲斐あってか千太とどんどん仲良くなってきた。炊事場に行くと、だいたい千太の方から話かけてくる。ドサクサに紛れて千太の肩に手を置いたりしてみたのだが、特に嫌がっている様子もない。どうも俺は気に入られているらしい。やっぱ俺のカリメロカットが千太のハートをゲットしているのか。笑顔もかわいいし、本当にいい子だ。あともう一押しだ。クソ野郎だらけの潜水艦の生活で、千太と話しているときだけは幸せだ。コロッケを食べたいという、さりげない理由で足を運んでいるのだが、本当のところは千太を食べたい。

○月18日 曇り
妙な噂を耳にした。どうも千太は後藤の晩飯として乗艦させられたという。どうも以前から怪しいと思っていたのだが、やはりそうであったか。もしかして俺の千太はもう食べられてしまったのか。いまこうしているうちにも食べられているかもしれない。あぁ、どうしよう・・・。胸が張り裂けそうだ。しかたない、こうなっては強行策に出るしかない。なんとか俺のソナー班に転属させられないか考える。仕事中にずっと考えていたら、「ボケッとするな」と速水に怒られた。むかついたので、あとで大事そうにくわえているパイプを隠して困らせてやる。

○月19日 曇り
昨日寝ずにいろいろと考えていたのだが、結局何の打開策も思いつかなかった。しかし、失意の状態とはいえ、足は千太の笑顔をみるべく炊事場へ向かっていた。俺が入ると「鈴木さん、つまみ食いはダメですよ」と千太の声がした。思わず「よく分かるな」と言ってしまったが、そのとき雷光のごとくひらめいた。そうだ音だ。音にこれだけ敏感ならばソナー班に連れて行く理由がつけらける。心の中の高ぶりを感づかれないように、「コロッケのキャビテーションか」などと訳の分からないことを言って、千太を炊事場から引っ張り出した。自分でもここまで強引に千太を引っ張り出すことになるとは夢にも思わなかったが、自制心よりも行動が先に出てしまった。しかし結果オーライだ。後藤がなにか叫んでいたが知るわけが無い。ざまーみろ。お前の晩飯は俺がもらったぜ。今は最高に気分がいい。今夜も別の意味で眠れそうもない。


○月20日〜22日 晴れ
ついに千太を我が手中に収め、ウキウキ気分で速水に千太の転属願を出した。なにかブツブツ言っていたが、先日のパイプの件で思い知ったのか、簡単に了承を得ることが出来た。さっそく横に千太を座らせて、3日間ずっとソナー員としての教育をしてあげた。素直な性格なので俺のいうことをどんどん覚えている。これからどう教育していこうかあれこれ考えれると、俺の顔はずっと弛みっぱなしだが、そんなことはお構いなしだ。ソナー員の教育だけではなく、肝心の夜の教育がまだ出来ないのが残念だ。早くプランを練らなければなるまい。たまに下半身がいうことを聞かなくなるが、少しダブついているズボンをはいているのでバレていないだろう。ともかく707号に再び乗れて俺は本当に充実した日々を過ごしていると実感している。

○月23日 晴れ
UXとの戦闘になった。千太に先輩としての俺の実力を見せてやろうと張り切ったのだが、信じられないことに、千太の方が俺よりもことごとく音波を早くキャッチしてしまった。別に千太のソナー班としての能力など、どうでもいいと思っていたのだが・・。いくらコロッケが歌うと豪語していたとはいえ、初めての実戦でここまでの能力を発揮するとは驚いた。まぁ速水には、俺にも見る目があるということをアピールできたからいいのだが、このまま行くと俺の立場が危ういかもしれない。やはり千太に夜の教育をきちんとしていなかったのがまずかったのだろうか。明日の夜には早速教育を開始するとしよう。
しかし、今回も速水のヤツは特攻をしやがった。全くあいつには特攻しか能が無いのか。おかげで寿命が10年は縮まった。どうやら洋平君にも教育が必要なようだ。千太の教育が終わったら次はお前の番だ。覚悟しておけ。俺のプレーをなめるなよ。

自分で書いていて、俺はなんてアホなんだと思ってしまいました・・。鈴木さんファンの方、ごめんなさい。



サブマリン707Rについて
最後にサブマリン707Rの物語自体について考察してみたいと思う。
まずサブマリン707R(以下、707と呼ぶ)は潜水艦を綺麗に描きすぎているように思う。俺の中での潜水艦は、名作「Uボート」がベースになっている。潜水艦=汚い、怖い、絶対に乗りたくないイメージだ。もし、まだ「Uボート」をみたことがない人がいたら、是非一度見ることをお奨めする。見るならば絶対に「ディレクターズカット版」がよい。ディレクターズカット版は潜水艦の内部描写(特に人間描写)が非常によく出来ているからだ。これを見たら、潜水艦に対する意識は相当変わるだろう。

では、見たことが無い人向けに俺なりの707生活像を描いてみる。「Uボート」は第2次世界大戦中の話だからいまはもっと近代的なんだろうが、707は原子力潜水艦ではないし、中に入っているのは所詮人間なので、あんまり変わっていないと思っている。
まず、基本的には潜水艦は非常に狭いはず。どのくらいかというと、通路は人がすれ違うには互いに壁に張り付かないといけないくらい狭いイメージ。だから速水艦長が通るときはすれ違いができない(^^;。それと乗員に与えられる唯一のプライベート空間が707ではけっこう広い描写だったが、潜水艦のプライベート空間って、カーテン一枚で仕切られた3段ベットの1段とか、そんなものだろう。とてもプライベートは守れそうもない感じのはず。707はけっこうスペースがあって悠々とした感じるが、あんな広いとは今ひとつ思えない。
それとたぶんだが、いまでも長期間の航海にでる潜水艦の中は汚いと思う。トイレの匂いはわからんが、汗臭いのは確実(しかも男の)。航海にでてからしばらくすると、みんな感覚はどんどんと麻痺していくので、ヒゲがボウボウとなり、ホームレスの集団のようになるだろう(「Uボート」では全員ホームレスみたいになってる)。707でも、速水艦長以下、全員ヒゲがボウボウになってほしかったね。

遊びはもっぱらトランプや読書、ビデオ鑑賞など、退屈。大きな音を出すと、敵の艦船や潜水艦のソナー員に発見される可能性があるため、大音量で音楽を聴くなどは厳禁。女はいるわけないので、欲求不満を解消するためにオナニー合戦をしたりしているんだろう。男同士、ウン十人も狭い寝室で1ヶ月も暮らしていたらどうなるかなんて、だいたい想像がつくわけで・・・。こんな過酷な部分が707ではカットされているので、707をみて潜水艦に憧れる人がいたら、やめといたほうがいいと忠告したい。

たぶん、707は短い時間の中でいろいろと表現しなくてはいけないドラマだったので、こういった潜水艦内部の描写というのは省かれても仕方が無いのだとは思う。もし深夜枠でリメイクされるとしたら、こういった潜水艦の嫌な部分を克明に描写すれば、もう少しリアルでおもしろくなりそうなのだが。

次に707の戦闘シーンはなんだろうか?まるで宇宙戦艦ヤマトのようだ。そもそも潜水艦の勝負は、いかに相手に気づかれずに近くまで移動して敵を攻撃するか、という点にあるはずだ。千太のいるソナー班が何時間もかけて敵を必死に探す場面が全くない。潜水艦は戦闘よりも敵を探すのにかける時間の方が圧倒的に長いはずなので、こういった描写もままならない707は、潜水艦ゲームのような感覚で制作してしまったのだろうか(まぁずっと敵を探しているアニメもどうかと思いますが・・やはり時間の制約でしょうかね)。それと、真水層に入ったときの水圧に押しつぶされるという恐怖も全然伝わってこない。とにかく707が潜水艦である必要性をあまり感じないのである。別に「宇宙戦艦707」でも十分に物語として成り立つのではないかと思ってしまう。

また、潜水艦にとって、攻撃を受けることは致命的なことである。なぜなら、深度100mといったところに潜っている潜水艦が攻撃されて、穴でも空いたらそのまま圧壊して全員死亡である。速水艦長が最後に体当たり攻撃をかけていたが、あんなことをしたら本当に死んでしまう。部下の命を預かる艦長が、潜水艦で体当たりなどという自殺行為をするとはとても思えない(そもそも水中で相手にぶつける自体が困難だと思う)。俺からみると、速水が無能に思えてくるので、やめて欲しかった。 潜水艦としての戦いをチャンバラ劇のようなものではなく、きちんと見せて欲しかったというのが本音だ。

ということで707には不満タラタラの感想しかでてこない(嫌いではないんだけど)。是非リメイクしてもっと潜水艦の怖さ、生々しさをプラスして欲しいと思う。
(結局のところ、もっと千太がみたいのでリメイク希望なだけなのだが)



使用している画像、台詞等は「サブマリン707R Mission01,Mission02 DVD ANIPLEX」より引用させていただきました。著作権は株式会社ANIPLEX、小澤さとる氏に帰属します。

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