web拍手でオススメいただいた「もえタイ」より亀山太一のレビューです。
←アニメ化されないかなぁ。太一君に萌え萌え〜。
太一に萌えたタイ
みなさん、こんにちは。最近、ヤジロベー考察をしまして、ようやくデブショタ段位を34まで上げましたカジカです。
さて、今回はマンガのキャラクターを初めてレビューすることにしました。「男が燃える! 女も燃える!」、「燃焼系ボクシング漫画」、「ボクササイズは健康美」という爽やかなキャッチコピーで登場した、ときめき青春ボクシング漫画(?)こと「もえタイ」の「亀山太一」です。いやぁ、太一くん可愛ええわ〜。一目萌えしてしまいました。千太キュンと並んで、「太一キュン、あぁ太一キュン、太一キュン」と五七五を読み上げたい気分です。
この「もえタイ」("燃える体脂肪"の略らしい)ですが、月刊アフタヌーンの短期集中で連載されました。作者は杉基イクラさん・・・失礼ながらお名前を知っている方はどれくらいいるんでしょうか?(2008年現在)。筆者は全然知らない女性漫画家ですが、絵はアフタヌーン誌の他のマンガと比べてしっかりとしており、これからもデブショタ子が出てくるような作品を描いてくれるとうれしいですね(もっともデブショタ狙いで描かれたわけではなく(←当たり前)、実験的な作品とあったので、今後はデブショタが出てくる可能性は低いかな?)。
いまどきこんな可愛いデブっ子が主役のマンガというのも大変珍しいのですが、たった3話しか連載されず。非常に残念です。無念です(どうせなら、太一がボクシングの世界チャンピオンになるまで、やって欲しいですねw ただし太一はデブのままで世界チャンピオン←意外とおもしろいかも?)。
久々にツボな子が出現したので、「可愛い太一をきちんと残さなければ」という筆者の判断で、マンガですが特例でレビューをすることにしました(杉基イクラさんのブログで単行本化されることは書いてました。単行本化されたら皆で買いましょう)。ウチのページは、マンガまで考察対象に含めると、あまりに範囲が広くなりすぎて収集がつかなくなるので、しないつもりだったんですが・・。そんな筆者のポリシーを変えてしまうほど、俺は太一に惚れたタイ!(←なぜか博多弁)。そんなこんなで、今回だけマンガをレビューさせてもらいます! (さすがは「
キャラ紹介
とりあえず主要キャラ紹介。
亀山太一(かめやまたいち)
物語の主人公。何事も諦めやすい性格だが、ボクササイズと出会ったことで変わり始める。身長165cm、体重79kg(予想)。
亀山美香(かめやまみか)
太一の妹。カワイイ顔だが性格はかなりキツイ。メタボの兄をバカにして、毛嫌いし、道端でも他人のフリをする最低女。大人になったら確実にスイーツ(笑)。
蔵田(くらた)
厳しいが論理的な指導を行う太一のトレーナー。ボクシングで世界を目指しており、太一にかまっているヒマはないように思うのだが・・?
大塚(おおつか)
太一と同年でプロデビューを目指す目つきの悪い少年。ボクシングを痩せるためにしている太一が目障りでしかたない。どうせなら太一を帰り際にリンチして、陵辱するというシチュが欲しかった(←ォィ)。ワンピースのゾロっぽい。
ダメ人間?
さて内容ですが、何事もすぐに諦めてしまう主人公の太一が、ボクシングに出会ったことで徐々に心境が変化して、メタボから脱却して人間的にも成長していくってな内容です。まぁ、ぶっちゃけて言えば、デブでダメな太一が、ボクシングでまっとうな人間(?)に更正されていくお話です(^^; 最終話はスポコンになっているのも熱いところです。さらに、太一の鈍くささがとても愛らしいことは言うまでもありません!
太一は、16歳の高校生。見た目は童顔で中学生みたいだし、まん丸い体は包んであげたくなるような可愛さ。体型はデブというほどではないが(最終話はかなりデブってた)、お腹に脂肪がたんまりとついており、横腹を摘んであげたい。これって、いわゆる不健康な太り方なわけですけど、体育の授業で「ハァハァ」と息を切らせ、常にハンカチで額に垂れる汗を拭いている太一が、とってもかわええーのです。
性格は相当に気弱で、人と接することが苦手。さらに根性なし。太一は運動オンチのために、体育の授業が憂鬱で仕方がない。バスケットボールではチームの足を引っ張りまくり。「お前はもう何もしなくていい」と散々なことを言われ、太一はクラスのみんなからも鬱陶しく思われている(はっきりいって、デブに相当に冷たいクラスです)。どうやら、太一には学校で友達が1人もいないらしい(俺だったら、太一の友達になって独占しますけどねーw 家で一緒にゲームやったり、押し倒したりしてウハウハっぽいですよ)
太一の趣味は自分の部屋に閉じこもって、ジュースとポテチを食べながらテレビゲームをすること。「ただ穏やかに生きていたい」と考える、若者にしてはまるで覇気がない自閉症の気味の子である。部屋の中はいかにもオタクらしく、ジュースのペットボトルやお菓子の袋が散乱している。可愛い顔とは裏腹に、けっこうだらしない子だったりするんです(でも、可愛いから許す笑)。妹の美香は、そんな兄を兄とも思っていないらしく、太一が外で声をかけようものなら、キレまくり。兄と一緒の学校だと嫌なので、遠くの私立に通っているらしい(太一がだらしないせいもあるが、美香は可愛い顔をして、かなり陰湿。太一と一緒に歩くのも5m以上離れないと嫌らしい。なんなんだよ、この援助交際してそうな未来のスイーツ女は!)。
ボクササイズは健康美
毎日お菓子を食べてゲームばかりしている太一は、皮下脂肪がたまって高校生でメタボになってしまう。そんな兄にムカツいたスイーツ女(美香)は、太一を強引に連れ出し、「5分以内に仕度して」「5m以上離れて歩け」「臭いから息しないで(たぶん言ってる)」とわがまま言い放題で、太一をボクシングジムに連れて行く(太一も少しは抵抗しろよ!)。勝手に親の了解もとって(というか、親に命令したと予想)、太一をボクシングジムに叩き込んで、メタボを強制治療させようというのです。なんなんでしょうか、この家庭内における妹の圧倒的な権力は(笑)。
たしか、サブタイトルに「妹様には逆らえません」という痛い言葉が書いていたんですが、なんで家族全員がこのボーイッシュ・ボブ風カット(笑)の、将来キャバクラ嬢でバイトしそうな尻軽女に逆らえないのか甚だ疑問です。
死んだ魚のような目で、太一を睨みつける美香。太一は仕方なくボクシングを習うことにするが、ジムの雰囲気にビビリまくり。そこに現れたのが、爽やかを絵に描いたような美青年、蔵田(実はデブショタ専)という人物だった。彼は太一に手取り足取りボクシングで痩せるためのボクササイズをおしえてあげるのでした(ちなみに蔵田はちょうどケガでヒマなところに、理想的なデブショタ子が来たためにもう夢中です)。蔵田は太一の豊満な体をペタペタさわりまくるわ、腹にパンチ喰らわすわ、泣いた太一に抱きつかれるわ、太一に鼻水つけられて内心ほくそ笑むわ、いい加減にしろよな。チンチンはさすがに触りませんでしたが、俺の怒りが爆発しないうちに変われ!
←「やれたな!」 妙にさわやかな蔵田があやしい。(ハァハァいう太一も萌え)
ボクササイズというのは、ボクシングのトレーニングメニューで脂肪の燃焼効率をアップさせ、ねじり運動で筋肉繊維自体を太くせずシャープな筋肉を作る、いま流行りのダイエット方法らしいです。まぁ、太一に限ってはダイエットしなくてもいいわけですが(←ォィ)。
ムリヤリ連れてこられたボクシングのジムで、いきなり3分間の縄跳びを強制される太一。お腹の肉と胸がブルンブルンと揺れる太一に、蔵田はすかさず「大丈夫だ。腹は千切れん!!」と意味不明な説得をする。なんとかやり遂げた太一ではあったが、さすがに根を上げてジムを飛び出します。その後、太一はボクシングを諦めるのかと思いきや、蔵田の「オマエは好きなときに好きなだけがんばっていいんだよ」という口説き文句に、あっという間に感化(純粋すぎます)。太一はボクササイズを続けることにしたのでした(蔵田がしたたかすぎますね・・)。
ボロ雑巾なシチュに萌え
いままで他人から「がんばれ」と声をかけられたことがない太一は、優しく指導してくれるデブ専蔵田に心を開いていきます。そして、ボクササイズの
ある日、大塚のスパーリングを見た太一は、自分もリングに立ちたいという。しかし、ジムの反応は冷ややか。「チョウシ乗りすぎじゃねーの?」、「ボクシングを甘く見るんじゃねぇ」、「いい加減、空気を嫁」、「俺たちとは人種が違う(←アンタらが黒人)」と太一をバカにします。もっとも、太一が数週間がんばったところで、中学のときから真剣にボクシングをやっている人たちからみれば、お遊びに見えるわけです。この人たちの言っていることが正論のように思えてきました。「デブはボクシングしちゃダメなんですか・・」と涙目になる太一に、突然に蔵田は「大塚とのスパーリングに勝てば、プロコースへの転向を認めてやる。ただし、負けたときはジムを辞めてもらう」と提案するのです(「ボクササイズは健康美」と言っておいて、本当によくわからない男ですね・・)。
一週間後、大塚との試合に臨む太一。蔵田は緊張する太一に対し「俺にいいボクシングを見せてくれ(はぁと)」と優しく声をかけて励まします(いいボクシングも何も、負けたらジムから追放なんですが・・←しかもコイツが言い出した)。
試合が始まると案の定、大塚の一方的な展開に。ヘッドガードをつけているとはいえ、いきなり顔面を殴打されてダウン、さらにアッパーカットを喰らってダウンと、TKO寸前まで追い詰められますが、鼻血を出しながらも太一はなんとかふんばります。この一方的なヤラレっぷりは、なんなんでしょう。可愛い太一がボロ雑巾のようにされていくそのサマは、まさにドS入りです(蔵田が試合させている理由が分かりました。蔵田は超ドS決定です)。
一方、妹の美香は「こんなの弱いものイジメですぅ」という。あのな、お前に「イジメです」という資格はないだろ。ずっと太一をイジめていた元凶のくせに!
誰か、この将来キャバクラでバイトして「がんばった自分にご褒美(笑)」と言いながら、浜崎あゆみグッズを集めていそうなスイーツ女を退場させてください。
重量級・太一のパワーを見よ!
さて、このまま太一が失神して陵辱されるのを期待する俺でしたが(苦笑)、太一も蔵田のアドバイスで反撃を開始。そのアドバイスとは・・。
「軽量級の大塚にとってお前とのウエイト差はかなりのハンディだ!接近戦に持ち込め!」
「よ・・よぉ〜〜し」(←まんまと乗せられる太一がカワユイ)
いやいやいや、ちょっと待ってください蔵田さん。お腹ダブダブの太一が、プロテスト目指す大塚にそんな古典的な作戦で有利になるわけが・・。
……マジで有利になった!!
「なんて馬鹿力だ・・!!」とお決まりのようなセリフを吐く大塚。しかし大塚は接近した太一のがら空きになった「ドデカイ
「デブ=パワーだけはある」という作者の杉基イクラさんの妄想観念により、メタボな太一でも一撃で大塚をKOできるという図式が成立してしまいました。いくら12階級差(そんなに階級あったのか)といっても、4年間もボクシングに打ち込んでいる大塚のパンチのほうがどうみても強いと思うんですが・・・。
そんなこんなで、試合のほうは、大塚のパンチに根性で耐える太一が、捨て身で一撃を当てようとする壮絶な試合に。それにしても、太一はいままで友達がいなかったとは思えないほどのアクティブさ。あまりの変貌ぶりに驚きましたが、それはそれ、ナニはナニってことで・・。しかし、太一の根性はかなりのモンですね。そして・・。
「やっぱ・・ボクシングはおもしれーや」
一体、誰のつぶやきなのか分かりませんが、「ボクシングがおもしろい」という拍子抜けな締め言葉とともに、太一はついに昇天。あれよあれよという間に、太一は号泣しながらジムを後にするのでした。
総合的にみて
総合的に見て、いまどきのマンガとしてはかなりストーリーがベタで、ヒネリがなく、主人公もデブなために、とても人気がでる作品とは思えません。しかし、俺はこのマンガが大好きです!! だって、太一が可愛いし、根性みせてくれるし、話が単純だから感情移入できるし、太一がボロボロにやられる姿もいいし(←ォィ)、太一が最後まで痩せないし・・(←これ重要)。太一はプロコースに転向するわけですが、プロになるためにはとんでもない苦労や難関が待ち受けているはずです。いままで何事も逃げてきた太一が、果たしてプロという厳しい現実に立ち向かえるのか。太一が再び逃げ出したときに、蔵田や大塚はどう接するのか? いろいろと妄想するとおもしろそうです。
このマンガは世間一般にはウケないでしょうが、デブショタ専の方々にはすべからず読んで欲しいマンガだと思います。しかし、あまりこのマンガを他人にしつこく勧めると、デブショタ専だと疑われて友達を無くすことになっても保証はできませんが・・。
(ちなみに、妹(趣味:浜崎あゆみグッズ収集)が改心したかどうかが気になりますね。太一がダウンしたときに涙目になっていましたが、その後は太一と5m以内で歩けるようになったのかが知りたいです)
余談:安直なメタボ設定が気になる
メタボ(メタボリックシンドローム)というのは、2007年以降に急速に広まった謎の言葉だと思う。メタボとは正確には、内臓脂肪による肥満と、高血糖・高血圧・高脂血症のうち2つが合併した状態を指すらしい(wikiより)。要するに、ビール腹のように太った中年が、糖尿病などの生活習慣病になりやすいという状態のことを指すようだ。
しかし、いまや「太っていること(デブ)」=「メタボ」という図式が出来上がっている。デブであれば、それが「ビール腹」だろうが「ほんのりとした脂肪感」であろうが、なんでも「メタボ」の一言で済んでしまう(「萌え」と同じくらい何も考えないで使える便利な言葉)。
振り返ると、1990年代に「ダイエットブーム」なるものが流行した。医学の進歩に伴い、「肥満」が高血圧や動脈硬化などの危険因子になるという研究結果が多数発表され、「デブは不健康」、「デブは病気」、「デブは格好悪い」というネガティブなイメージをメディアが徹底して植えつけたのだ。ちょうどアニメにデブなキャラクターが減り、美男美少女が並ぶようになったのも、1990年代になってからだと思う。2007年になり、さらに「メタボ」という言葉が追い討ちをかけ、いまやアニメにデブが登場することすら希少になった。もし登場したとしても、不健康で気弱な運動オンチな子供でしかない。
そもそも子供の太り方にもいろいろとあると思う。本ページで考察しているキャラクターをみると、それぞれ太り方が違う。例えば、獣神ライガーの「ダンゴ」はピチピチな太り方で、元気な子供の見本にしたいくらい、快活でわんぱくな太り方であると思う。1980年代の元気な少年のイメージは、「少し太り気味で力強く、肉体的に逞しい子供」だったように思う。
ところが、ダイエットブーム以降に登場したキャラクター、例えば「柴山純平」、「海野千太」は違う。ダイエットブームの影響からか、「デブは走るとすぐに息が切れる。元気というより気弱」というイメージで描かれている。世相がモロに反映されているわけだ。
最近(2008年)では、小学生でも糖尿病になるケースがあり、メディアでは「デブな子供=メタボ」と安直にひとくくりにしてしまう。健康的なデブな子もいるのに、太っているだけで不健康だというネガティブなイメージが蔓延している。これはいかがなものだろうか。
話がかなり逸れてしまったが、「もえタイ」の作者である杉基イクラさんの、デブに対するイメージが非常に気になる。杉基イクラさんは、自身のブログで「主人公がメタボで微妙ですが・・」だと語られていた。太一はまだ高校生なのに、ビール腹の中年と同じメタボだという。つまり杉基さんのデブのイメージは「メタボ」であり、「太一はメタボだからクラスで嫌われている」、「太一はメタボだから運動ができない」、「太一はメタボだから自閉症」、「太一はメタボだからやる気もなにもない」、このように取れるのだ。
それが如実に現れている場面は多数あるのだが、特に右の場面のような、教師が太一に対して「走ると床が抜けるぞ」と揶揄ったり、後ろの席の女が「オメーが前に座ると窮屈なんだよ」という失礼な言葉に、無意識に現れていると思う。
杉基さんが実際にどのように考えられているのかは分からない。しかし、もし「もえタイ」のベースとなる考え方が、太っていることがとても格好悪くて、不健康だと安直に考えて作られたものであれば、これはとても残念なことだと思う。
太っているだけで鈍くさいというイメージは、なんとか払拭できないものだろうか? 子供は多少太っていても、元気に走り回っていれば健康で何も問題ないのである。例えば、現在メジャーリーグで活躍している松井秀喜選手の子供の頃は、かなりデブっていてポジションはキャッチャーだったらしい。彼は子供のときに立派な体を作ったからこそ、世界で通用する選手に成長したのかもしれない。だから、メタボなどという訳の分からない言葉を使って、子供にまで「デブ=不健康」なイメージを作るのはやめてもらいたい。太一のようなデブっ子でも、クラスで人気があって、元気よく走り回る子に描いて欲しいものだ。子供はピチピチに太っているくらいがちょうどいいんです!(もちろん、病的に太っている子供は治療が必要ですが)
使用している画像、台詞等は「もえタイ」(月刊アフタヌーン)より引用しています。著作権は講談社、杉基イクラに帰属します。