超合体魔術ロボ・ギンガイザーとは?
今回はちょっとマイナーなキャラ(?)、トラジローを考察してみようと思う。
そもそもこのアニメは知らない人の方が多いんじゃないかと思う(知らない人が多いアニメ="ほぼ駄作"ってことですけどね・・)。恐らくゲッターロボからの、合体ロボットモノが流行したときに、「俺たちも合体ロボットアニメをいっちょう作ってみよう!」的な軽いノリで作ってしまったアニメなんじゃないかと思うのだが・・。
(それにしても、「超合体魔術ロボ」ってかなり強引なネーミングですね・・・。「魔術」って超能力のことを言っているみたいなんですけど、実際に「魔術」などという言葉は本編で一度もでてきません・・・)。
このアニメ、古き良き時代のクソアニメといってしまえば見も蓋もないが、今見るとそこそこ味はあるような気はする。
主役の4人のメンバーは、なんと超能力者(このアニメではマジックと呼ぶらしい)で、その超能力でロボットを操縦して戦うというものだ。主人公たちは、来たるべき時のために、超能力の訓練を幼少のころから受けてきたのである。ロボットが使う武器も、マジックにちなんだもので、トランプのカードで攻撃する「マジックカード」などがある(しかし「マジックミサイル」とか「マジックレーザー」とか、ほかの武器は単に名前に「マジック」がついているだけで、なんにもマジックと関係ない気がします。ヤケクソ気味にしか思えません・・)。
ロボットは全部で4体(そのうち1機は飛行機形態)。パイロットは、リーダーのゴロー、ヒロインのミッチー、ショタの三太、そして我らがデブショタ(?)のトラジローである。性格的にも体型的にも、4人でバランスが非常によく、熱血漢・ヒロイン・チビ・デブである。この王道的キャラづけは、いまのアニメは是非見習ってほしいところだ。
敵はサゾリオン帝国という、古代から甦ったどこかの宇宙人一族。動物にサソリカオス(意味不明)という光線を浴びせて巨大化した蘇生獣を使って、地球侵略(いや、とりあえず日本侵略)を目論んでいる。
(それにしても、最初のサゾリオンの紹介がけっこう笑えます。わざわざ敵の幹部の名前をテロップで出すのはありがたいのだが、兵士に対して「その他大勢」っていう紹介は一体・・・(写真参照)。そこまでテロップ出さなくてもいいと思うんだがなぁ)
どんなキャラ?
トラジローは、普段はマジックランド(という遊園地の名を借りたギンガイザーの基地)で動物の飼育をしたり、ジェットコースターの制御係をしているようだ(太っているから、かなり窮屈そう)。
年齢はゴローが一番年上で、はっきりとは分からないが16歳か17歳だろう。そのあとミッチー(16歳)、そしてトラジロー、三太の順に兄弟(?)のように育っているようだ(ちなみに全員みなしごです)。トラジローはこの順で行くと、13〜15歳程度に思われる(その割には、ゴローやミッチーのことをタメ口で呼び捨てにしたり、「ゴローの兄貴!」といって甘えたり、本当にはっきりしない設定です・・)。
トラジローは、幼少のころから動物の世話をして育ったらしい。そのような環境のため、トラジローは動物の鳴き声1つで、動物の気持ちを察することができる(ある意味、超能力以上ですね・・)。体に似合わずかなり萌える微笑ましい設定である。第3話では子供がいる動物の親が蘇生獣にされ、トラジローはどうしても子供のことを思い、攻撃できなくなってしまう。こんなところにトラジローの心の優しさがにじみでていたりする。
トラジローは、いつも眠たそうな顔をして、おっとりとしている。しかし、性格はちょっと短気で負けず嫌いなところがある。サゾリオンとの戦闘ともなれば、よく形状が分からない緑のスーツに変身!(キャシャーンの真似っぽい服ですけどね・・これ)。ブルゲイターに搭乗して勇ましく戦うトラジローはなかなかかっこいいのだ(ただ、いつもやられてます)。また、「ブルゲイタースクランブル!!」の手を十字に組んだ決めポーズと掛け声は、キュンキュンきますな。
(そのままスペシウム光線を出す訓練をして、キャシャーンのように怪獣と生身で戦うってのも妄想としてはかなり萌えます・・←アホ)。
恐るべきゴードー博士
ギンガイザーのメンバーに超能力を教え、チームを育て上げたのは、ゴードー博士である(漢字で「剛堂博士」と書くのだが、なにかサッカーの「三都主」みたいでおかしいです)。
彼はプラズマン(?)という種族の宇宙人である(プラズマン惑星の長官だったらしいが・・元々老けていたのね)。2万年にプラズマンとサゾリオンの2つの種族が地球上で戦ったときの唯一の生き残りである。ということは、この人は、2万歳を超えているということなんだろうか(どうやって生き延びたのか説明を求めたいところです・・)
そもそもこのゴードー博士、容姿がとても怪しい(この姿はありえねーです)。街中にいようものなら、不審者として警察に捕まること間違いなしである。
さて、このゴードー博士、親のいない子供を拾っては、育てるというショタぶりを発揮。ゴローとミッチーは、幼少のころに、ゴードー博士に拾われている。この2人は、サゾリオンの実験によって起こった飛行機事故で、偶然居合わせたゴードー博士に命を救われたのだ(しかし、よくあの怪しい姿で飛行場のゲートを通れましたね・・・・)。炎上する飛行機の中で、2人の子供をかかえて、地上へテレポートして助けるゴードー博士(テレポート使えるならば、いちいち飛行機なんか使うなよ!)。こうして男女の子供をゲットしたゴードー博士はニコニコしながらマジックランドの一員として、ゴローとミッチーを育てる。
ゴローとミッチーという、スポーツ刈りの健康少年と、美少女を手に入れたゴードー博士。このエロジジィが次に考えそうことといえば、違ったタイプの子供の育成。次に狙われたのは、トラジローと三太。理想的なデブとショタのコンビである。拾ってきたトラジローに、毎日あれこれおいしいものをたべさせて、丸々と太った理想的な体型に育成。三太はちょっとヤンチャなガキに教育(これってある意味、彼の理想のマジックランドならぬショタランドですね・・・さすが2万年もの間、あれこれ考えてきただけのことはありますね・・・)。
ゴードー博士は、トラジローのことをかなり気に入っているご様子。ゴローとミッチーは、どうでもいいので、サゾリオンを探すために全国行脚に旅たたせる。トラジローも「俺も行く!!」といってきかないが、「トラジローはまだ超能力の修行が足りない」とか「未熟者」というよくわからない理由で(トラジローも2人と同じように、テレポートもできるんですけどね・・なにがどう足りないのかわからん)、トラジローはマジックランドに、いやゴードーの膝元に残されてしまう。
(夜はきっと「トラジロー!早くわしのベッドにレッツ!テレポートせんか!」と毎日夜のマジック教育が始まっているんでしょう。このエロジジィが!!)
それにしても、毎回トラジローと三太はゴードー博士の監視の目を盗んで、ゴローたちの元へ勝手に行ってしまう。ゴードーは一体なにやっているんだか。寵愛がまだまだ足りませんな。俺だったら絶対に放しません(それにしてもトラジローと三太は基地を抜け出すとき、抜け足駆け足でゴードーの元から逃げているのだが、そんなことしないで2人でテレポートしろよ!と思うのだが・・)。
レッツ!テレポート!!
トラジローには、幼少のときからゴードー博士に教え込まれた超能力がある。といっても、実際にでてくるのはテレポートだけであるが・・。ブルゲイターを動かすのも超能力が必要なのだとは思うが。
ただし、テレポートといっても、1人で自由にどこでもテレポートできるわけではない。三太と、両手両膝をくっつけ、「レッツ!テレポート!!」と叫ぶと自由にテレポートができるのだ。このポーズ、ゴローとミッチーはけっこうサマになっているのだが、トラジローと三太の凸凹コンビがすると、なにかデブ×ショタの物凄いインパクトがある(いや、このポーズはゴードー博士が苦悩の末に考え出した、新手のオリジナル萌えポーズに違いない!!)。
あまりにすごいポーズなので、各話から、「レッツ!テレポート!!」のシーンを集めてみた。(たぶん、当時の子供たちの間で、レッツ!テレポート!!を流行らせようとしたんでしょうが、さすがに子供たちも、あまりの格好悪さに真似したくなかったみたいですね・・)
まずは真横のアングルからレッツ!テレポート!!(トラジローのお尻の線がかなり美しく決まってます)
角度を微妙に変えて、レッツ!テレポート!!(トラジローの顔がちょっと怖い)
ちょっとトラジローを受けっぽくしてレッツ!テレポート!!
トラジローの片足立ちのレッツ!テレポート!!
サメに食われそうなところをレッツ!テレポート!!
あざとい戦闘服のままレッツ!テレポート!!
究極の海パンでのレッツ!テレポート!!
それにしても、最後は海パンでテレポートさせるまで昇華しました。スタッフにあざといデブショタがいたもんです!(最後は風呂のシーンで裸でレッツ!テレポート!!してほしかったです・・)
(しかし、テレポートが自在にできるのだったら、いちいち車で移動する必要もないし、基地の中で出動するときも、螺旋状のすべり台をわざわざ降りないで、最初からレッツ!テレポート!!すればいいだけのような気もするんだけどなぁ。このへんは2万年生きているゴードー博士の考えたものなので、よくわかりません。もしかしたらテレポートすると、心臓に負担がかかるとかいう設定で、後々超能力を使いすぎて、トラジローが苦しみ始めるというのも萌えるシチュエーションかもしれませんね・・)
ブルゲイター
トラジローはブルゲイターという、普段はジェットコースターの先頭車両(制御室なのかな?)を操縦して戦う。
どうしてジェットコースターなのかは甚だ疑問なのであるが、ロボットをカモフラージュするためなのだろうか?(だったらどっかの秘密基地に隠しておけよ!)
このブルゲイター、形はそれほど格好良くない。というか、ギンガイザーのメカは全部格好悪い(これが打ち切りになった原因なんでしょうね・・)。ブルゲイターの武器は「トゲバット」。マジックを使うという設定なのに、なぜか「バット」と「ボール」(本当に野球のバットみたいなの)。もうこれはマジックと全然関係ない。トラジローの超能力が訓練不足だからこういう設定なのかよく分からないのだが、スタッフもヤケクソで設定したとしか思えない。またまた小一時間問い詰めたくなってくる内容だ。
(最後のほうでは、「マジックファイアー」などの武器も使えるようになっていました。ゴードーの夜の修行の成果でしょうか・・)
服と体型
トラジローの服はオレンジの丸首シャツに緑色のオーバーオール。真ん中にはドラえもんの四次元ポケットみたいなのがついている。それにしてもトラジローの体型はすごい。ここまでまん丸で、しかも横幅があって、お尻もすごいでかくて、下半身の太り方が日本人離れしたデブキャラってのも、あまりみないような気がする(ゴードー博士がニコニコしながら、そばにおいて置きたいのもわかるような気がしますね・・)。そもそもパイロットとして太りすぎのような気もするが・・(戦闘服は痩せて見えるので、着痩せアイテムと認定します)。本当にスタッフもたいしたデブショタが紛れ込んでいたもんです!
母親
トラジローは、両親と小さい頃に生き別れになったらしい。残念ながらトラジローの幼少の頃の話は、本編ではほとんど語られていない。ゴローとミッチーはきちんと語られているのに、トラジローと三太は無視されているのは納得できないところ。
そもそも、苗字が「荒波」ってあるのだが、これって本当の名前なんだろうか?ゴローとミッチーも、飛行機事故でゴードーに偶然拾われたので、苗字なんか知るわけないのに、「白銀」「秋津」っいう苗字がついているし・・。ゴードー博士が自分の趣味で、萌える苗字をつけたように思える(そもそも全員みなしごなんだから、全員同じ苗字にしてもよさそうなんですけどね・・さすがに2万年も生きている人のセンスは計りかねます・・)。
しかし、「荒波トラジロー」ってかなりハイテンションというか、一歩間違えるとヤクザのようなすばらしいネーミングセンスです(もし「綾波トラジロー」だったら、これはこれである意味時代を先取りしていましたね・・)。
トラジローは21話で意外な素顔をみせてくれる。いつも脳天気に見えるトラジローだが、ケガをして治療してくれた肝っ玉母さんに心を動かされる場面がある。蘇生獣を倒し、その場を立ち去ることになったトラジローは、肝っ玉母さんに、後ろを向き、照れながらこんなセリフを言うのだ。
トラジロー 「あの・・・おれ・・頼みがあるんだけど・・」
肝っ玉母さん「あぁいいよ。なんだい言ってごらん?」
トラジロー 「あぁ・・・あのねぇ・・・つまり・・おれ・・・・おばさんのこと、母ちゃんって呼んでいいかな・・?」
肝っ玉母さん「トラちゃん・・」
やはり心の底には母親を亡くしてしまった寂しさ、甘えたいという気持ちがあるようだ。
声
トラジローの声はベテランの西村知道さん。まさにぴったりのハマリ声。この声あってのトラジローって感じがする。
最後に
最終回で帝王カインザークは「ギンガイザーがいる限り地球をこの手にするのは無理だ。作戦を立て直して、いつの日か再び挑戦するぞ」と捨て台詞を残して去っていく。毎回作戦を立て直して、ギンガイザーに敗れているのだから、立て直すもなにもないと思うんだがな・・。こうして番組は打ち切れていきました。
全話みて、トラジローメインの話はたった2話。コンドルのジョー並とは言わないが、もし52話あったら、もっとトラジローの魅力を出すようなカッコイイエピソードが作られたのかもしれない。残念だ(たぶん、ないと思うんですけどね・・)。見る機会があったら見てみてください。たぶん第1話から次々にありえねーシチュエーションが出てきて笑えます。
使用している画像、台詞等は「超合体魔術ロボ ギンガイザー」より引用させていただきました。著作権は日本アニメーション・葦プロ・朝日放送に帰属します。