半年ぶりに雷鳴のガラガのレビューを担当します、天宮降矢(あまみやこうや)と言います。一応、てんぷる本人ですが、「てんぷる様より寄稿」の一文を読むにつけ、ハンドルネームとしてならともかくペンネームにするにはマヌケすぎるよな……、と言うことで、新しくペンネームをでっち上げました。
掲示板/チャット関係ではてんぷる名義で、批評/小説(気が向いたら)などでは天宮降矢名義で行きたいと思っております。
これもいつまで持つかは分かりませんが、天宮降矢、天宮降矢をよろしくお願いします。どーでも良い事ですが、ウチのIMは「こうや」で変換したら「降邪」って出たんですよ。ある意味自分の本質を的確に表現しすぎていて、さすがに恐くて止めました。
はじめに
機獣創世記 ゾイド ジェネシスとは、2005年4月10日から2006年3月26日まで全50話で放送されたテレビアニメ作品です。
従来のゾイドシリーズとは一線を画すファンタジー調の世界観に、現代の戦争モチーフにしたストーリーを展開させ、今の子供たちに未来への教訓を与えようとした意欲作でした。
1979年、アフガンニスタンに侵攻したソ連軍を牽制するために、アメリカはアフガンゲリラを利用支援しました。そのゲリラの名を「アルカイダ」と言い、そのリーダーこそ「オサマ・ビンラディン」であったのです。
その後、アメリカの過干渉に対して、アルカイダは同時多発テロを起こし、アメリカに報復をしました。
この事件は、自分たちの都合によって他人の都合など関係なく、自分たちの道具として他人を利用してきたアメリカが、利用してきた者たちによって反撃された事件でもあったのです。
これは、何かに似ていると思いませんか?
そうです、地上の人間の都合などおかまいなく、自分たちの都合でジーンを道具として、そのジーンに攻撃されてしまったソラと同じなのです。
アニメと違い、現実ではアメリカはテロとの戦争を標榜し、世界中を巻き込んでアフガニスタンに報復攻撃を行いました。アメリカは、そのような行為を永遠に続ける事が出来るのでしょうか? とてもそうは思えません。どこかで立ち止まらないと、ソラシティと同じように、アメリカも滅んでしまわないと、誰が言い切れるのでしょう。
(←どう見ても、これは9.11だろう)
地図に示された街の名は、ただの文字の羅列ではありません。
その街に住んでいる住民の人数も、ただの数字ではありません。
どのような正義を掲げようと、自分たちと同じ赤い血の流れる人間を利用し、また、死に追いやった罪が消えるわけではないのです。
では、キタ藩はどのような位置付けだっったのか。キタ藩は、日本を模した国でした。ならば、当然キタ藩は日本、ということになります。
キタ藩は、ディガルド公国の侵攻に対し、抵抗をせずに無血開城をした国でした。その結果、ディガルド公国は勢力を一気に拡大させ、ディガルド武国と名乗るまでになります。日本の非戦は、決して悪い考え方ではないのかもしれません。でも、戦うべき時に戦わないことは、日本だけではなく世界中に被害をもたらすこともあるのです。
ゾイド ジェネシスは、そのことを教えようとしていたのではないでしょうか。
不遇の佳作/ゾイド ジェネシス
しかし、志の高さとは裏腹に、商業的にはゾイド ジェネシスは失敗しました。
オモチャの売れ行きは悪く、トミーは合併前に2億円の赤字を抱えてしまいました(もっとも、合併相手のタカラなどは、合併前に115億円の赤字を計上していたのですが)。
なぜ失敗してしまったのか。理由はさまざまな物が考えられます。
![]() |
![]() |
![]() |
塗り間違いで生足になってる(こっちの方が嬉しいが) | なんか、指示が映っちゃってる | わきが塗れてない |
![]() |
![]() |
走り寄る、ただの一般人が…… | あっという間に早変わり! ビックリした!(捏造じゃありません) |
そのせいか、レ・ミイ×コトナというかろうじて命脈を保っていた「萌え」を前面に出すというセールス方向へ転換。最終的には、抱き枕やシーツまで販売されました。一体何に使う気だ! そんなものより、ガラガの抱き枕やシーツを販売しろ!
明らかに、作品の方向性と商品としての方向性に、大きな食い違いが出てきてしまいます。
しかも、その流れに乗って、レ・ミイ/コトナのフィギュアを付けた限定版ランスタッグ、限定版レインボージャークまで販売される始末。トミー、お前もか!!
まあ、付いてたフィギュアが邪神像だったそうなので、あれで萌えられる人間はまず居なかったろうと思われますが。
ただ、それほどの不遇な状況にも関わらず、一回も総集編を作らず、全50話を作り続けたスタッフの熱意は、高く評価しています。
もしも、もっと十分な時間をかけて制作することが出来たら。
もしも、もっと十分な予算をかけて制作することが出来たら。
ひょっとしたら、10年は語り継がれる名作になっていたかもしれません。そう思うと、この作品を取り巻く状況の悪さばかりが悔やまれて仕方ありません。
キャラクター紹介
マイナーな作品は、キャラクターの紹介から始めるそうなので、それに習って、最終回視聴後バージョンのキャラクター紹介をやらせていただきます。
![]() |
ルージ・ファミロン 世間知らずの若造から一転、大の大人を従える討伐軍リーダーにまで上り詰めた大物。 しかし、実の家族からはれ物扱いされながら育ったのに、捻くれる事なく真っ直ぐに育ったことこそ、何よりも勝る大物の証のように思う。 どうでもいいんですが、レ・ミイとはチューしたんでしょーか? |
![]() |
ラ・カン 思慮深い大物、という序盤の仮面は中盤にははがされ、ただ自分の器を知り抜いていたちょっとだけ優秀な人、という本質を露にされて完全にヘタレに成り下がってしまった。 第6話でコトナにオジサマと呼ばれてニヤけ、27話でコトナと二人きりで旅に出るように仕掛けるなど、お前ホントはムッツリスケベだろう、と言ってやりたい。 終盤で一時行方不明になるも、あっさり復活。もっと早い段階で行方不明になっていれば、謎のタイガー型ゾイドに乗った仮面の戦士、という多少ベタな復活もさせてもらえただろうに(なぜタイガー型なのか分からない人は、ワイツタイガーでググッて下さい)。 |
![]() |
レ・ミイ 最初ツンツン、終わりデレデレという真性ツンデレキャラ。おかげで「ゾイド ジェネシスから生れた究極のツンデレキャラ」という、まったくもってありがたくないキャッチコピーが付けられてしまった。 別に萌えで売ろうという姿勢を否定するわけじゃないけれど、作品そのものにはまったく貢献していない売り方だった。実際に、ファンの中には、(多分、レ・ミイがルージにビンタしたシーンを思い出しているんだと思う)こやまきみこ嬢からビンタをもらいながら「ゾイド ジェネシスを見た事が無い」と言い放った古強者霊媒師も居たらしい……。 我らがガラガとルージの間に立ちはだかる最大の障害。だが、あの最終回を見てしまうと、仕方ないからルージはきみきみに譲るよ……と思えなくも無い。 |
![]() |
コトナ・エレガンス 我らがガラガに惚れられている、なんとも羨ましいビチビチビッチ。 本人は、セイジュウロウとくっつきそうだったが、ハッキリとそうはならなかった。その上、後半ラ・カンと二人っきりで一緒に行動する事もあった……。ソラでは、みんなの前でストリップショーを披露。ロンにまで、生つばを飲ませる。そういえば、初めて登場した時は、ルージを誘惑してたな……。 大変だ! ジェネシスキャラは、みんなコトナの餌食にされかかってる! とんでもない、ビチビチビッチじゃないか!! しかし、一番恐ろしいのは、最初はC程度だったバストが、回が進むに連れて巨大化したこと。最終回にはFカップに爆乳変身! 偽名を使っているのは知っていたが、よもや偽乳(ギニュー)まで使っていようとは……。 まさに、偽乳特選体(←畳み掛けるな)。 |
![]() |
雷鳴のガラガ
知人から、デブだのホモだの言われた不遇のキャラ(そりゃ、デブの方が嬉しかったよ)。しかし、この手のキャラにありがちなヘタレに落ちる事なく、最後まで戦力で居続けた。 それどころか、最後はライバルキャラと同等の扱いさえ受ける。この手のキャラとしては、破格の待遇を受けるが、同人関係では無視され続けているのがいとあわれ。ジェネシス自体が無視されているので、仕方ないのですけれど、寂しいです。誰か、ガラガエロ同人を作って下さい。金は出す。 |
![]() |
ロン・マンガン 最初はガラガを狙っていたが途中からルージに矛先を変えた変態。実は戦争を煽っていた張本人(の1人)だった。 責任は取るンでしょうか?(多分取りません) |
![]() |
セイジュウロウ 病気であることに悩み苦しみ、人との関わりを断とうとしていたが、ルージに 病気持ちが最大の特徴だったのに、病気が完治してしまい、これといった特徴が無くなってしまった。いっそのこと、死んじゃえば良かったのに。 |
![]() |
ザイリン ルージを狙っていた変態中の変態。薔薇を象徴に持つが、プロファイルでは薔薇と言えば同性愛の象徴らしいので、間違いなくホモ。 きっと、ジーンを相手にシリアナでのし上がったに違いない。そうでなかったら、ああも信頼するわけがない。 きっとそう。(←言い掛かりです)
|
![]() |
ジーン この作品のラスボス。 女子中学生が神になれるのなら、わしにだってなれるわい! と思ったかどうかは知らないが、本気で神様を目指していたみたい。 しかし、ジーンのような中年のおっさんが千人そろった所で、美少女の髪の毛一本にすら遠く及ばないという宇宙の真理を知らなかった為、あえなく玉砕。 真面目な話をすれば、この男は、他人を枠に納めようとする現代社会を擬人化した者だと思う。特に、機械兵とか。 |
ゾイド ジェネシスを見て下さい。取り合えず、5話〜8話、16話〜17話、30話、49話〜50話を押えておけば、ガラガの魅力についてだいたい分かって頂ける事でしょう。
以上、終わり。
え? それはあまりにも手抜きじゃないかって?
そんなことを言われても、百聞は一見に如かずと言うではありませんか。と、言うか、本編見ないで(ry
気を取り直して、最初から。上のは無かった事にして下さい(人様のサーバスペースをムダに消費して良いの? と疑問に思った方は正常ですので安心して下さい)。
わたしがガラガが好きになった最初のキッカケが、第7話「嘆きの山」でした。あれから、もしかしたら第一印象が悪すぎたから、普通の事をしているだけなのに、ギャップからスゴク良いヤツだと勘違いしているだけなのかな? と不安になり、DVDを見返してみました。
結論を言えば、やっぱりガラガたんはイイ!
この頃はまだ作画も荒れていないので、上質のガラガたんを堪能する事が出来ました。いや、それでも他のアニメと比較すれば並以下の作画なのですけれどね。
第5話で完全にバカだと見下していたガラガの意外な面。それが、仲間思いの人情家であることや、自分を偽る事を決してしない潔さでした。
鼻水まで垂らしながら、己の愚かさを嘆き、慟哭したガラガ。その場面に、私はガラガというキャラクターを最後まで見守ろうと決意したのです。
人情家であるがゆえに、情に流されてしまったこと。それを嘆いた事。
ただの人情家なら見逃していたでしょう。ただの慟哭なら見逃していたでしょう。
しかし、ただでさえ格好悪いとされている人前で泣くという行為に、鼻水までプラスした事で、格好悪さ×格好悪さ=格好良さ、という演算がなされてしまったのです。
以前も書きましたが、わたしが世の中で1番格好悪いと思っているのは、自分の格好悪さを隠すために格好をつける行為です。
そして、それをしないガラガは、誰よりもカッコいい男なのです!
…………冷静に考えれば、カッコ悪い事をしないと言うことと、カッコいい事は別だと思うのですが。ですが、今の世の中で自分を偽る事をせず素の自分を晒して生きている人間がどれだけ居ると言うのでしょう。そのことを思えば、やはりガラガはカッコいいのです。
第16話から第17話では行きずりの相手にも並ならぬ情を見せ、第30話「魔物の森」(作画はあまり良くない……と言うか酷い)では、意外に頭が切れる所を見せ、第49話「決戦」では気遣いの出来る様を見せ、最終回「再生」ではルージと共にバイオティラノに立ち向かう。
その過程で、さまざまな仲間と出会い、絆を深め、最後はホモに転身する(もしかしたらバイかも)。
ガラガは、単体よりも誰かと絡んだ時の方が萌え度が上がります。
と言う事で、今回はエピソード単位ではなくて、キャラクター単位でガラガの良い所を上げて行こうと思います。
ガラガとルージ
「やい! ガラガ!」
ガラガがルージにかけられた最初の言葉がこれでした。
ガラガとルージ。お互いの第一印象は、最悪なんですよね。ガラガにとって、ルージは愛しいコトナを寝取った間男であり、ルージにとって、ガラガは知り合いの女性に付き纏うストーカーでしかなかったから。
ルージにとって第一印象最悪と言うことは、視聴者にとっても第一印象最悪ということでもありました。
当時、私の中でのガラガの評価はおよそ最低ランク。どうせ、これからかませ犬に成り下がるんでしょ? という極めて冷ややかなものでした。
それが、どうでしょうか。実際に終わってみれば、抱かれたい男No.1の座につくほどの株価上昇を遂げるとは、誰が予想したでしょうか。
初回(第5話)の印象こそバカでしたが、その後、ガラガの男っぷりが判明してくるにつれ、バカではなく自分を飾らないだけなのだろう、と思えるようになっていったのです。
前回のレビューで、ガラガの評価が一転したのは第7話から、と書きましたが、レビューのためにジェネシスを見返してみれば、ガラガの男らしさは第6話から発揮されていたのです。
ディガルドに襲われているゲリラを助けるために飛び出していったガラガを、ルージが追っていった場面での会話にそれが現れています。
ルージ「ガラガ、俺も行く!」
ガラガ「お前には関係のないことだ」
ルージ「……。俺の村も、ディガルドに襲われたんだ!」
ガラガ「! ……。付いてこい!」
何気ない会話のように聞こえますが、たったこれだけのやり取りで、ガラガの人となりがどれだけ好ましい物であるか分かります。
仲間を見捨てることの出来ない情の深さ。他人を受け入れる懐の深さ。それらに対して、なんら理屈を挟み込もうとはしない男らしさ。
ガラガと言うキャラクターは、登場当初から、好ましいキャラとして描写されていたのです。
終盤、ラ・カン不在の討伐軍をまとめる為に、虚勢を張っていたルージを支えたのは、誰であろうガラガでした。
ガラガだけが、ルージに甘えることを許してくれたのです。それは、ガラガだけがルージにとって唯一弱みを見せられる相手だったからでした。なぜなら、ガラガは只のガラガとしてルージと対等につき合っていたからです。イエスだけではなく自分が承諾出来ないような事はノーとハッキリ言ってきました。いつもガラガはルージに自分をぶつけてきたんです。
(ディガルド軍を味方に引き入れようと言い出したルージに、つかみかかった所)
ガラガ以外の5人を見てみれば、実はルージと対等の立場にいる者が居ない事が分かります。ラ・カンは、キタ藩主としての責任を背負っており、セイジュウロウは、ルージの師匠になっています。この2人は、ルージよりも上の立場にいます。
レ・ミイとコトナは、女性と言う事で、男であるルージが彼女達に頼るわけには行きません。むしろルージが守らなければならない存在でしょう。
ロンは、ソラノヒトとして、ルージ達とはどこか異なる立場に身を置いています。また、彼はルージに討伐軍のリーダーになることを期待している人間でもありました。つまり、ルージに重荷を背負わせようとしている張本人でもあります。
つまり、ガラガだけが、ルージと対等の立場に立ち、ルージの肩書きや将来性などではなく、ルージそのものを見て、只のルージとしてつき合っていたのです。
また、かつて、ゲリラの頭領だった頃、ディガルド相手に虚勢を張り、仲間を安心させようとしていたガラガ。しかし、その無理がたたって、ゲリラは壊滅し、彼は己の無力さ、愚かさを嘆き、後悔しました。
だからこそ、ガラガはかつての自分以上に無理をしているルージに、何かせずにはいられなかったのでしょう。その彼がルージにしてあげたのは、ルージの仕事を肩代わりすることではなく、ルージを肩車することでした。
ガラガは戦うことは出来ても、知略を張り巡らすことは出来ないし、また、討伐軍をまとめ上げることも出来ません。
だけれど、彼がそのことにコンプレックスを感じ、卑屈になることはありませんでした。自分は自分。自分と言う物を強く持っているからこそ、誰が何をしようとも、揺らぐことはなかったのでしょう。
ガラガがルージにしてあげたのは、傍に居ることだけでした。でも、それこそが、ルージにとって一番必要な物だったのです。
実はルージは実の家族からも疎まれていた少年でした。ゾイドを動かせない、ただそれだけで、彼の将来を期待する者など、誰もいなかったのです。
だからこそ、彼は周りから認められようと、努力し続けてきました。本を読んで知識を蓄え、体を鍛えて潜水の技術を伸ばし、ゾイドに乗れなくても、周りから必要とされる自分で居ようと、ひたすら努力し続けてきたのです。
その努力してきた時間が、今のルージを作ったとも言えるでしょう。天才だとかカリスマだとか他人はルージの表側しか見ませんが、裏ではそれだけのことをしてきたのです。
だけど、それは悪く言えば、ルージが周囲の顔色を窺っている少年である、とも言えるでしょう。実際に、周りから望まるままに、責任を背負い、その重荷に潰されそうになった事もありました。
でも、ガラガだけは、ルージにそのような重荷を背負わせるようなことはしません。エヴォルトするゾイドに乗った英雄ではなく、討伐軍の若いリーダーとしてでもなく、対等の立場に立ってつき合ってきました。
第10話で、弟のようなモノ、と言っていましたが、それは最後まで変わる事は無かったのでしょう。だから、その弟分が、無理をしていると気付いた時、ガラガは、ルージが本当に望んでいたことをしたのではないでしょうか。
いや、正直言えば、「ここなら、誰も見てねえぜ」と言って肩車するんじゃなくて、「これで、誰にも見られないぜ」と言って、大きな体でルージを抱きしめるべきだったと思いますけどね。それでもって、ベッ(ry。
ガラガとコトナとセイジュウロウ
ガラガはコトナの事が好き。コトナはガラガの事が嫌い。
なんで?
正直、何で? と首をかしげたくなります。
ハッキリ言えば、この2人の関係は納得いかない。ガラガの良いトコロを知れば知るほど、コトナの言う「108個の嫌いな点」という物に説得力が無くなっていくのです。
こうなってくると、生理的に受け付けないので、何もかもが嫌になっている、としか考えられません。ガラガの事が嫌いだから、声がイヤ(三宅健太さんゴメンナサイ)、耳の形がイヤ、ムダにデカイからイヤ、とか。
それって、ガラガの存在そのものを否定してるんじゃないか。
拒絶されても、拒絶されても、コトナを追い続けるガラガ。そこまでしてコトナを追い続ける真意は、なんなのでしょう。
もしかしたら、故郷を追われ1人生きてきたコトナを放っては置けなかったのかも知れません。いや、きっとそうです! 決して、豊満に見せかけてレモンパットを5枚も重ねた偽乳(←言い掛かりです)に惹き付けられたわけではありません!!
しかし、今度はなぜガラガがコトナの過去について詳しいのか、という疑問がよぎります。あれほど嫌っている相手に、自分の事を教えたりするでしょうか?
(ルージにコトナ・エレガンスと言う名前が字であると語っている場面)
考えられるとしたら、コトナが依頼を達成する為に、ガラガを誘惑してその気にさせたんじゃないかな、と。その過程で、自分の事を話したのかも知れません。実際にルージ同じような事をしていましたし、それと同じ事をガラガにやっていないとも限りません。コトナにとって、その場限りの関係だったので、仕事が終わればサヨナラバイバイするつもりでいたのに、仕事が終わってからもしつこく付き纏ってきたので、嫌いになった、とか。
自業自得じゃん……。
イヤ、コトナってそこまで悪い女では無いと思いますけどね。と言うか、そう思いたいですね。ガラガの女を見る目が悪いって事になりますもの。いや、悪くてもいいのかな?
それよりも、コトナのガラガに対する評価がどうなったのか、作品中でまるで描写されていないのが、気掛かりです。
最終回では、命を救ってもらったので、感謝していないわけは無いのですが……。DVDの特典でエピローグ……と言うか、本来は制作される予定だった51話が収録されるのを期待してしまいますね。
その一方で、コトナとセイジュウロウはと言うと……くっつきそうでくっつかない。二人っきりでいることはいますが、それが恋なのか、愛なのか、それとも同情なのか、偶然なのか。まるで分からない。
コトナがセイジュウロウを気づかっているのだって病気だからかも知れないし、病気が治ったら、途端にこの2人の関係が希薄になってしまったし。
結局どうなってしまったのだろう、と。
コトナとセイジュウロウが曖昧な関係のままだと、ガラガにとって、まだチャンスが残っているとも言えますが……果たして、命の恩人であると言う事で、生理的に受け付けられていない、というハンデを乗り越えられるのか、と疑問に思ってしまいます。むしろ、チャンスがあるだけ残酷な話であるように思うのですが。
まあ、個人的に、セイジュウロウとビチビチビッチがくっついてくれた方が助かるんですけど。
じゃあ、恋のライバル同士のガラガとセイジュウロウはと言うと……意外と男同士の友情で結ばれたりしています。
反発し合いながらも(と言うよりも、一方的にガラガが食ってかかってたのですけど)、同じ相手のことを考え、先行き短い命であると知っているセイジュウロウは、ガラガに自分の大切な人を託しました。そう、ルージです。
ガラガはルージにとって最大の理解者でもあったのです。
第30話「魔物の森」では、セイジュウロウと行動を共にしていました。そこではガラガこそが、ルージの真の理解者だと示されていたのです。
ゾイドに乗って戦う事にむなしさを覚えていた伝説のゾイド乗り・ダンブルに、ガラガはこう言いました。
「ルージならダンブルにこう言うだろうよ。『せっかくの力を絶望だなんて言わないで、希望にする方法を、活かす方法を考えましょうよ。ダンブルさんの愛した人もそう望んでいるはずです』ってな。そうさ。ルージならきっとそう言う」
そうです。確かにルージならそう言うでしょう。しかし、よく考えてみれば、この役目はセイジュウロウでも良かった筈です。むしろ、セイジュウロウがすべき事ではないでしょうか。
ダンブルが引きこもった理由は、セイジュウロウが引きこもった理由と、ほとんど同じです。だから、ルージに説得され世に出る事にしたセイジュウロウが、今度はダンブルを説得すべき所ではないでしょうか。
なのに、なぜかガラガがダンブルを説得しています。
それは、いつも一緒にいるはずのセイジュウロウよりも、ガラガの方がルージを理解していたからではないでしょうか。そのことを思い知らされたセイジュウロウは、敗北を認めルージをガラガに託したのです! きっとそうに決まってます! 実際は前後逆であったとしても、そんなものは関係ないのです!(でも、前後逆じゃないと辻褄あわないよね、実際は)
あっれーー??
もしかして、この3人の関係って、ハッキリしてるのは、ガラガはコトナの事が好きで、コトナはガラガの事が嫌い、という関係だけなのか?
そうなると、黙って見てただけのヤツより、最後まで最前線で戦った漢の方が、良く見えたとしても、不思議はありません。もっとも、その理屈で行くと、コトナはラ・カンとくっつく事になるのですが……。
いや、二人っきりで旅をしていた時間に、なにもなかったとは限らない。大変だ! 戦勝国・キタ藩の将来は、ビッチに握られてしまう!! 惑星Ziの西太后の誕生だ!!
と言う事で、年がいも無く若い女相手にハッスルしてしまい腹上死してしまったラ・カンに代わってキタ藩を乗っ取ったビッチを敵に回して、ルージが国を追われたレ・ミイを守りながら国を取り戻す「ゾイド ジェネシス2」の制作……されないでしょうね。分かってるさ、それくらい。
ガラガとゴトシ
さて、いい漢ではあっても、色恋沙汰にはほど遠い位置に居るガラガ。しかし、そんな彼を一途に想い続ける男がいます。それがゴトシ。
無敵団の一員として、ガラガと共に戦った男。そして、ガラガの愛人(ラマン)。
男であると言う事で、最初ガラガはゴトシに対して引いてはいました。しかし、人として付きあっていく内に、いつのまにか本気になっていったのです。
死なれてしまったと思い込んだ時に激しく慟哭したのも、きっとこんなことになるんなら一発ヤっておけば良かった、と後悔したからに違いありません! そして、再会した時、ガラガはゴトシを激しく抱きました(←ヤらしい書き方をしています)。
そして、きっと、2人は、激しく求めあい、愛しあうまでにハッテンしたのでしょう。
USOだと思うなら、これを見よ。
ラブソングが流れる中、ゴトシと手を手を握りしめたまま飛行するガラガ。この2人が出来ていないと誰が言えようか!
ここまで書いて、はたと手が止まる。なぜなら、私の中でルージ×ガラガというカップリングが既にでき上がっているから。私自身が一穴一棒主義と言うわけではありませんが、ガラガはどうだろう? なんとなく、ガラガは一穴一棒主義という気がします。
しかし、考えるまでも無く答えは出ています。そう、ガラガは自分のシリアナをルージに使わせても、他の男には使わせないのです! ゴトシとは、当然ガラガが攻めに回るのです!
ムッチリとしたゴトシのシリアナに、ガラガの極太のモノがねじ込まれる。いいね! 想像しただけでイケそうですよね!(とりあえず、私はムリだけどさ。だって、ゴトシだぜ? 可愛くないじゃん?)
と言う事は、ショタでもデブでもイケるガラガって、誰専ってこと?
まとめ
顔、身体、性格、声。全てがそろったイケメン(天宮的基準)、それがガラガたん。
あれだけのナイスガイヒートガイ逃がしゃしねーよ、とばかりにゾイド ジェネシスを最後まで見続けてきました。
ゾイド ジェネシスについての最大の不満は、終わってしまった事。もう、新しいガラガたんの姿を見る事は出来ないのです。
いや! 私たちの胸の内にガラガは今も生きているんです! きっと、惑星Ziの空の下、今も大声を張り上げて、胸を張って生きているに違いありません。
そして、私たちがそれを望めば、いつだって会う事が可能なのです! 時には心の中で、そしていつかはガラガたんと会って抱かれる事だって可能なんです!(←雲行きが怪しくなってきた)
良いじゃないか! 愛があれば次元の差なんて。いつか次元だって越えてやるさ!(←絶対不可能です)
でも、近ごろは、デュマスやトンイ、俵屋(声はガラガ)もいいなぁー、なんて思ってる自分が居ます(クスクス)。浮気性な自分に乾杯。
でも、これだけ良い所を上げたガラガたんですが、ダメな点が1つだけあります。
それは、脱いでくんない事。
ゾイド ジェネシス全編通して見ても、最も露出して肩を出す程度なのはいただけない。
←ザイリン少将はここまでやってくれました。
肩なんかどうでもいいんだよ!! もっと他に露出させなくちゃいけない部分があるだろう!? 「俺様の凄いトコロ」を見せろ! 晒せ! モザイクバスター!!
第9話で温泉に入ると言う極めて美味しいシチュエーションがあったにも関わらず、露は控えめだったガラガたん。
ハッキリ言おう。ガラガたんは、何も隠す事なく堂々と温泉に入るべき人だ。それでもって、ルージのみならず視聴者までも引かせなければならないはずだ。そして、私はそれを見てテレビに釘付けになる人だ。
こればっかりはね、素直になっとくいかない点なのよ。大体、この手の大柄なキャラは、脱ぎキャラと相場が決まっているだろう?(←そんなことはありません) 露出させない筋肉に価値などない(←そんなこともありません)。
いや、むしろ延々と続いてきた巨漢キャラとして、失格だろう(←言い過ぎです)。
今からでも遅くはない。DVD-BOXの特典映像としてガラガの裸が収録されるのなら、買ってやっても良い(←何様だ)。
いや待てよ、脱いでくんなかったと言う事は、裏を返せばガラガがどんな下着を身に着けているか、ご自由に想像して下さいと言われているような物なのか?
と言うわけで、ゾイド ジェネシス全編を通して見ても、否定する根拠がなかったので、ガラガは褌(締め込みタイプ)ということで、ファイナルアンサー。
誰にも否定させない。
終わりに
さて、半年以上時間をかけてしまったガラガ萌え考察も、今回で終了です。久々にアニメ界に降臨したマブとして、散々視姦させてもらいました。
ゾイド ジェネシスは脚本のレベルがかなり高かったので、ガラガが背景に落ちる事なく1人の人間としてしっかりと描写されていた事が最後まで萌えられた要因だったと思います。
ガラガというキャラクターは、強く自分を持っているキャラクターのように思います。また、目立ちはしませんが、物語上で成長を遂げたキャラクターでもありました。
出来ない事は出来ないと認める。挫けそうな者を見れば、そいつを励ます。子供だからと侮る事なく1人の人間として向き合う。
ガラガは相手の肩書きでも身分でも無く、ただ1人の人として見て、1人の人として接する事が出来る希有な人間でした。まさしく、粗にして野だが卑にあらず、といったキャラクターでした。そして、それが人が守るべき最低限の規範だったのではないでしょうか。
ガラガがルージを肩車したのは、人として最低限の規範の上に、人としての理想がある、と言いたかったのかも知れません。
外見に中身まで詰った理想の巨漢キャラ。それがガラガ。巨漢キャラの冬の時代に現れた最大級のマブとして、これからも君臨して行く事でしょう。
最後にイエス・キリストの教えから引用して締めくくりたいと思います。
ゾイド ジェネシスを見た者は幸せである。ガラガを知る事が出来たのだから。
ゾイド ジェネシスを見ていない者は幸せである。これからガラガを知る事が出来るのだから。
ガラガ、今はとりあえずさようなら。いつかまた、会おうね。惑星Ziの空の下で。
天宮に直接感想を送りたいというありがたいお方は、メールアドレスを公開します。2006年8月31日までの期間限定となっております。
koya.amamiya0831@mac.com
なお、天宮降矢はこれで引退します。みなさん、長い間(笑)ありがとうございました。
てんぷるさん、愛情のこもったガラガ考察、ありがとうございました。
なお、放送中にレビューしてもらった過去のガラガ考察は以下となります。今回の考察も含めてお楽しみください。
番外6 ガラガ(ゾイドジェネシス)←ガッチリ萌え向け (てんぷる様より寄稿)
使用している画像、台詞等はゾイドジェネシスより引用させていただきました。(C)1983-2005 TOMY (C)ShoPro・TV Tokyo