天城大地小説(9)


箱野との勝負に負けた天城だが・・?


登場人物

天城大地。巨漢だが繊細の性格な持ち主。真帆路との思い出が忘れられない。

箱野(はこの)。幻影学園のゴールキーパー。デブ専らしい。

幻影学園の選手たち。箱野に扇動されて集団で天城を襲う。


天城は箱野との勝負に敗れ、放心状態でグラウンドに倒れていた。
目には涙が溜まり、こらえるのに必死だった。
一方、天城の周りでは、箱野と幻影学園の選手たちが言い争いを始めていた。
<箱野だけ好き勝手にするな>
<化身をだせるからって、特別だと思うなよ>
実は香坂からの依頼を受けたのは箱野であり、他のメンバーは香坂のことは知らなかった。
──雷門の巨漢をリョウジョクできるぜ。
こんな簡単な理由で、箱野は真帆路にバレないように、他のメンバーたちを秘密で集めたのだ。
だから、箱野が1人で事を進めれば、他のメンバーが不満を漏らすのも当然だろう。


箱野は視線をオロオロとさせて、この状況を収束させる方法を考えた。
(くそっ、天城大地を俺だけのものにできると思ったのに・・なんてこった・・)
<おい、箱野! 俺たちにも、このデブをリョウジョクさせてくれるんだろうな!?>
幻影学園の選手たちは、次々に不満に口を尖らせてきた。
箱野は苦笑いを浮かべて、口を開いた。
「仕方ねぇな。ならばみんなでリョウジョクしようぜ」
<よーし、全員でやっちまおうぜ>
<終わったら、箱野が好き勝手にしてくれよ>
「それは任せておけ。天城大地は最後は俺がいただくからな」
箱野の発言が終わるや否や、幻影学園の選手たちが天城の周りに群がった。


<この泣き虫のデブをやっちまおうぜ>
辛辣な言葉に、天城は懸命に顔をゴシゴシとぬぐって、涙を隠した。
「な、泣いてなんかないど・・」
<このデブを動けないようにしろ!>
天城の心の痛みも知らずに、幻影学園の選手たちは、周りを取り囲んだ。
その異様な光景に、天城は悲しみに心を奪われてるどころではなくなった。
「な、なにをする気だど・・?」
<俺は右腕を押さえるから、お前は左腕な>
<このデブ、すげー太い足してるぜ!>
<巨体すぎるぜ、コイツ>
選手たちは、起き上がろうとする天城を強引を押し倒し、両手と両足をガッチリと掴んで大の字にした。
天城はグラウンドで仰向けの格好になる。
Xの字の形で完全に拘束されてしまった。


「ううっ、やめるんだどっ」
天城は放心状態とはいえ、この状況に背筋が凍る思いだった。
消耗しきった体で、手足の枷を外そうとする。
「放せっ」
しかし、肉体的にも精神的にもボロボロな天城には、力が沸いてこなかった。
動きを封じられた天城は、不安そうな目で近づいてくる箱野を見つめる。
「天城大地よ、悪いが約束が変わった。全員でお前を解剖することにしたよ」
「解剖って・・?」
「リョウジョクだよ、リョウジョク!」
「意味が分からないど、とにかくやめるど!」
「うるせーな。少しずつ開帳していくとするか」
箱野は、大の字になっている天城の、股の間に割り込むように入り込っていく。
ちょうど股間の寸前でしゃがむと、ゆっくりと手をユニフォームに伸ばした。


ユニフォームに手を伸ばすということは・・。
天城は、箱野がみんなの前で自分を脱がそうとしていることに、感づいた。
大勢の前でユニフォームを脱がされる屈辱。
それだけは絶対に避けたい。
小学生のときに、イジメで裸にされかけたことがあったが、真帆路に守ってもらった。
しかし、いまは真帆路はいない。自分でなんとかするしかない。
天城は遮二無二なって、手足を動かそうと体を揺らした。
「おいおい、あまり体を揺らすなよ」
天城は最後の抵抗といわんばかりに、声を振り絞った。
「俺を脱がすつもりだど!? 絶対に嫌だどっ」
「まったく、天城くんは体が大きいのに、肝っ玉が小さいな。往生際が悪いぜ」
「約束を破ったのはお前だど」
「黙れ! お前は勝負に負けたんだ。だから俺のものだ」
箱野は周りにいる選手たちに向かって、得意気な声をあげた。
「まずは上半身から行くぜ!」
バサッ。
雷門の黄いユニフォームの裾を掴み、一気に胸を露出させた。
筋骨隆々というよりは、滑らかな曲線で膨らみのある厚い胸板。
荒々しい呼吸をするたびに、お腹の筋肉が膨らんだり凹んだりしている。
抵抗もできずに裸を晒してしまう天城に、幻影学園の選手たちはあざけり笑った。


「み、見るなっ・・!」
天城の焦燥も知らず、取り囲む選手たちから、感嘆の声があがる。
<逞しいなぁ>
<相撲取りみたいだぜ>
<デブって、おっぱいがでかいんだな>
おそらく半分はからかっているのだろう。
天城は全員の視線が自分の胸に集中していると分かり、真っ赤に顔を染めた。
その視線に耐えられずに、思わず目をそむける。
<女よりも胸があるぜ>
<ちょっと触ってみるか>
すると、箱野がドヤ顔をしながら口を開いた。
「お前ら、俺に感謝しろよ。こんな巨漢をリョウジョクできる機会なんてもうないぜ」
箱野の非道な発言に、天城は涙声で呟いた。
「頼むからやめてくれど・・・俺の裸なんか見たって仕方ないど・・」
「そんなことないぜ。みんなお前の豊満な体に興味津々だ」


いつの間にか選手の1人が、天城の横に座って手を伸ばしていた。
そのまま胸をゆっくりと撫でながら、乳首をキュッと握った。
「ぁん・・!」
小さな声だったが、その場にいる全員が天城の喘ぎ声を聞き逃さなかった。
<こいつ、感じてるぜ・・>
<俺にもやらせろよ>
その1人に触発されるかのように、天城の豊満な胸に手が一斉に伸びた。
まるで無数のヘビが、絡みつくかのように。
「や、やめるど・・! そんなの・・あっ・・」
そうこうしているうちに、ゾッとするような生暖かい感触が体中を走った。
何本もの手が、同時にお腹やわき腹を触診していることはすぐに分かった。
(はぁっ! あ・・・あっ・・)
グニグニと乳輪をなぞられて、天城の頭の中が真っ白になっていった。
特に乳首を摘ままれると、思わず喘ぎ声を漏らしてしまう。
「あっ・・そんな・・んんっ!」
息を乱しながら、天城はビクッと体を反応させて喘いでいた。


<コイツ、すげー敏感だぞ>
<デブは脂肪で覆われているのに、感じるんだな>
もはや、幻影学園の玩具のように、もてあそばれていた。
そのうち、誰かがどさくさに紛れて、天城の股間の膨らみをグイッと握った。
「ぎゃああ!」
思わず声をあげてしまう。
<箱野、早く下を脱がしちまおうぜ>
天城はその屈辱的な言葉にビクッと反応する。
自分の大切なチンチンが、全員の前に晒される・・。
そんなことをされたら、道を歩くのだって恥ずかしいほどのトラウマを植え付けられるだろう。
「や、やめるど・・・頼むからやめるんだどっ」
「いよいよパンツを脱がすか。それにしてもでかいケツをしてるな」
箱野は天城の青いサッカーのズボンに手をかける。
「お前のモノはどれくらいの大きさなんだろうな。ゆっくりと開帳してやる!」




次回をお楽しみに。次の話を読む

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