もえタイ小説(7)


山下の強引なやり方に太一は・・?


登場人物

亀山太一。温厚な性格だが、メタボでノロマな事からクラスでは一人ぼっち。


山下は、仰向けに倒れた太一のお腹に、馬乗りになった。
手首をガッチリと畳に押さえつけ、太一を身動きできないようにする。
「おとなしくしろよ。これから太一くんの心を解放してあげるから」
「や、やめてよ・・」
「太一くんのお腹って柔らかいのな。じゃあ、まずは前菜からいこうか」
「な、なにを・・」
山下は、不安気に見つめる太一の頬っぺたを両手で押さえつける。
そして、太一の目をジッと見つめた。
太一はその鋭い視線に、思わず「うっ」と目を横にそらした。
「ヘヘッ、そういうウブなところ、好きだぜ」
山下は顔を一気に近づけて、太一の唇に吸い付くように濃厚なキスをした。
「うぶっ・・!」
太一は必死に顔を左右に動かそうとするが、山下の強靭な腕力の前に虚しい抵抗に終わった。
ペチャッ、ペチャッという湿った音が、道場に響き渡る。
それは山下の舌が、太一の唇をベットリと舐めまわす音。


(ああっ、やめて・・はむっ・・)
太一はしょっぱい涙を浮かべながら、山下の舌から懸命に逃げようとする。
しかし、山下の柔らかい舌の感触に、太一の心は動かされていった。
(はぁはぁ、山下さんの舌が・・なんかヌルヌルして・・)
舌の湿った感覚に流されそうになりながら、
  太一は必死に唇を閉じて、こじあけようとする舌の侵入を防ぐ。
すると山下が、太一の耳元でフーッと興奮した鼻息を荒げながら呟いた。
「ねぇ太一くんって、キスしたことあるの?」
「・・・」
「もしかしてこれが初めて?」
「そ、それは・・・」
「そっか、初めてなんだ。
  じゃ、太一くんの初めてのキスも、初めてのエッチも、全部俺がいただくとするぜ。
  早く舌と舌を絡ませようぜ。気持ちいいからよ。
  あんまり強情になってると、大塚の約束はなしだ。いやだろ?」
「うっ・・」
「そうそう。俺は素直な太一くんが好きなんだ」
そういうと、山下は太一の耳にフッと息を吐きかける。
太一の全身に、ゾクゾクっとした電気のようなものが駆け巡った。
「ああああっ!」
「ククッ、太一くんは敏感だなぁ」


山下はククッと笑いを浮かべて、太一に話しかけた。
「じゃ、舌を絡ませようぜ」
再び太一の唇に吸い付く、タラコのような山下の唇。
(うっ・・あんっ・・)
太一の唇がほんの少し開いた瞬間、山下の舌が待ってましたとばかりに侵入した。
さまよう山下の舌が、太一の舌にねっとりと絡み合う。
(はあああっ・・この感触は・・!)
舌が絡み合った瞬間、太一はビクンッと体を仰け反らせる。
その反動は馬乗りになっている山下に伝わるほどだった。
(ヘヘッ、太一くん、相当に感じてるな。もっと気持ちよくしてやるぜ)
山下は舌の先を使って、焦らせるように太一の舌をツンツンと突く。
雫のような唾液が太一の舌に伝わると同時に、山下は湿った舌を絡ませる。
(なんだろう・・この感触・・いままで感じたことがない・・)
初めて味わう舌の感触に、太一の鼻息はどんどん荒くなった。


何度も何度も舌を絡ませるうちに、太一の目はトロンと溶ろけそうになった。
たっぷりと染み込んだ唾液が、太一の口からヨダレとなって滴り落ちる。
「あぶっ・・」
それはとても甘く感じられて、脳の感覚がおかしくなるような不思議な気持ちだった。
「はむっ・・あんっ・・」
「ハァ・・・んぁ・・」
2人はさらに鼻息を荒げ、お互いが強く舌を絡める。
(すごく気持ちいい・・だけど、ボクはこんなことをして・・・)
太一は心の中で、まだ理性と葛藤していた。
(ボクはいま男の人を相手にキスをして、興奮している・・?)
大塚のためとはいえ、こんなことをしていいのか?
恥ずかしい行為なのでは・・?
しかし、山下の強烈な舌の快感は、太一の理性を徐々に吹き飛ばしていた。
(あっ・・あっ・・この気持ちよさ・・体の力が抜けていって・・・もうダメ・・)


山下の柔らかい舌。
溶ろけるようなその感触に、太一の心臓は高鳴った。
(あんっ・・はむっ・・もっと・・)
太一は、いつのまにか求めていた。
ペチャッペチャッという2人の舌が重なる音が、幾度となく道場に響きわたる。
口と口がスッと離れると、ツーッと唾液が2人の唇の間の伸びる。
2人はしばらく見つめあった後、自然に頬をくっつけて抱き合っていた。
スリスリと頬を摺り寄せ、時にキスをしたり、強く抱き合ったり・・。
なぜか太一には"恥ずかしい"という感覚がなかった。
キスが終わってから、頭の中がボーッと放心状態となり、
  ただ"気持ちいい"という一種の脳内麻薬のようなものが、太一の心を支配していたのだ。
それだけ山下とのキスは、太一には刺激的すぎたのだ。


「太一くん・・」
「はぁ・・ああっ・・」
太一の感度の良さに、山下も興奮せずにはいられなかった。
鼻息を荒げて太一の頬をペロペロと舐め、そしてまた頬っぺたをこすりつける。
頬が触れ合うとこんなに気持ちいいのかと、山下と太一は同時に心の中で思った。
しばらくして、耳元で山下が囁く。
「初めてのキスの味はどうだった?」
「なんか・・頭が真っ白に・・」
「太一くんって、初めてなのにけっこう大胆だよね」
「そ、そんなこと・・」
「太一くんってすごくいい匂いがする。毎日お風呂でキレイにしてるんだ?」
「う、うん・・」
「パンツの中も?」
「え・・?」
「太一くんの体、全部舐めたいな」
「・・・」
山下は会話を楽しみながら、太一がほとんど放心状態であることに気がついた。
なぜなら太一の返事が単調で、うわのそらに感じるし、
  途中でギュッと強く抱くだけで太一が「ああっ」と激しく反応するからだ。
すでに太一の心は、山下に支配されかかっていたのだ。


第8話に続きます。次の話を読む

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